Android Weekly Topics

2017年1月第4週CyanogenModの終演、そして、LineageOSが提供開始

CyanogenModの終演、そして、LineageOSが提供開始

AndroidベースのカスタムROM「CyanogenMod」が誰もが予想しないかたちで、2016年12月に終わりを迎えることになりました。

CyanogenModを支援するCyanogen Inc.が、リストラの一環として2016年12月23日に、年内でCyanogenModの支援を打ち切ると発表しました。

この後の動きは早く、2016年12月26日にはcyanogenmod.orgにアクセスできなくなり、CyanogenModのnightlyビルドも2016年12月25日で終了しました。CyanogenModのソースコードは、引き続きGitHubに公開されておりアクセス可能です。

Cyanogen Inc.は続いています

Cyanogen Inc.は継続されています。Cyanogen OSをアピールしている同社のサイトもオープンしており、外から見ればこれまでと変わらないように見えます。

Cyanogen Inc.は、2014年12月に設立されてから2016年12月までの3年間、CyanogenModを支援してきました。

同社のCyanogenOSは、AndroidカスタムROMをビジネスベースに乗せた成功事例と考えられた時期もありました。たとえば、2015年4月にはMicrosoftからの投資を受けて、その成果として2016年のはじめにはCortanaをCyanogenOSに統合したこともありました。ハードウェアを持たないベンダーが開発するカスタムROMとしては、意欲的でGoogleとは異なるAndroidを提供する気概を見せていました。

しかし、2016年11月の終わりに、Cyanogen Inc,のファウンダーでもあるSteve Kondik氏が同社から退社する発表があり、続いてオフィス移転に伴うリストラ、そして今回の発表と2016年の後半は良いニュースがありませんでした。

CyanogenModコミュニティの動きは早かった

Cyanogen Inc.の動きの早さに同調するかのように、CyanogenModの開発コミュニティの動きも早かったです。Cyanogen Inc.によるブランド売却などを嫌い、CyanogenModを継続しないとして、2016年12月25日に後継OSとなる「LineageOS」の立ち上げています。

LineageOSのウェブサイトlineages.orgが立ち上げられて、GitHubにもソースコードが公開されています。

開発コミュニティはLineageOSに移行することになり、今後もオープンソースの精神に基づき個人の開発者を中心としてプロジェクトが進められます。ただ、CyanogenOSのように、今後、端末メーカが安心して採用できるような品質を保つことができるかはまた別問題で草の根のコミュニティのような雰囲気に戻りました。

LineageOSを公開開始

原稿執筆時点では、ダウンロードページは準備中ですが、原稿が公開されるころには準備が整っているはずです。

LineageOSの公開ポリシーがブログで公開されています。

Android 6.x MarshmallowかAndroid 7.x Nougatがベースになり、Weeklyでビルドが提供されます。サポート端末は発表時点で80以上としており、今後、公開されることになっています。CyanogenModがベースなので、これが動いていた端末は同じように使えるはずです。

LineageOSは、セキュリティに配慮してかroot化は自身で行う必要があり、ここがCyanogenModとは違うとところです。

Cyanogen Inc.の支援がなくなり、一步後退したような格好となりました。しかし、何事も始まった時は小さなものですが、CyanogenModの資産と開発コミュニティの分だけLineageOSは恵まれています。これをうまく活かして、新たな未来を切り開けるのか今後の動きには注目です。

今週は、このあたりで、また来週。

おすすめ記事

記事・ニュース一覧