新春特別企画

新年だから試してみよう! Windows 8でクラウド活用(前編)――PC設定の同期

新年、明けましておめでとうございます! 今日から3日間、新しいOS「Windows 8」の機能やアプリについて「クラウド」をキーワードに紹介していきます! 少し開発者向けの内容も盛り込んでいきます。それでは、よろしくお願いします。

新春クイズ その1

Windows 8からデスクトップの背景を同期できるようになりました。複数のPCやタブレットを使っている場合も自動で同じ背景になります。さて、20,000×20,000ピクセル、46MBの大きなJPEG画像を背景に使った場合も同期される? 同期されない?

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答えは最後です!

PC設定の同期

今日は、少しマニアックな感じですが、PC設定を同期できる機能の紹介です。Windows 8から「PC設定の同期」が使えます。複数のPCの間で、Windowsの設定やアプリの情報などさまざまな設定を、自動的に同期できます。複数のPCを行き来して使っている場合に便利な機能です。

設定は、クラウド上に保存されるため、同期するPC同士が同時にオンラインである必要はありません。既定では同期する設定になっていますので、複数のデバイスを使うとすぐに実感できると思います。設定項目の選択もできるので活用してみてください。

図1 複数のPC間で設定を同期
図1 複数のPC間で設定を同期

設定の表示

PC設定の同期の表示方法は、チャームを表示して「設定」を選びます。そして、⁠PC設定の変更」を選びます。

図2 PC設定の変更
図2 PC設定の変更

チャームは画面右から出現するメニューのこと。タッチ操作の場合は画面右端から左へスワイプ。キー操作の場合、Windows+Cキー。直接設定チャームを表示するには、Windows+Iキーです。

PC設定の同期は、次のような画面です。

図3 PC設定の同期
図3 PC設定の同期

同期の設定

PCの同期機能を利用するかどうかのON/OFF設定のほか、設定項目ごとに同期のON/OFF指定ができます。設定の項目は次の通りです。

設定項目 同期される内容
パーソナル設定 色、背景、ロック画面、アカウントの画像
デスクトップ個人設定 テーマ、タスクバー、ハイ コントラストなど
パスワード アプリ、Webサイト、ネットワーク、ホームグループのサインイン情報
簡単操作 ナレーター、拡大鏡など
言語設定 キーボード、その他の入力方式、表示言語など
アプリの設定 アプリごとの設定とアプリ内で購入した商品
ブラウザー 設定と、履歴やお気に入りの情報
その他のWindowsの設定 エクスプローラー、マウスなど

従量制課金接続中、ローミング中の同期のON/OFF設定もできます。

パスワードを同期するためには、アカウント確認のため「PCを信頼する」操作が必要です。これは、Microsoftアカウントのセキュリティ機能です。メールまたは携帯電話にコードが送信されるのでInternet Explorerで入力しPCを登録します。

図4 パスワードの同期
図4 パスワードの同期

同期のタイミング

同期は自動で行われ、同期の開始をユーザーは指示できません。実際に使ってみると、比較的早く同期される印象です。スタート画面など、データ量が少なく見た目に反映されるものを実際に変更して試してみると素早く同期されているのがわかります。

図5 PC設定のパーソナル設定のスタート画面
図5 PC設定のパーソナル設定のスタート画面

ちなみに、通信を覗いてみると、1時間に数回程度、設定のアップロードとダウンロード動作を行っているようです。また、設定の変更を行うとすぐにアップロードされ、別のPCがオンラインの場合は、プッシュ通知がされているようで、すぐに設定のダウンロードが開始されています。

アプリの設定とブラウザーの同期

さて、設定の同期機能は、開発者も利用できます。同期の設定項目の、アプリの設定とブラウザーの同期です。

アプリの設定

アプリの設定は、Windowsストア アプリを開発する際に、⁠ローミング アプリケーション データ」として簡単にアプリの各種設定を保存できます。

JavaScriptの例をみてみましょう。もっとも簡単な設定データの書き込みは、次のように記述できます。

var applicationData = Windows.Storage.ApplicationData.current;
var roamingSettings = applicationData.roamingSettings;
roamingSettings.values["exampleSetting"] = "ことよろ";

データが変更された時の通知の受け取りは、次のようになります。

applicationData.addEventListener("datachanged", datachangeHandler);
function dataChangeHandler(eventArgs)
{
    // (ここで変更の通知を受け取り何か処理する)
}

設定データをファイルに書き込むことも可能です。詳しくは、Windows ランタイムを使ったアプリ データへのアクセス (Windows ストア アプリ) (Windows)を参照してください。

ブラウザーの設定

ブラウザーとは、実質的にInternet Explorerのことですが、サードパーティ製のブラウザーもWindowsの同期設定を使えます。ただし、ハードルはかなり高いと思います。

Windows 8のInternet Explorerは、従来と同じデスクトップアプリと、タッチ操作を考慮した新しいUIのアプリ(Windowsストア アプリ)の両方が用意されています。この両方の種類に対応したブラウザーを作成するためのホワイトペーパーが公開されています。この中に同期について記載されています。

特定の作法に従って作ったブラウザーであれば、PC同期設定が使えるわけですね。

といったところで、今日の内容は以上です。

クイズの答え

冒頭のクイズの答えは、半分Yes、半分Noです。大きいサイズの背景を指定した場合は、画像は縮小されて同期されます。実際に試したところ、同期されたPCでは、2023×2023ピクセルのJPEG画像になっていました。

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ちなみに、30,000×30,000の大きさも試してみましたが、同期は確認できませんでした。

2012年12月現在の実測による結果です。同期された画像の場所は、デスクトップのコンテキストメニュー「個人設定」「同期されたテーマ」からわかります。

Photo by (c)Tomo.Yun http://www.yunphoto.net

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