Microsoftの本気を感じる「Xamarin Live Player」をリリース
Microsoftは開発者向けのイベント「Microsoft Build 2017」で、Visual Studio用のツールとして「Xamarin Live Player」を発表しました。
Xamarin Live Playerは、Visual Studioで開発したアプリの実行環境でAndroid用とiOS用が用意されます。
Xamarin Live Playerは、これをインストールした端末とPCを直接ペアリングして、開発中のアプリの実行やデバッグができます。Visual Studioでコードを修正すると、端末で実行しているアプリに即座に反映されます。また、Visual Stuioからは、ブレイクポイントの設定やステップ実行などのデバック機能が使えます。
これは、Android Studio 2.0からサポートされた「Instant Run」に似た仕組みです。これでは、デバッグ中に書き換えたコードの差分を高速でビルドして、アプリを再インストールすことなくデバッグできます(デバッグを終えると編集内容が破棄されるので、リビルドが必要です)。
Xamarin Live Playerの仕組みは説明されていませんが、Visual Studioで書いたコードを端末に転送して、これをインタプリタで実行しているのではないかと考えられています。
iOS版のアプリサイズが197MBで、アプリ実行に必要なライブラリを含んでいると見られており、これもインタプリタで実行する推測の裏付けとなっています。
仮にインタプリタで実行しているのであれば、Visual Studioを使ってビルドしたアプリをデバッグするのとは本質的に異なります。恐らく実行速度も異なるはずで、UIの調整や動きの確認など、使える場面が限定されるかもしれません。
ナゾの多いOS「Fuchsia」のUIが公開
Googleが開発する「Fuchsia」は、開発者の間では知られた存在です。これに関する新たな情報が、IT系メディアのArs Technicaに掲載されました。
Fuchsiaは、UIが公開されてなかったこともあり、IoT向けのOSではないかと推測されていましたが、UIが公開されたことで、スマートフォン用OS、Androidに代わるOSではないかと推測されています。
Fuchsiaのカーネルには、Googleが開発した「Magenta」が使われています。
今回公開されたUIは「Flutter」と言うAndroidとiOSで動作するクラスプラットフォームのSDKが使われています。Flutterは「Dart」と言うGoogleが開発したオブジェクト指向のプログラミングで書かれています。また、グラフィックフィックスのレンダリングエンジン「Escher」もGoogleが開発したものです。
このように、FuchsiaはGoogleが持つ資産や技術だけで開発されており、すべてを自社でコントロールできます。
Androidは、LinuxカーネルはGPL、開発言語はJavaなのでOracleの縛りを受けます。Androidが世界で最も使われているOSになり、重要なポジションにいるので、Googleは他の影響を最低限にしたい考えがあり、Fuchsiaが生まれたのかもしれません。
Google I/O 2017でFuchsiaの情報が公開されて、真の姿が見えてくる可能性もありますが、Fuchsiaからは、5年・10年のスパンを見て新たなOSを研究開発をしていることが読み取れます。
今週は、このあたりで、また来週。