世界初!?本当のAndroid PC「Remix mini」レビュー(前編)

筆者がKickstarterで出資していたRemix miniが先日手元に届きました。これから2回に分けてレビューをお送りします。

Remix miniを開発するJide Technologyとは?

詳しい内容に進むまえに、Remix miniを開発しているJide Technologyに関して触れておきます。

Remix miniを開発しているのはJide Technologyと言う会社で、元Googleのエンジニア3人によって設立されました。Jide Technologyは、今回取り上げる手のひらサイズのAndroid PC「Remix mini」の他に、2 in 1タブレットの「Remix Ultra Tablet」を開発して販売しています。ここだけを見ればハードウェアの会社のように見えますが、Jide Technologyはソフトウェアの会社であるとしています。自らソフトウェアの会社と言う理由は、Remix miniに搭載されているRemix OSにあります。これはAndroidを独自にカスタマイズしたOSで、最新版の2.0はAndroid 5.1がベースになっています。Remix OSは、俗にいうカスタムROMと呼ばれる物よりも、大幅に手が入っており以下の3点が特徴です。

  • マルチタスク、マルチウインドウ
  • 物理キーボードを使った操作
  • キーボードショートカット

自らソフトウェア会社というだけあり、Remix OSの完成度は高く素晴らしい仕上がりです。これの詳細は後ほどご紹介します。

マルチタスク、マルチウインドウをAndroidで実現
マルチタスク、マルチウインドウをAndroidで実現

Remix miniとは?

まずは、Remix OSが動作するRemix miniからご紹介します。

いまやスティック型PCも存在しているので、サイズに驚くことはありませんが、12.4cm(横)×8.8cm(縦)×2.6cm(厚さ)の大きさで手のひらに乗るサイズのAndroid PCです。

手のひらにのるサイズのRemix mini
手のひらにのるサイズのRemix mini

モデルバリエーションは2種類で、メモリ1GB・ストレージ8GBとメモリ2GB・ストレージ16GBです。他は共通スペックで、1.2GHz quad-core cortex A53のCPU、802.11b/g/n Wi-Fi、Bluetooth 4.0、100BASE-T Ethernet、USB 2.0×2、Micro-SD、HDMI、ヘッドフォンジャックになっており必要なインターフェースはすべて揃っています。

別途、モニタとキーボード、マウスを用意する必要があります。モニタには1920×1080のフルHDで出力可能で、これ以外では1280×720が選択できます。キーボードとマウスはBluetooth接続のものが使えますが、初回のセットアップ時だけUSB接続のマウスが必要です。

筆者は、LenovoのThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボードとMicrosoftのWedge Touch Mouseを使っています。別途、マウスを使っている理由は、スクロールのときに中央のマウスボタンを押しながらトラックポイントを操作しますが、中央のマウスボタンを押したときにクリックと認識されるためです。

別途、モニター、キーボード、マウスが必要
別途、モニター、キーボード、マウスが必要

Remix miniはギミックのほとんどないハードウェアですが、電源ボタンをだけが静電容量式タッチの電源ボタンになっており、本体上部のRemixロゴ部分に軽く触れるだけで電源を入れることができます。

電源オン・オフはロゴを軽く触れるだけ
電源オン・オフはロゴを軽く触れるだけ

カジュアルなパッケージ

Remix miniのパッケージは、Appleのような白ベースではなく、カジュアルな印象を受けるクラフト色です。デザインは、素材を活かしたシンプルなもので好感が持てます。

パッケージはカジュアル
パッケージはカジュアル

パッケージの中身は、本体とHDMIケーブル、ACアダプタ(5V 2000mA出力)と紙のマニュアルはクイックスタートアップガイドが入っている程度でシンプルなものです。

中身はいたってシンプル
中身はいたってシンプル

パフォーマンスはいかに?

Remix miniは、公式ホームページから16GBストレージのモデルを69.99USドル(約8,700円、2015年11月現在)で購入できます。1万円を切るハードとしてみれば見た目の仕上げは良いのですが、どの程度のパフォーマンスなのかが気になるはずです。

そこで、Antutu Benchimarkを使ってベンチマークを実行してみました。これだけで結論付けられるワケではありませんが、ひとつの指標として結果を見てください。

Antutu Benchimarkのベンチマーク結果
Antutu Benchimarkのベンチマーク結果

結果だけを見れば、GALAXY Note 4のおおよそ半分くらいのパフォーマンスですが、いまのスマートフォンは、過剰なほどのパフォーマンスを持っているので、それの半分でもRemix miniが遅くて使えないというものではありません。

実際は、バックグラウンドでアプリが動作しているとアクティブなアプリの動きがギクシャクします。たとえば、Playストアアプリを起動してバッググラウンドでアプリをダウンロードしているような場合です。ただ、Chromeを起動したままにして、調べものをしながらEvernoteにブログエントリの下書きをする使い方であれば、サクサクとは言いませんが十分実用になるレベルです。

筆者のRemix miniは、2GBメモリのモデルのためか、複数のアプリを起動していても動作が遅くなったり固まったりすることもなく、アプリの切り替えもスムーズにこなします。

今回は、端末の紹介に留まりましたが、後編ではRemix OSを中心にご紹介します。

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