2月10日、SamsungはGalaxy Unpacked 2022イベントで、Galaxy Tab S8シリーズを発表しました。このイベントでは、Galaxy S22シリーズも発表されました。これには、Galaxy Noteシリーズを現役引退に導いた「Galaxy S22 Ultra」が含まれています。これも気になりますが、本連載ではGalaxy Tab S8シリーズの方を取り上げます。
2年ぶりのフラッグシップ
Galaxy Tab Sシリーズは、Samsungが脈々と開発を続けるAndroidタブレットです。
前作のGalaxy Tab S7シリーズは2020年発売、これの廉価版となるGalaxy Tab S7 FEは2021年発売でした。2021年は、フラッグシップ タブレットの発売がなかったので、SamsungもAndroidタブレットを諦めたのか?と考えましたが、Galaxy Tab S8はこんな心配を軽く吹き飛ばすほどの意欲作です。
Galaxy Tab S8シリーズは、ディスプレイサイズで分けられています。
Galaxy Tab S8(11インチ 2,560×1,600ドット)、S8+(12.4インチ 2,800×1,752ドット)、S8 Ultra(14.6インチ 2,960×1,848ドット)の構成です。S8 Ultraのディスプレイは狭額縁で、ステータスバーに食い込むノッチがあります。S8とS8+にはノッチがありません。いずれもリフレッシュレートは最大120Hzで、S8+とS8 UltraのディスプレイパネルはSuper AMOLEDです。
メモリは8Gバイト、12Gバイト、16Gバイト、ストレージは128Gバイト、256Gバイト、512Gバイトから選べます。メモリ16Gバイトとストレージ512Gバイトの組み合わせが選べるのは、Galaxy Tab S8 Ultraのみです。生体認証は、S8+とS8 Ultraはディスプレイ内に指紋認証センサーを搭載、S8は電源キーに指紋認証センサを内蔵します。
重さは、Galaxy Tab S8が503g(507g)、S8+が567g(572g)、S8 Ultraが726g(728g)となっています(カッコ内は5Gモデム内蔵モデルの重量)。
S8 Ultraは、軽量のケースをつけても1Kg近い重量になるので、片手で持って立って使うのも難しいはずです。他、モデル共通でAKGチューニングのスピーカーを4機搭載しており、これはDolby Atmosに対応します。
ソフトウェアはどうだろうか?
ソフトウェアも見ていきます。搭載OSがAndroid 12なのでSamsung独自のOneUI 4も搭載されるはずです。
One UIでは、標準にないマルチウインドウがサポートされていたり、最大で3個までのアプリを画面分割した状態で使えたり、画面サイドのノッチをスライドして表示されるランチャーからアプリが起動できる等、いくつかのアプリを起動した状態で使える工夫がされています。これに加えてSamsung DeXも搭載されています。こうした機能のおかげで高い生産性を持つタブレットに仕上がっています。
これらはSamsung独自の拡張ですが、長年開発されているので多くのアプリと高い互換性を保っています。とは言え、一社の取り組みなのでうまく動かないアプリもありモヤモヤした状況ですが、Android 12Lのリリースを機に状況が変化する可能性があります。
たとえば、Android 12Lで強化されるマルチタスク機能は、アプリ側も無視できないので対応するアプリが増えるはずです。当面は、Windowsのようにとは言えないかもしれませんが、これと同じような感覚で複数のアプリを使えるようになるはずです。
タブレットは「ポストPC」と呼ばれたこともありましたが、長い間スマホ以上、PC未満の存在でした。それでも皆が使うことで、タブレットの利用局面が明確になり、ソフトウェアもこれに則した開発が行われ、ポストPCの名にふさわしい存在になりつつあります。使えると実感できるのは、これから3年、いや5年先のことになるかもしれませんが、後に振り返ってみると2022年が節目になっているかもしれません。
今週は、このあたりで、また来週。