Androidが無料でなくなるかも
2018年7月18日、欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)は、Androidがモバイル検索やモバイルサービスにおける公平な競争を阻害しているとして、Googleに対して43億4,000万ユーロ(約5,700億円)の制裁金を科すと発表しました。
ECは、GoogleがAndroidを通じて「モバイル検索サービス」「モバイルOS」「Android用アプリストア」で市場を独占しているとしています。また、90日以内に効果的な対策を講じなければ、売上げの最大5%の罰金を追加で科すとしています。
これを受けて、GoogleのCEOであるサンダー・ピチャイ氏は、声明文を公開しました。
以下がポイントです。
- iPhone以外の選択を人々にもたらすために提供している。
- 新たな選択肢により競争が生まれて、モバイルが進化した。
- 無料とオープンが魅力で多くのブランドで採用され、人々に選択肢を提供している。
- iPhoneと競争するために、Googleは多額の投資を行っているが直接的ではなく間接的に利益を得ている。
Androidは、すでに消費者や端末メーカ、ネットワーク事業者に対して、多くの選択肢を提供していることをないがしろにしていると抗議をしているのと、われわれのビジネスモデルを否定するもので、巨額の制裁金が科されるのであれば、今までどおり選択肢の提供が不可能になるかもしれないとも示唆しています。
と言った様子で、ECと全面的に争う姿勢を見ています。
たとえば、EU向けのAndroidには何らかの制限が設けられるようになれば、Androidの魅力が損なわれることにもなります。また、EUを主戦場とした代替のモバイルOSが存在していないので、ユーザの利益が損なわれることになります。さすがに、GoogleがEUから全面撤退ということにはならないと思いますが、今後の進展が気になるニュースです。
5万切りでE Inkディスプレイ搭載のAndroidタブレットが登場
2018年7月19日、SKTはOnyx International製の9.7インチ、E Inkディスプレイ搭載のAndroidタブレット「BOOX Note S」の販売を開始しました。7月21日からAmazonで販売されており価格は4万9,800円(税込)です。
端末スペックは、CPUが1.6GHzクアッドコア、搭載OSはAndroid 6.0、メモリは1GB、ストレージは16GBとなっています。Google Playにも対応しており、Android 6.0でも動作するアプリであれば、端末にインストールして使えます。
最近のタブレットとして見ると、平凡なスペックどころかエントリレベルのスペックのタブレットですが、9.7インチのE Inkディスプレイを搭載しているのがウリです。そのE Inkディスプレイは、解像度が1200x850(150ppi)で、16色グレースケール表示です。また、タッチ操作とスタイラスにも対応をしており、1024段階の筆圧を検知します。
よく「E Inkディスプレイを搭載した、手頃なサイズのタブレットが登場すれば欲しい…」という話が聞かれますが、BOOX Note Sは、この望みを実現したタブレットです。
ただ、手放しで喜べないところがいくつかあります。
まず、搭載メモリが1GBなので、メモリ食いのアプリでは動作速度が散漫になることが危惧されます。もうひとつ、解像度が150ppiなのとフロントライトが無いのも気になります。素のKindleが167ppiでフロントライトがないので、読書に使うならばこれと同じ体験ですが、300ppiとフロントライトがあるディスプレイで読書をしているので物足りなく感じます。
読書以外の汎用タブレットとしては、スペック不足感がいなめません。
SKT自身もホームページで「タブレットの代替とはならない」と説明しているので、E Inkディスプレイの意義が理解できる人向けのタブレットと言えます。リモートディスプレイソフトをインストールして、サブディスプレイとして使っても面白いかもしれないしれません。
今週は、このあたりで、また来週。