これまでYammerの基本的な使い方から、実際に企業に導入していくポイントについて紹介してきましたが、第3回では活用方法について触れたいと思います。単なる情報共有に留まらず、アイデア出しからチームメイキングにまで幅広く応用できるYammerの隠れた機能について紹介します。
グループ機能を活用しよう
もともと企業内クローズドなサービスであるYammerですが、その中でも閲覧者を限定できるグループ機能が存在します。「A部署の13時からの会議を10分後に開始します!」という情報はあまり全体のTLに流す意味はありません。そんな時にグループを作成していると、必要な人だけに情報を流すことが可能になります。また、弊社ではチームで企画やイベントを考える機会が多いので、何かアイデアを思いつけばチーム内Yammerグループにアイデアをアップしていくといったオンラインブレストにも使用可能です。
実際にロフトワークで運用されているグループの例
Web担当者グループ(自社サイト・ソーシャルメディア運用チーム)
グループの目的 | 部門を越え、横軸でつながるバーチャルなチーム生成 |
つぶやかれる内容 |
- ソーシャルサービスに関する新情報・ツール情報
- ソーシャルメディア上のリスク情報の共有
- 公式Twitterのリプライ見逃しなど、「中の人」用の指差し確認的共有
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同年入社グループ
グループの目的 | キャリア・部門を越え、気軽なコミュニケーションをとる |
つぶやかれる内容 |
- 飲み会情報・お知らせ
- メンバーを励ますつぶやき
- 会社に関するちょっとしたトピックを質問・相談
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イベント機能/投票機能を活用しよう
Googleカレンダーやその他のスケジュール機能を使っている人には不要かもしれませんが,Yammer内でもイベントのセッティング機能が追加されました。
設定した予定への参加依頼・確認等を行えます。
また,投票機能を使えば,複数名での簡単な意思決定のツールとして機能します。日程調整に限らず,ちょっとした質問に使えると思います。
Yammer内のやり取りを見える化する「Leaderboards」
日々いろんなメッセージでの会話が交わされるYammerですが,その数を集計してランニングしてくれるのが「Leaderboards」です。「メッセージを多く発信している順番」「返信を多くもらっている順番」「Likeを多くもらっている順番」「たくさん返信が着いたトピックス」などなど,いろんな観点から集計されています。何かが便利になる!という機能ではないですが,将来的にYammer内でのアクティビティを評価するなんて展開になった場合に使えそうな機能です。
デスクトップアプリを活用しよう
これまでWebブラウザでYammerの情報チェックを行うことを前提に話してきましたが,それに加えてデスクトップアプリを利用すると,ブラウザを開いていなくても新しいメッセージが届けばポップアップ通知してくれるのでとても便利です。私自身も昔はブラウザでチェックしていましたが、PC起動時にYammerのデスクトップガジェットが同時に起動されるように設定しています。こちらのアプリはWindowsもMacもどちらも対応しており、ダウンロードの際にはAdobe AIRのダウンロードが必要になります。また、アプリでメモリを費やしたくないという人には、Firefoxのアドオン「YammerFox」やChromeの拡張機能の「Yamah」でもおすすめです。こちらも、新着メッセージが届いたとき、そのメッセージをちいさなウィンドウでポップアップしてくれます。
スマートフォン向けクライアントを活用しよう
YammerにはiPhone, iPod touch, Android, BlackBerry, Windows Mobileに向けて専用アプリがリリースされています。弊社では社員の多くがiPhoneユーザーなので、このYammerアプリがとても重宝されています。Yammer内で繰り広げられる情報の伝達からたわいもない会話までが、社外に居るときにでも容易にリーチできるようになります。また、社外からの直行・直帰の連絡から、仕事後の飲みの誘いなどもYammerを通じて行われることが多いです。アプリを使うことで、よりYammerを手軽に使えるようになります。
社内アンケート
Yammerをチェックするデバイスに関するアンケートを行ったところ、ブラウザで見ている数よりもデスクトップアプリで見ていると答えた数のほうが多いという結果が出ました。あえてブラウザを開かなくてもアプリで事足りるということを表しているものと思います。また、2番目に多かったのがiPhoneアプリでした。社内でiPhoneアプリでチェックすることは想定されないので、外出先でもiPhoneアプリで積極的に利用されているということでしょう。
注目したいその他のサービス
これまでYammerにフォーカスして企業内情報共有ツールを紹介してきましたが、ほかにもさまざまなツールがリリースされ、バージョンアップが繰り返されています。現在はYammerを利用していますが、会社の規模も変わっていく中で、機能や使い勝手が上回る場合はツール変更も想定しています。最後に、現在注目しているその他の企業内共有ツールについて簡単にポイントをまとめて紹介したいと思います。
- 「Salesforce Chatter」
- Yammer同様、つぶやき機能やリプライ機能を標準実装
- それらに加え、「Chatter」上でドキュメント、人、ビジネスプロセス、アプリケーションデータを“フォロー”することにより、タイムライン上に表示される(Facebookの「いいね!」機能に近い)。そのため、必要な情報だけを取得することができる
- SAPやオラクルといった外部のアプリケーションなどのメッセージを取り込める
- 世界60,000社以上の企業が導入済み
- 「SocialWork」
- 同一のGmailドメインでクローズなTwitterライクなコミュニケーションが可能
- Gmailに紐づいているので、「Google Calendarでのスケジュール共有」や「Google Documentでの資料作成・共有」も可能
- まだまだ開発途中な様子だが、GoogleWaveに代わるワークコラボレーションツールとしての可能性を感じる
第3回では活用できるYammerの機能について紹介し、簡単にその他のコミュニケーションツールについて紹介しました。第4回では、とはいえ存在するYammerの使いづらい点について言及するとともに、Yammerと相性のよい企業とはどんなタイプの企業なのかについて考えてみたいと思います。