今回は、ガジェットマニアが必ず通る電子ペーパーを搭載したAndroidタブレットを取り上げます。
BOOX nova 2は、電子ペーパー搭載のAndroidタブレットです。
電子ペーパーは、超低電力、高い視認性、薄型・軽量の特徴を持ちますが、液晶とは異なり、リフレッシュに時間がかかる、残像が残るなどのデメリットもあります。それでも電子ペーパーに魅力を感じるのは、コンテンツがハマれば画面が液晶とは次元の違う見やすさが得られるところです。
BOOX nova 2のペックを紹介
まずは、ハードスペックから紹介していきます。
ディスプレイは、7.8インチ1872×1404ドット(300dpi)です。搭載CPUは、ホームページでは型番が公表しておらず、オクタコアの2.0 GHzとされていますが、CPU-Zで調べるとSnapdragon 625と表示されます。これは2015年9月に発表されたSoCで、2-3万円台のミドルレンジのスマートフォンに搭載されていました。今となっては年代もののSoCです。
搭載するメモリは3GB、ストレージ容量は32GBです。
Wi-Fiは、2.4Gと5Gに対応で、Bluetooth 4.1、インターフェースはUSB-Cです。バッテリ容量は3150mAh、スピーカやイヤホンジャックはありません。重さは265g、本体サイズは197.3×137×7.7ミリで、A5相当です。
パフォーマンスを検証
パフォーマンスの検証に、antutuで3回ベンチマークを実行しました。
- 1回目:70370
- 2回目:82038
- 3回目:77690
1回目は、GPUの性能測定ができず低いスコアですが、他は、7万点後半から8万点前半といったところです。Snapdragon 625を搭載したスマホのスコアが6万点半ばなので、まずまず良い結果と言えそうです。
いまどきの基準では速い端末ではありませんが、使ってみて遅いと感じることはありません。ディスプレイの描画を待つことが多いので、SoCのパフォーマンスまで気が回らないだけかもしれません。
Android 9.0を搭載しています
BOOX nova 2は、Android 9.0を搭載しています。
電子ペーパー搭載のタブレットは、電子ペーパーの特性に合わせてたカスタマイズが必要なのか、Androidが搭載されていても古いバージョンのものが多いです。前作のBOOX novaは、Android 6.0搭載でした。nova 2は、Android 9.0を搭載しています。カレントは、Android 10ですが、1世代前程度であれば対応アプリの互換性も心配なく当分は使えそうです。
ユーザ操作で有効にする必要はありますが、Playストアも搭載されています。
システムは日本語化されていますが、日本語入力アプリは、プリインストールされていないので、Playストアからインストールが必要です。
ホーム画面は、Androidホーム画面ではなくて独自のホーム画面です。Kindleみたいな造りになっていると説明すると分かりやすいかもしれません。
ホーム画面の左側に、書棚、書店、ノート、保管庫、アプリ、設定のアイコンが並びます。起動直後は書棚が表示され、本体に保存されている書籍がリストアップされます。
書店は、BOOXが運営する電子書籍ストアでしょうか……ダウンロードできる電子書籍は、フリーですが英語の書籍ばかりです。
ノートは、ペンを使った手書きメモが保存できます。このメモは、クラウド経由で同期ができて、クラウドサービス側にはPDFとして保存されます。保管庫は、ファイルマネジャーのようなものです。
アプリは、インストールしているアプリが表示されます。Playストアからインストールしたアプリもここに表示されます。アプリを起動する時は、ここから起動します。設定は、Android標準の設定画面ではなく独自の設定画面です。
秀逸な標準リーダーアプリ「Neo Reader」
電子ペーパーを搭載しているので、今回は読書にフォーカスして紹介します。
BOOX nova 2は、Kindleアプリなどの電書籍アプリをインストールする以外は、標準のPDFリーダー「Neo Reader」を使って読書することが想定されています。
段組みのレイアウトが楽に読める
たとえば、PDFで配布されている電子書籍は、印刷して紙で読むことを前提としたレイアウトのものが多くあります。たとえば、段組みされているレイアウトは典型です。
紙で読みやすいレイアウトがディスプレイでも読みやすいとは言えません。
たとえば、2段の横書きレイアウトを読む場合、1画面に収まらないと、1段目を読むのにページを下スクロールして、2段目を読むためにページの上に戻ってスクロールして読み進める必要があります。同じ操作を何度も繰り返すので、これでは読むことに集中できません。
Neo Readerでは、ページ送りの操作をしていれば、段組みのレイアウトを1段から順にたどります。煩雑な操作がなく読み進められるので読むことに集中できます。
他、印刷前提の場合は四辺に余白が入りますが、これもうまくトリミングして、デイスプレイのギリギリまで文字を表示してくれます。また、読むのを中断して別の本に移って、戻っても読んでいたところから再開できます。他、進捗はパーセントで管理されて、ホーム画面の書棚の表紙に重ねて表示されます。
書き込みもできる
標準のペンで書き込みもできるので紙と同じように扱えます。
書き込むときは、ペン先や線の太さが変更できたり、色も変更できます。直線や自由線だけではなく、四角や三角も書き込めます。
筆者は、資料に書き込む習慣が希有になりましたが、デジタル化されたものに書き込めるので応用方法は考えられそうです。書き込んだ内容は、PDFとして保存したり、元ファイルに埋め込んで保存ができます。
読む端末としては一級品
Neo Readerのデキが良いので、PDFを読むデバイスとしてBOOX nova 2を購入しても後悔しません。読むデバイスとしては一級品です。
次回は、WebサイトをEPUBとして保存して端末に送り込むサービスなど、読むデバイスとしての活用方法などをご紹介します。
今週は、このあたりで、また来週。