Googleは、次期OS「Android 12」のBeta 2を公開しました。
Beta 2は、Android 12 developerサイトから開発者向けのプレビュープログラムに参加して入手するか、Beta 1をインストールしていればロールアウトされます。
Android 12 Beta 2は、GoogleのPixelシリーズ以外にASUSやOPPO、SHARPのデバイスにインストールできます。Google以外のメーカは、1つか2つのデバイスに対応しているだけですが、先のページに名前を連ねているメーカは開発体制が整っているはずなので、デバイスをきっちりメンテナンスするメーカと考えることもできます。
Android 12 Beta 2では、多くの機能が実装されました。たとえば、Google I/Oで発表されたプライバシに関わる新機能が追加されています。また、後ほど取り上げるMaterial Youも取り入れられました。順調に開発が進めば、8月のリリースが予定されています。
気になるMaterial You
Android 12で気になるのは、2014年にデザイン言語として登場した「Material Design」に新たに加わった「Material You」です。
名前にMaterialがあるように、Material YouはMaterial Designの一部です。簡単な操作でユーザの個性をデバイスに反映して、心地良いと感じる環境を提供することで、デバイスへの愛着がより増すのが狙い。
Google I/Oでは、Material Designの発案者でもあるMatias Duarteが登場してMaterial Youのプレゼンテーションをしました。公の場で彼を見たのは久しぶりで、今年で47歳のようですが変わらず派手な花柄シャツで登壇していました。
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Matias Duarteが加入した当時のGoogleは、何事も理論的に物事を進めているカルチャーが浸透しており、UIの線の太さを変えるにも数々の理由が必要になると書かれた記事を読んだ記憶があります。こうした状況でMaterial Designを世に出すまでは苦労したと思いますが、いまやGoogle製品の顔のような存在で、これなしには成立しないドミナントデザインです。
Material Youは、設定した壁紙から特徴的な色を抽出して、文字やコントロール、背景のテーマカラーを自動設定するダイナミックカラーが導入されます。たとえば、木々がたくさんある森の壁紙を設定すると、グリーンがテーマカラーとなり文字やコントロール、背景に適用されます。
1色では単調になるので、生成される色のバリエーションは、色の相関ではなく輝度に基づきます。こうすることで、統一感があるカラーパレットが生成されるのと、突拍子もない色が使われない工夫がされています。
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Android 12では、このカラーシステムがOSに適用されるので、全体を通して統一感のあるものになります。これは、スマートフォンだけでなく、タブレット、スマートウォッチ、スマートディスプレイなどにも適用されます。スマートウォッチは、個人のアイデンティティを表現するアイテムとしても使われるので、Material Youでより加速するかもしれません。
Material Designは、ダイナミックカラー以外もアップデートされています。たとえば、充電中は画面下から上に微かにフラッシュするアニメーションが取り入れたり、ボタンを押した場所を中心に波紋のようにそのフィードバックを示すアニメーションが取り入れられています。こうしたアニメーションは、デバイスの息吹がユーザに感じ取れるようにするのが狙いです。他、コントロールをスタックするのではなく、形状を変化することで、さまざまなレイアウトに対応する概念も取り入れられています。
Material Designは、7年目にして新しいステップを踏み出しました。
ユーザ体験と言えばAppleの十八番です。そのAppleは、デバイス間のギャップを少なくすることにやっきになっていますが、行き着く先はMaterial Designと同じで、ユーザーにとって心地良い環境がどこでも使えることだとすれば、アプローチが違うだけかもしれません。
今週は、このあたりで、また来週。