AndroidとLinuxのデュアルブート可能な「Gemini PDA」が登場
Indiegogoで、AndroidとLinuxがブート可能な「Gemini PDA」が出資を募っています。
これは、CPUにMediaTek Helio X25、メモリは4GB、ストレージは64Gです。
5.7インチ(2880 x 1440ドット)のタッチスクリーンとQWERTYキーボードを搭載して、サイズが17.1cm x 8.0cm x 1.35cm、重さは400gです。
Indiegogoで似た「GPD Pocket」が出資を募っていますが、これとの違いは、AndroidとLinuxのデュアルブートで、SIMスロットがありLTE通信ができる点です。出荷予定時期は2017年11月です。
Gemini PDAで使われている「MediaTek Helio X25」は、ミドルレンジからハイエンド向けのSoCで、Xiaomi Redmi Proの上位モデルで採用されています。
Helip X25は、10コアを高負荷、中負荷、低負荷用として、3つのクラスタに分けられています。構成は、以下のとおりです。
- 高負荷処理用:Coretex-A72×2(Max 2.5GHz)
- 中負荷処理用:Coretex-A53×4(Max 2.0GHz)
- 低負荷処理用:Coretex-A53×4(Max 1.5GHz)
これを「CorePilot 3.0」と呼ぶ管理技術を使って、処理負荷状況に応じて動的に切り替えて制御します。Helio X25には、GPUやモデムも統合されています。モデムは、日本で良く使われているBand 19(800MHz)には対応しておらず、メインはBand 1(2100MHz)です。これを最もサポートするのがドコモなので、ドコモ系のSIMで使うのが良さそうです。
プロジェクトオーナーはGemini PDAのために立ち上がったスタートアップ
プロジェクトオーナーの「Planet Computers」は、Gemini PDA開発のために立ち上がったスタートアップです。所在地は、中国の深センでもなく、アメリカのサンフランシスコでもなくイギリスのロンドンです。
本拠地がロンドンであるためか、ヨーロッパで一時代を築いたPsionに関わったデザイナーがプロジェクトに関わり端末をデザインしています。ほか、こうした端末開発に慣れた人が関わっているようですが、わかりやすい実績はありません。とは言っても、先行開発を進めているのかモックがMWC 2017の併設イベント「4YFN(4 Years From Now)」の会場で展示されており、物理設計はある程度のめどが経っていると考えられます。
ソフトウェアのほうは、情報が出ていないのでこれからかもしれません。
たとえば、デュアルブートを謳っています。AndroidはXiaomi Redmi Proでも動作しているので心配はないはずですが、LinuxはHelio X25で動いている話しを聞くことはありません。これを活かすのにドライバーが必要で、これを書くためにはMediaTekの協力も必要になるはずです。
出荷予定まで残り10ヵ月を切る時間の中で、どれだけ完成度が高められるのか気になります。
Sailfish OSがXperiaで動く。新たなステージか?
フィンランドのJollaが開発するOS「Sailfish OS」が、ソニーのXperiaにも提供されるとXPERIA blogが報じました。
Jollaは、ソニーと提携を結びソニーの「Open Devices Program」へ参加しました。
このプログラムは、ソニーのハードウェアでさまざまなソフトウェアを動作させることを目的としています。Sailfish OSは、Xperiaで使えるソフトウェアの1つとして加わります。
MWC 2017の会場では、Sailfish OSがXperia Xで動作するところがデモされていたようですが、提供時期は少し先の2017年第2四半期です。
Jollaは、中国、ロシア、ボリビアなどでOSライセンス事業を展開して、iOSやAndroidとは異なる動きをして生き残りをかけています。ソニーとの提携をキッカケに幻想をいだき過ぎると、2015年末の倒産危機をもう一度経験することになるかもしれません。しかし、小さい会社は、小さいなりの動きができるので今後の展開に注目です。
今週は、このあたりで、また来週。