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2019年3月第3週Android Qのβ版がリリース

Android Qのβ版がリリース

3月11日、Googleは次期Android OSとなる「Android Q」のβ版のOSとSDKを発表しました。

現在のところ、Google Pixelシリーズのみで利用可能です。

Android Pのβリリースの時は、Pixel以外の端末も対象となっていたので、追ってサポートが拡大される可能性があります。また、通年であれば、Google I/Oが開催される1ヵ月程度前の5月ごろのβ版公開ですが、これよりも早いタイミングで公開されています。これは、夏頃に各社から折りたたみディスプレイ搭載の端末が登場するために、リリースを急いでいるのかもしれません。

Android Qでは、ユーザのプライバシー保護を第一に開発されています。これ以外に、折りたたみディスプレイのサポートやカメラ・グラフィックスの強化などが行われているので順にみていきます。

ユーザのプライバシーを守る仕組みが強化

Android Qでは、ユーザのプライバシー保護に関わる機能や仕組みが強化されます。

たとえば、アプリの位置情報にアクセスできる権限がアプリ使用中か常に許可するかを設定できます。これにより、アプリ使用中以外は位置情報を提供したくないアプリに対しては、ユーザの操作で制御が行えるようになりました。

また、写真やビデオやオーディオなどに対してのアクセスもアプリごとに制御できます。SDカードなどの外部ストレージへのアクセスは、アプリごとのサンドボックスが用意されて、自身が作成したファイルは他のアプリからアクセスできなくなります。これにより、ユーザファイルの保護が強化されるのと、外部ストレージへのアクセス権限管理が簡素化できます。

バックグラウンドで動作するアプリは、特定の条件を満たさない限りアクティビティが起動できなくなります。よって、突然、他のアプリが起動して操作を奪われるようなことがなくなります。他、端末のIMEIやシリアル番号など、端末やユーザを特定できる固有の情報に対するアクセスの制限も行われます。他、MACアドレスをランダマイズする機能もAndroid Qで正式導入されます。

いずれもiOSと比較して、Androidが後手に回っていたところに手を入れた印象です。

折りたたみディスプレイへの対応などUIの見直し

Googleが次期OSで折りたたみディスプレイをサポートすると公言したように、Android Qで対応されます。これのサポートは、onResumeとonPauseの動きに変更が加えられて、マニフェストのresizeableActivityが拡張されて、ディスプレイを折りたたんだ時と広げた時の画面が管理できます。また、エミュレータでも折りたたみディスプレイがサポートされ、提供に向けて開発を進めている段階のようです。

他、Sharing Shortcutsで、別のアプリを使う別のユーザと写真などのコンテンツが素早く共有できます。これは、単にコンテンツを共有するだけでなく、特定のアクティビティを起動する前提での共有も可能なようです。

システム関連の設定変更は、設定アプリに切り替えることなくアプリからフローティングパネルを通じて設定変更ができる仕組みとUIが追加されます。これにより、音量やWi-Fi接続、機内モードなど、頻繁に設定変更するものはアプリにフォーカスしたまま操作が完結できるので分かりやすくなります。

マルチメディアとグラフィックスの強化

マルチカメラ搭載の端末では、JPEGファイルの他に被写体の深度データのXMPメタデータが取得できます。これを使うことで自前のアプリでも背景をぼかすといったエフェクトが実装できます。また、新たにオープンソースのビデオコーデック「AV1」がサポートされます。

NDKを使ってC++でオーディオ処理を実行するアプリのために、NDKでMIDI機器と通信をするネイティブMIDI APIがサポートされます。これにより、MIDIデータを低遅延で処理できます。

他、Vulkanで動作するOpenGLドライバーがサポートされる予定なのと、実験的にANGLEをサポートして、OpenGL ESを使うゲームの多くがVulkanの性能恩恵が受けられます。

ARTの強化

Android Qでは、Android Runtime(ART)に改良が加えられて、アプリの起動が高速になっているのとメモリ消費量が少なくなっています。アプリ起動の高速化は、時間経過とともに頻繁に実行されるコードを認識して、プリコンパイルすることで実現しています。

今週は、このあたりで、また来週。

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