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2017年3月第5週Android O Developer Preview 1、リリース

Google、Android O Developer Preview 1をリリース

前回Android Oに関する噂話をご紹介した直後に、Googleが3月21日に開発者向けにAndroid Oのプレビューバージョンを公開しました。

Android O Developer Preview
https://developer.android.com/preview/

今回のリリースは、Developer Preview 1(DP1)と呼ばれるもので1回目のリリースです。今後、5月中旬にDP2, 6月中旬にDP3, その後DP4と続き、最終版のリリースは2017年の第3四半期に予定されています。スケジュールは例年どおりで、年末には新しいPixelシリーズとともにAndroid Oがリリースされるはずです。

ポイントは6月中旬にリリースが予定されているDP3で、ここで確定版のAPIとSDKがリリースされます。2017年の第3四半期がリリースなので、この時点からでもリリースまで数ヵ月の時間はあります。ここからアプリ開発を始めても良いかもしれません。

毎度のことですが、Nexus 5X、Nexus 6P、Nexus Player、Pixel C、Pixel、Pixel XL向けには、Android Oのシステムイメージがダウンロード可能になっています。これは開発者向けの扱いなので、まだAndroid Beta Programを通じた配信は行われていません。

SDKもリリース済み

SDKは、Android Studio 2.4のCanary版を向けに、Android O Developer Preview向けのSDK Build-Tools、SDK Platform-Tools、Android Emulator、Support Repositoryがリリースされています。

これらは、Android Studio 2.4のTools > Android > SDK Managerからインストールできます。また、以下の開発者向けページではアプリのマイグレーションガイドが公開されています。

対応アプリのリリースの開発を予定している方は、一読することをオススメします。

興味深い新機能

Android Oの特徴と追加されたAPIは、以下のページで公開されています。

このページでは、事前の噂どおり新たな通知システムやピクチャー・イン・ピクチャーが確認できます。ピクチャー・イン・ピクチャーは、事前の噂どおりAndroid TV以外でも利用可能になっており、Android TVのような小画面以外の用途での使い方が出てくる可能性もあり期待したいです。

興味深いのは「Multi-display support」です。

Android Oでは、アプリがマルチウインドウをサポートしていれば、別ディスプレイでの実行を可能にしています。また、Autosizing TextViewがサポートされたことで、開発者側はディスプレイサイズを気にすることなく、レイアウトの崩れないアプリが開発できます。

2画面のスマホと言えば、背面にEインクディスプレイを搭載する「YotaPhone」が有名です。マルチディスプレイがサポートされることで、こうした端末を独自拡張なしでOSの機能を使うことを前提に開発できるのかもしれません。他には、背面にEインクディスプレイを内蔵して各種情報が表示できる「popSLATE 2」のようなケースが登場する可能性もあります。

新機能から見られる新たな展開

マルチディスプレイのサポートは、Chrome OSの統合も視野に入れた追加機能だと思いますが、近い未来にAndroidがデスクトップOSの代替として使われることまでも想定しているのかもしれません。

Googleは、デスクトップOSを持っていません。考慮すべきはChrome OSですが、Androidの方が圧倒的にメジャーな存在です。よって、ここ数年Appleが取り組んでいるiOSとmacOSの使用感を近づけるような取り組みに、時間をかける必要がなく思い切った戦略を取ることもできます。

もう1つ、Android TVをテレビに組み込んでいるソニーからの要望の可能性もありますが、Color managementがサポートされるのも、従来のモバイルOSでは考えられませんでした。

今のところ、ハッキリしたことは言えませんが新機能を通じて、新たな展開が見え隠れするAndroid Oは注目の存在です。

今週は、このあたりで、また来週。

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