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2020年7月第5週今、改めてFitbitを使ってみる(前編)

今、改めてFitbitを使ってみる

Fitbit Payの展開が国内でもはじまり、筆者はメインのスマートウォッチとして愛用中です。良い機会なので、Fitbitの周辺の状況をおさらいしつつ、前編・後編に分けてFitbitの現状を見ていきます。

改めてFitbitを使う理由

Fitbitの最新製品は「Fitbit Charge 4」ですが、最新スマートウォッチは「Fitbit Versa 2」です。

これは、ディスプレイにバッテリへの負担が低いOLEDが採用されて、時計を常時表示できます。また、Amazon Alexaが使えるようになったのも特徴です。このAlexaは、問い合わせ結果を文字で返すので使い慣れていると驚くかもしれません。

筆者とFitbitの付き合いは、Fitbit ionicからです。

Fitbitが満を持してスマートウォッチを作るということで、発売直後の2017年10月に入手して使い始め、アプリやウォッチフェイスも開発しています。このころのスマートウォッチは、スマートフォンとの接続が安定しませんでした。Fitbitもご多分に漏れずで嫌気がさしていました。また、スマートウォッチに可能性を抱いていた時期で、この時は健康づくりに特化したFitbitに対して、物足りなさを感じて次第に距離を置くようになりました。

時は過ぎ、スマートフォンとスマートウォッチの立ち位置もできあがり、スマートウォッチが生活にどの程度影響するものかも理解できました。こうした状況で、改めてFitbitを見直すと、健康づくりを下支えしてくれるパートナーとして、そして、AndroidでもiOSでも使えるスマートウォッチとして、良い選択肢なのではないかと思い使い始めました。

Fitbit Payがようやく国内で開始

Fitbit Payが対応するのはソニー銀行の「Sony Bank WALLET」で、Visaタッチ決済対応店舗でFitbitを使った支払いが可能です。対応端末は、Fitbit ionic、Fitbit Versaシリーズ、Fitbit Charge 3、Fitbit Charge 4です。ionicまで対応しているのは嬉しい誤算です。

また、茨城交通がVisaタッチ決済を利用したバス運賃支払いを7月29日から導入しています。対象路線が高速バスの「勝田・東海〜東京線」で限定的ですが、これはVisaタッチを導入しているのでFitbit Payでも支払いできるはずです。

Fitbit Payの国内展開は、ずいぶん待たされた印象です。しかし、先行するApple Payをみると、2014年10月の開始で国内の開始が2016年10月です。Fitbit Payは、開始が2018年1月で国内での開始が2020年7月です。当時から大きな勢力だったAppleでさえも本国での開始から2年程度かかっているので、Fitbit Payだけが特別時間がかかっているわけではなさそうです。

とは言え、日本でのFitbit Payは他国の状況を見ると「寂しい」としか言えませんが、交通系カードとしての利用が広がれば、Fitbitで生活できるので早く実現されることを期待したいです。

Googleによる買収その後は?

2019年11月に、GoogleはFitbitを21億ドル(約2,250億円)で買収するプランを発表しました。しかし、現時点で買収は完了していません。これは、大企業による大企業の買収案件は、規制当局の審査が厳しくなるためです。また、非営利団体からの意見も厳しいものになります。

たとえば、Googleは、当初からFitbitが持つ健康データをターゲット広告や検索の表示順に利用しないことを約束していますが、プライバシ保護団体は、Googleがそうした目的に健康データを利用するのではないかとの疑念を抱いています。Googleは、これを払拭できずにいます。⁠これは、小さくても自ら招いたほころびが要因です)また、フィットネスデバイスやアプリを開発するメーカーにも、不利益を与える可能性があるのではないかとされています。

規制当局や非営利団体から見直しの機運が強まる中で、Googleは、改めてFitbitで測定されたデータは広告や検索に利用しないと発表しており、買収を承認する働きかけを行っています。これに対して、米国では取引の見直し、EUでは8月8日までに何らかの決定、オーストラリアでは競争に損害を与える可能性があるとされており、決して風向きが良いとは言えない状況です。

今週は、このあたりで、また来週。

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