OPPOを通じて見るカスタマイズAndroidの現状
OPPOは、コスパに優れておサイフケータイに対応する「OPPO Reno A」や10倍ズームを持つ「OPPO Reno 10x Zoom」など話題の端末を国内展開しています。OPPOは、2003年に設立された中国のメーカで、傘下にはハイエンド端末を得意とするOnePlusがあり、同じグループには先進的な端末の開発を得意とするVivoがあります。
OPPOの端末には、ColorOSと名付けられたカスタマイズAndroidが搭載されています。中国メーカの端末は、独自カスタマイズのAndroid搭載が通例のようなもので、先のOnePlusは「OxygenOS」、ViVoは「Funtouch OSと名付けられた独自カスタマイズのAndroidが搭載されています。
OPPO、OnePlus、Vivoとそれぞれ関係のある会社でも、別々に独自カスタマイズのAndroidを開発しています。これには、中国企業の底力に驚かされるのと同時に、中国では人が集まる活気のある産業であることが分かります。
ColorOS 7が公開
ColorOS 6のメジャーアップデートとなる「ColorOS 7」の立ち上げイベントが昨年の2019年11月26日に行われています。この時の模様はColorOSのサイトに公開されています。
ColorOSは7年の歴史があり、2013年9月23日に最初のバーションがリリースされてから、ベースとなっているAndroidのバージョンアップに合わせて進化を続けており、現バージョンはColorOS 6となっています。国内展開されているReno AやReno 10x Zoomには、ColorOS 6が搭載されています。
新たにリリースされるColor OS 7は、Android 10がベースとなり独自機能と独自ユーザインターフェースが搭載されます。詳細は以下のサイトで確認ができます。
ColorOS 7の新しいユーザインターフェースは、クリーンかつシンプルなデザインで、身のまわりものをモチーフにしたアニメーションは、Android 5で実装されたマテリアルデザインにも通じる部分があります。
他、ダークモード、フォーカスモード、ゲームモードなど、今のスマートフォンに必要とされるモードが実装されているのと、写真や動画撮影の機能なども強化されています。また、写真家が手掛ける美しい壁紙が提供されるのもウリになっています。ColorOS 7は、トレンドを生み出すような存在ではありませんが、今のスマートフォンに必要とされる要素はすべて揃っています。
分業でスピーディーな開発
OPPOと同じように、自社の端末向けにAndroidをカスタマイズする中国メーカをあげてみると。
- OnePlus - OxygenOS
- Vivo - Funtouch OS
- Xiaomi - MIUI
- Huawei - EMUI
- Meizu - Flyme OS
などがあります。メーカによってカスタマイズの程度が異なり、カスタムスキン程度のものも存在します。
デスクトップOSも基礎部分は、数年に1度のレベルでしか大きな変化はなく、毎年行われるバージョンアップは上位レイヤーの使い勝手に関わる部分です。デスクトップOSを開発するAppleやMicrosoftは、こうした部分も自身で開発しています。しかし、Androidでは、基礎開発はオープンソースで行われており、顧客に端末を提供するメーカが顧客と向かい合い使い勝手に関わる部分を開発しています。
OS開発と言えば、基礎部分から使い勝手に関わる部分まで、ひとつのメーカが一気通貫で開発するのがあたりまえでした。しかし、ニーズが細分化し早いサイクルで端末を開発し続けるという意味では、基盤部分と上物の開発が分業された、いまのような分業体制の方が時代に合った開発スタイルと言えるのかもしれません。
これは、OPPOではうまく回っていますが、うまく回っていないメーカもあります。
たとえば、Meizuの「Flyme OS」は主戦場の中国市場ではアップデートが頻繁に行われているようですが、国際市場ではアップデートが行われず、セキュリティアップデートが半年以上も放置されている端末が存在しています。これを理由にアップデートが定期的に行われる、XiaomiやHuaweiの端末への乗り換えも発生しています。
これは、メーカの体力が市場の広がりに則していないためですが、一時は、雨後の筍のようにあったカスタムROMが廃れていったように、数年後にはカスタムAndroidから脱落しているメーカがあるかもしれません。
今週は、このあたりで、また来週。