2022年3月の中旬に、マツダのロードスター(現行:ND型)に乗り換えたことで、いま風のインフォメントシステム「マツダ コネクト」が搭載されたクルマが愛車になりました。
マツダ コネクトは、カーナビとオーディオの統合だけでなく、車両装備の制御やメンテナンスタイミングをお知らせする機能なども搭載しているモダンなシステムです。
とは言え、「マツダ コネクト 2」と呼ばれる次世代のマツダ コネクトは、常時ネットワーク接続で、専用アプリのMyMazdaと連携して自動車の状況などを把握することもできます。ロードスター搭載のそれは、ネットワーク機能のない世代のものです。
IT機器の感覚で言えば、買った時点で1世代前のOSが搭載されているとかは考えられません。インフォメントシステムも、クルマのモデルサイクルに合わせて刷新するのではなく、新車納入時点で最新世代を搭載するクルマづくりが出来るのではないかと考えます。
Android 12でAndroid Autoは使えます
さて、本連載的に気になるのは、マツダ コネクトで「Android Auto」が使えるところです。本連載で何度が取り上げたことがありますが、筆者は搭載車を所有したことがなく縁遠い存在でした。
Android Autoと組み合わせるのはPixel 6 Proです。これのAndroid 12では、Android Autoが使えなくなったと言われますが、誤解があるので一度整理しておきます。
Android 12からAndroid Autoの扱いが変わり、スマホ画面を使ったAndroid Autoを使えなくなりました。(単独の動作ができない)車載器に接続して、これのディスプレイを使うAndroid Autoはこれまで通り使えます。Android 12では使えなくなったと言う声は、スマホ画面を使うAndroid Autoの愛用者から上がっているというわけです。
Android Autoを使うには、スマホとマツダ コネクトをUSBケーブルで接続します。
筆者の環境は、Pixel 6 ProがUSB-C、マツダ コネクトはUSB-Aなので、この組み合わせのケーブルを用意します。USB-C化が進む中で、この組み合わせのケーブルを使わなくなって久しく、使えそうな短めのケーブルは4本だったのでクルマに持ち込んで使えるか試してみました。
結果、ケーブルはなかなかの曲者でした。すべて使えたわけではなく、4本中2本は使えませんでした。
要件でもあるのかとGoogleのAndroid Autoのヘルプを調べてみましたが、高品質なUSBケーブルを使えとしか書かれておらず、ケーブルに求める要件がわかりません。
結果オーライで済ませることもできますが、これでは気持ちが悪いのと、試したケーブルは何かの付属品なので、USB 3.0の対応をうたうケーブルをあらためて購入しました。
操作にタッチパネルが使えない
ようやくAndroid Autoが使えるようにり、最初に「あれ?」と感じたのは、タッチパネルで操作できないことでした。
この理由は、マツダ技報 No.35(2018)に掲載されている「マツダ コネクトの新機能開発」に書かれています。マツダ コネクトが走行中にタッチパネルを使った操作が出来ないことに従い、Android Autoも同様の条件を適用しているようです。ただ、Android Autoは、タッチパネル操作を前提で開発されているので、車載の物理キー(コマンダー)を使った操作を実現するために、Googleと協業を行い変更を加えたそうです。
タッチパネル操作ができないのは、マツダの安全に対する考え方なので受け入れる以外の選択肢はありませんが、停車中も操作できないので見直しが入っても良いと感じています。他は、既存装備との統合度合いは高く、コマンダーにある専用キーを押すと、一発でホーム画面に戻ったり、Googleマップを起動できます。また、ハンドルのトークボタンを押すとGoogleアシスタントが起動するので、指示を出すこともできます。
Android Autoは実用的なの?
マツダ コネクトで使われている主要ユニットのスペックがマツダ技報 No.31(2013)「マツダ コネクトの開発」に記載されています。主要ユニット(コネクティビティマスタユニット:CMU)のスペックは、SoCにARM Cortex-A9、メモリは1GB、フラッシュを4GB搭載するとしています。
いまどきのAndroidでは、ローエンドの端末にもおよばないスペックですが、先のマツダ技報 No.35(2018)では、Android Auto対応のために「CPUの動作周波数を上げて処理能力を向上させた」と説明があるので、ハードウエアのアップデートはされていそうです。
次回は、このマツダ コネクトとAndroid Autoを組み合わせた時の実用度をご紹介します。
今週は、このあたりで、また来週。