Android Weekly Topics

2018年12月第4週MIPS Openが発表、命令セットがオープンソースに

MIPS Openが発表、命令セットがオープンソースに

MIPSを所有するWave ComputingがMIPSアーキテクチャの命令セットをオープンソースで公開する「MIPS Open」を発表しました。

RISCアーキテクチャの先駆者でもあるMIPSは、SGIやNEC, SONYなどの数多くのワークステーションに採用されており、Intel何者ぞと言わんばかりの勢いの頃もありましたが、PentiumクラスのCPUが登場したのを境にその勢いをなくなり、当時の親会社でもあったSGIすらも、IA-32へ移行するなどデスクトップ市場では行き場を失っていました。2011年頃には、携帯端末への進出を狙い、AndroidでもMIPSを搭載するタブレットが一時的に存在していましたが、いまやその影をみることもありません。

MIPSは紆余曲折を経て2018年6月に、AI向けのプロセッサを開発する新興ベンダーのWave Computingが買収しています。ここがエコシステム拡大を狙いMIPS Openの取り組みを発表しました。

オープンアーキテクチャのRISC CPUと言えば、RISC-Vが盛り上がりを見せています。これは、Linux Foundationとの提携し、その盛り上がりを拡大させようとしています。Wave Computingは、この盛り上がりを知ってのMIPS Openの取り組みを発表したと思われます。

これからのRISC-Vとは違い、MIPSには1984年からの歴史と多くの蓄積があり、いまだ、低消費電力と低発熱を特徴として組み込み向けのCPUとして人気を保っています。デスクトップではIntel、携帯端末市場ではARMの後塵を拝していますが、2019年春からのオープン化が思惑通りに進めば、2020年の終わりごろにはMIPSの名前を聞くようになるかもしれません。

Android搭載のE-Inkタブレットが登場

ONYX-INTERNATIONAL製のE-Inkディスプレイを搭載するAndroidタブレット、Boox Poke Pro、Boox Nova、Boox Note PlusをSKT株式会社が12月25日からAmazon.co.jpで発売します。

理想のタブレットが語れる時に必ずE-Inkディスプレイがあがりますが、ONYX-INTERNATIONALは、E-Inkに搭載のタブレットを長年開発しているメーカーです。

搭載ディスプレイが大きな違い

Boox Poke Proのスペックは、1.6GHzクアッドコアCPU、6インチ(1,072×1,448ドット, 300ppi)ディスプレイ、メモリ2GB、ストレージ16GB、microUSBインターフェース、2,500mAhのバッテリ容量です。本体サイズは114×160×7.8mm、重さは170g、価格は2万5,704円です。

Boox Novaのスペックは、1.6GHzクアッドコアCPU、7.8インチ(1,404×1,872ドット, 300ppi)ディスプレイ、メモリ2GB、ストレージ32GB、USB Cインターフェース、2,800mAhのバッテリ容量です。本体サイズは、137×196.3×7.7mm、重さは240g、価格は3万6,504円です。

Boox Note Plusのスペックは、1.6GHzクアッドコアCPU、10.3インチ(1,404×1,872ドット、227ppi)ディスプレイ、メモリ2GB、ストレージ32GB、USB Cインターフェース、4,100mAhのバッテリ容量です。本体サイズは、178×250×6.8mm、重さは360g、価格は6万4,584円です。これだけは、他とは違いワコムの電子誘導式スタイラスに対応しており、ペンを使ったメモや書類に注釈を入れるなどの用途でも活用できます。

どれも基本スペックはほぼ同じで、搭載するディスプレイがそれぞれの違いとなっています。Boox Note Plusは、フロントライトを搭載していませんが、代わりにワコムペンに対応します。

Android 6.0とPlayストアに対応

ソフトウェア面では、Android 6.0搭載とPlayストア対応がBooxシリーズの特徴です。

E-Inkディスプレイの特性上、画面の書換が頻繁に発生するゲームや動画再生には向きませんが、Kindleアプリをインストールして電子書籍端末として使ったり、ホームページを見たりなど静的なコンテンツを楽しむ用途としては十分です。

BluetoothとWiFiを搭載しているので、Bluetooth接続の外付けキーボードとDropboxなどのクラウドストレージが使えます。Playストアから好みの日本語入力アプリとテキストエディタをインストールして使えば、自由度の高いテキスト入力端末としても活躍しそうです。

使いでのあるタブレットにも感じますが、できることは液晶搭載のタブレットと同じか劣るので、E-Inkディスプレイにどれだけの価値を見いだすかがポイントとなりそうです。

本年はこのあたりで、また来年。皆さま、よいお年をお迎えください。

おすすめ記事

記事・ニュース一覧