今回は、1月8~11日までアメリカのラスベガスで開催された「CES 2019」で発表されたAndroid関連製品の中で、気になったものをピックアップしてみます。
物理キーボード搭載の「Cosmo Communicator」
CES 2019に先立ち報道陣向けのCES Unveiledで、物理キーボードを搭載したクラムシェル型の端末「Cosmo Communicator」が出展されました。これは、リンクスの取り扱いで国内発売を開始した「Gemini PDA」を手掛けたPlanet Computersが開発している端末です。
Indiegogoで出資を募っていたのでご存知の方も多いと思いますが、この試作機がCESで公開された格好になります。有機ELのサブディスプレイは、試作機のために操作できない制約があったものの、メディアの写真を見る限り完成度は高いように見えます。
Cosmo Communicatorのコンセプトは、かつてNokiaが発売していたCommunicatorシリーズを現代風にアレンジし直したものです。そのNokia Communicatorは、2007年に発売された「Nokia E90 Communicator」で途絶えており、これにはSymbian OSが搭載されていました。
Cosmo Communicatorは、eSIMに対応しているのも特徴で物理SIMと組み合わせればDSDS(デュアルシム・デュアルスタンバイ))環境で利用できます。eSIMを使ったデモも行われていたようです。
Indiegogoの出資者向けには6月出荷を予定しています。AndroidだけではなくLinuxも動作するので、気になる方は出資してみるのはいかがでしょうか。Indiegogoのページでは、まだ出資を受け付けています。
LenovoがSmart Clockを発表
スピーカやディスプレイに続いて、スマート化のターゲットとなるのは置き時計のようで、Lenovoがスマートクロックを発表しています。
Lenovo Smart Clockは、用途の切り口がベッドサイドに置くような目覚まし時計というだけで、ハードウェアは4インチのタッチディスプレイと6Wのスピーカ、そしてGoogle Assistantを搭載しているので、スマートディスプレイの小型版です。機能的にもスマートホーム端末の操作やディスプレイに天気やニュースが表示できて、Google Home Hubと同じように使えます。
7インチディスプレイのGoogle Home Hubと比較すると、二回りくらい小さいので置き場所を選びません。住宅事情が厳しい日本では、スマートディスプレイの小型版として、こちらの方がウケるかもしれません。
家庭内には、特定の情報を表示し続ける物があるはずで、同じような感じでスマート化できるものがありそうです。たとえば、カレンダーなどもスマート化できる余地はあるのかもしれません。
発売はこの春の予定で価格は80USドルです。Google Home Hubが100USドルくらいなので、あと20ドルくらい安ければと考えますが、初物としてはこのくらいかもしれません。
小型テレビとGoogleアシスタントの組み合わせ「Kitchen TV」
PhilipsがGoogleアシスタント内蔵のテレビ「Kitchen TV」を発表しています。
24インチのテレビで、キッチンの水回りで使うことを想定してIPX-5の防水性能も持ちます。これもKitchen TVと呼んでいますが、これも先のSmart Clockと同じで用途を明確化しただけでハードウェアはAndroid TVです。
日本での用途であれば1人暮らし向けのテレビとしては最適です。また、Android TVなのでスマホとも連携できるメリットもあります。価格は299ドルを予定しているとのことなので、今年はエントリモデルのテレビまで、Android TVが浸透する年となりそうです。
今週は、このあたりで、また来週。