スマホをラップトップに!Razerが「Project Linda」を発表!
1月9日、Razerがラップトップのトラックパッド部分に、Razer Phoneをはめ込んでラップトップとして使う「Project Linda」のコンセプトを発表しました。発売時期は不明です。
Project Lindaは、ラップトップのパームレストにあるトラックバッド部分がくり抜かれており、ここにスマートフォンをはめ込むと、Androidラップトップとして動作します。はめ込んだスマートフォンは、トラックパッドとして動作するほか、MacBook ProのTouchBarのように、ディスプレイにオブジェクトを表示して操作することも可能です。デザインはRAZER Blade Stealthと似ており、無駄がなくシンプルです。また、お馴染みの七色に光るキーボードも備えており、「戻る」や「ホーム画面」などの専用キーがありAndroid向けに最適化されています。
The Vergeは、プロタイプの動画レビューをYouTubeに投稿しています。
この動画では、スマートフォンをパームレストのくり抜き部分にはめ込む様子が確認できます。(22秒あたりから)くり抜きにスマートフォンを入れると、USB Type-Cのコテクタが横からせり出て、端末をロックする凝った機構が確認できます。
Razerは、2017年のCESでも三面鏡のように配置された3つの4Kディスプレイを持つゲーミングラップトップ「Project Velerie」を発表していますが、その後の動きが無く、これのエッセンスを引き継いだ製品などもリリースされていません。Project Lindaも発売時期は未定とされているので、製品化されない可能性はありますが、レビュー動画を見るとアプリがストレスなく動作しています。
類似の先行プロジェクトがある
Project Lindaは、すぐ発売しても良さそうな印象ですが、似た製品や似たコンセプトが成功を納めていないのも事実です。
たとえば、Windows 10 Mobileの「Continuum」、Samsungの「DeX Station」は、クレイドルに外部ディスプレイやキーボードを接続して、これにスマートフォンを差し込むことで、デスクトップPCのように使えるものですが、どちらも広く普及しているとは言えません。
デスクトップPCではなく、ラップトップのように使うことをコンセプトとするプロジェクトがKickstarterには「Superbook」とIndiegogoには「Mirabook」があります。どちらのプロジェクトも資金調達には成功していますが、Superbookは2017年2月、Mirabookは2017年12月の出荷予定を守れておらず、これらの評価はこれからです。
2つ持ち歩くのはナンセンス
Project LindaやSuperbook、Mirabookは、目新しいコンセプトではありませんが、十分な性能を持つスマートフォンとラップトップを一緒に持ち歩くのはナンセンスで、これをコアにして必要な時にだけ大きなディスプレイとキーボードが使えれば十分と考えるのは当然です。
先行するSuperbookやMirabookはケーブル接続ですが、RazerのProject Lindaは、対象を自社のスマートフォンに絞り込んで、ラップトップ側の筐体に埋め込むので、ラップトップである意味をより活かすことになり機動性が高そうに観ます(その代わり、Razer Phoneを使う必要があります)。
こうした製品は、ラップトップよりも安いことが重要なポイントになるとは思いますが、新たな流れをAndroidにもたらす可能性は十分に考えられます。気になるのは、Googleがスマートフォンより大きな画面を端末は、Chromebookに任せる舵取りをしており、これと異なることです(タブレットを視野から外している意味では同じですが、戦略は異なります)。
最近のAndroidは、多様性の幅を狭めるような動きをすることがあるので、一発屋で終わる可能性は考えられますが、使って見たい・欲しいと思えるコンセプトの製品です。
アプリ開発者は、さらに大きな画面とキーボード・マウスで使われる可能性を考慮して、開発する必要があるので負担は増えますが、モバイルとデスクトップで作り分けする必要がないと考えれば、こちらの方が都合は良いかもしれません。
今週は、このあたりで、また来週。