Android Weekly Topics

2020年1月第2週2019年のHUAWEIを振り替える

HUAWETがよく話題に上がった2019年

2019年は、中国の通信機器メーカ「HUAWEI」がよく話題になる年でした。

前半は、SamsungのGalaxy Foldよりも大きなサイズの折りたたみディスプレイを搭載するスマートフォン「Mate X」を発表し(Galaxy Foldの騒動を受けて発売延期をしたあと、中国では2019年10月に発売しましたが入手は困難なようです⁠⁠、後半はnova 5シリーズを3機種発売して新製品で攻勢をかけました。

しかし、端末よりも米国の輸出規制による影響が多く話題になりました。

これにより、GMailやGoogleマップなどのアプリ、Playストアが関係するサービスが含まれる「Google Mobile Services」が規制対象となりました。これが対象となると、新機種では端末では使えない、また、既存端末へのアップデート提供も心配されました。この輸出規制は、期限間際に90日の猶予措置が何度か取られており、今のところはおおごとにはなっていませんが、この状態がいつまで続くのか不透明です。

輸出規制を受けてHUAWEIの脱Googleの動きが活発化し、独自開発のOS「Harmony OS」やモバイルサービスの「Huawei Mobile Services」が話題になりました。

HUAWEI、次期フラッグシップのP40にもAndroidを搭載か

この状態では、新機種にAndroidが搭載できるか不透明ですが、3月末にパリで発表予定の次期フラッグシップ端末「P40」には、Android 10をベースにしたEMUIが搭載予定となっています。P40には、Harmony OS搭載の可能性や、Android 10とHarmony OSの両方を搭載してデュアルブートのうわさ話もありました。

Android 10ベースのEMUIの話は、HUAWEIのコンシューマビジネス部門を率いるRichard Yu氏がフランスのFrandroidのインタビューに対して応えたと『9to5Google』が伝えています。

P40にGoogle Mobile Servicesは搭載されるのか

しかし、P40にGoogleの「Google Mobile Services(GMS⁠⁠」が搭載されるかまでは語られていません。2019年9月発売のMate 30シリーズは、Android 10ベースのEMUI 10が搭載されていますがGMSは非搭載です。

2019年10月に、GMSに変わり、独自のHuawei Mobile Services(HMS)を開発するために10億ドルを用意したと話題になりました。この資金の投資先として、17,000ドルのインセンティブを提供して、インドでHMSとアプリ統合を行い、GMSと同じサービスモデルの開発を行っています。また、HMSを通じて提供されるアプリは、足元の中国や力を入れているインドのデベロッパーの支援により100から150程度とも言われています。

こうした動きは、中国とインドのデベロッパが開発するアプリやサービスが世界展開できるチャンスとも考えられるので、HUAWEIがブーストすることで、デベロッパは、またとないチャンスと考えることもできます。

HMSがGMSと肩を並べるには、しばらくの時間が必要なのと、P40は世界展開のモデルなのでGMS非搭載という大胆な戦略は取らないと思われますが、HMSが順調に成長すれば、2021年に発売されるだろうP50では、状況が変わっている可能性があります。

Harmoney OSはどうなっているのか

HMSがユーザの支持を得られる程度の規模までに成長すれば、Harmony OSではなくAOSP版のAndroidにHMSを搭載した端末を販売し続けることも考えられます。2019年は、さまざまな憶測が出ましたが、HMSにまつわるHUAWEIの動きを見れば、独自OSの開発が優先事項ではないようにも見えます。

たとえば、PC向けOSを開発する老舗のMicrosoftでさえもWindowsの開発部隊は、独立部隊ではなくAzureの一部として統合するくらいです。OS開発は、時間をかけて取り組むべき事業であり、直近で利益を生む事業ではないと考えているはずです。独自でコントロールできるOSを持つのはリスクヘッジのひとつにもなりますが、Androidを使える可能性が残る限り、いま以上の動きはないかもしれません。

今週は、このあたりで、また来週。最後になりましたが、本年もよろしくお願いします。

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