3年ぶりにリアル開催となったMWC 2022はどうだったか?
2月28日~3月3日まで、スペインのバルセロナで世界最大級となるモバイル展示会「MWC」が開催されました。
主催者発表によれば、参加企業者は1,900社以上、来場者は約200ヵ国・地域から6万人以上としています。コロナ以前の2019年は、参加企業が2,400以上で、来場者が10万9,000人としているので、今回は6割程度まで開催規模が復帰しています。
2020年に開催中止を決定したときは、開催地のバルセロナへの経済的ダメージも取り上げられました。今回の開催では、2億4,000万ユーロの経済効果をもたらし、開催地近郊ホテルの客室専有率も65%まで回復したと地元紙が伝えています。展示会を開催することで、地元への経済効果がもたらすサイクルが回り出したのは喜ばしいことです。
モバイルを取り巻く環境に変化
とは言え、コロナ禍でモバイルを取り巻く環境も変化しました。
たとえば、外出の機会が減ったことで、多くのユーザがスマートフォンのアップデートに熱心ではなくなりました。
2021年4月には、LG電子が携帯電話事業から撤退しています。また、米国のHUAWEIへの制裁は変わらずで、HUAWEIがこれまで持っていた影響力は低くなりモバイルからは一歩退いた立場にいます。他、AppleとSamsungは、自社イベントを開催して新製品を発表するのが定番のスタイルになり、MWCのような場での製品発表がなくなりました。
こうした状況をよく示しているのが、MWC 2022で発表された新製品です。
話題になったのはスマートフォンではなく、Samsung Galaxy Book2 Proシリーズ、Lenovo ThinkPad X13s、HUAWEI MataBook EでどれもノートPCです。いずれもモバイルに特化しており、スマホに似た体験が得られるので簡単に触れていきます。
Samsung Galaxy Book 2 Proシリーズ
Galaxy Book 2 Proはクラムシェル型、Galaxy Book 2 Pro 360はディスプレイが360度開く2in1タイプのノートPCです。どちらも、ディスプレイが13.3インチ、15.6インチのモデルが用意されており、Galaxy Book 2 Pro 360は、同社のスマホやタブレットで採用されているSペンに対応します。
13.3インチのGalaxy Book 2 Proは、フルHD解像度の有機EL搭載、Intelの最新チップを搭載しThunderbolt 4対応、重さは約0.87Kg、価格は1,050ドルからと魅力的な端末に仕上がっているのが特徴です。
Lenovo ThinkPad X13s
Lenovo ThinkPad X13sの注目ポイントは、Qualcomm製のSnapdragon 8cx Gen3を搭載するところです。重量は1.06kgで、49.5Whのバッテリーを搭載して駆動時間は28時間です。
ARM版Windowsの課題だったパフォーマンスは、Cortex-X1(4コア)、Cortex-A78(4コア)を搭載しGPUも強化することで、従来世代と比較してパフォーマンスを向上しているとしています。Intel版と比較してパフォーマンスが見劣りするARM版Windowsが、これを機会に変わることになるかもしれません。
HUAWEI MetaBook E
HUAWEI MetaBook Eは、脱着式のキーボードカバーとペンがセットの2in1タイプのPCです。昨年に11月に中国で発表された端末がグローバル展開されます。
昨年モデルなので、CPUが11世代のCoreプロセッサーを搭載していますが、タブレット形態では709gと軽量なのと、ディスプレイは2,560×1,600ドット 12.6インチのOLEDを搭載しているのが特徴です。
中国勢が盛り上げる
スマートフォンがなくなったわけではなく、TCLやRealme、Honerなどの中国勢が多くの新製品を投入して盛り上げてはいました。TCLは、NxtPaper Max 10などのタブレットも投入しています。
他、HUAWEIがMetaPad Paperを発表しています。
これは、10.3インチ 227PPIのE-Inkディスプレイを搭載、360gの軽量タブレットです。画素密度が300PPIを切るのが気になりますが、Playストアが使えれば筆者は飛びついたところです。
今週は、このあたりで、また来週。