Androidケータイの歩き方

第33回Androidタブレットを買わなかった理由

Androidタブレットではないワケ

先日、iPad2を購入しました。冒頭からAndroidに関する話題でなくて恐縮ですが、Androidタブレットに期待していたために、発売日ではなく微妙なタイミングでの購入となりました。

Androidタブレットに期待していた理由は、OSはAndroid 3.xのほうが新しいだけあり、タブレット向けと考えているためです。

たとえば、iOSの通知システムは、iPadのような大きな画面では煩わしいの一言で操作の邪魔になります。また、iOSのマルチタスクは、本当の意味でのマルチタスクを実現しているとは言えません。ある程度汎用的に使える端末では、iOSのようなマルチタスクでなく、本当の意味でのマルチタスクでも良かったように思います。また、タスクスイッチの操作もiPhoneサイズであれば良いのですが、iPadサイズになると「よいしょ」とわざわざ遠くのボタンを押しに行くような感覚で使いやすいとはいません。また、さまざまなウィジェットが配置できるAndroid OSのホーム画面は魅力的です。iPadのホーム画面は、iPhoneと変わらないデザインなので、大きな画面を上手く使えていないと言えます。

販売されている端末もユニークなものがあり、バラエティに富んでいます。たとえば、ASUSの「Eee Pad Transformer TF101」は、iPad2よりも少し大きい10.1型WVGA(1280×800)のタッチパネルを備えており、物理キーボードを備えたドッキングスターションには、USBポートやカードリーダーまでが付いています。ここまで来ると、ノートパソコンとの違いがわかりませんが、使ってみると物理キーボードが欲しくなったり、コンデジで撮影した写真を取り込むためにカードリーダーを使いたいことがあります。また、Android 3.1になれば、USB接続できるデバイスも増えるので、さらに利用範囲が広がり、タブレットだからと言って、その利用範囲を制限するようなはないはずです。他、LGの「Optimus Pad L-06C 」もオーソドックスなデザインながら、iPad2(241.2mm×185.7mm×8.8mm)と比較すると、厚みはあるものの一回り小さい(243mm×150mm×12.8mm)サイズは魅力的です。また、ストレオスピーカーが搭載されているのも特徴的で、ビデオコンテンツや音楽コンテンツの再生時には効力を発揮するはずです。

合体のコンセプトがおもしろいEee Pad。ただし、ドッキングした時の重量を見るとノートパソコンに傾くか…
合体のコンセプトがおもしろいEee Pad。ただし、ドッキングした時の重量を見るとノートパソコンに傾くか…

それでも買わなかった理由

それでは、なぜAndroidタブレットを買わなかったのかいくつかの理由を上げたいと思います。

まずは、iOSのシンプルさに好感を持ったことが挙げられます。先でも書いたように、複数アプリの切替操作やマルチタスクには不満を感じますが、それでも魅力的な部分はたくさんあります。もう1つ、言われ尽くされていますが、端末デザインも魅力的です。iPod touchと変わり映えしないデザインですが、Androidタブレットのいずれも、iPadへのコンプレックスが見え隠れし、iPadのように所有する悦びを与えてくれません。

最後、これから挙げるのが最大の理由ですが、Android 3.x向けのアプリが出揃っていないことです。iPadもそれように最適化されたアプリが数多くあるワケではありませんが、登場して間もないAndroid 3.0はさらに輪をかけて出揃っていません。端末の機能がいくら素晴らしくても動作速度が快適でも、アプリとの足並みが揃わなければ魅力は半減です。筆者は、タブレットをメールとWebの閲覧、原稿の下書きに使いたいと考えて購入を検討しました。メールとWebは、どちらでもこなすことができますが、原稿の下書き用のアプリは、Androidタブレットに最適化されたアプリで気に入った物を見つけることが出来なかったので、Macで使っているエディタ「Ulysses」の開発したメーカーが開発したiPad用の「Daedalus touch」を購入して使っています。iOSの日本語入力アプリは、褒められたものではないので、ATOKがシステムグローバルで使えるAndroid OSは魅力的なんですが、現状では、アプリの数が多いiPadのほうが魅力的に写り購入を決意しました。

蛇足ですが、iPad向けには多くの周辺機器が出揃っているのも魅力です。純正のスマートカバーは、2世代目のタブレットを登場させたアップルなられではのアイデアの商品ですし、サードベンダーからはさまざまなケースが発売されており、多くの選択肢から選ぶことができます。これが、Androidタブレットだとそうはいかず、選べる楽しみがないのも寂しい部分です。

1年後は状況が違うかも

これまでは、あくまでも現時点での評価の話です。

これが来年の今ごろには話が大きく変わっているはずです。たとえば、Android OSは、Android 2.xがスマートフォン用とAndroid 3.xがタブレット用の2系統のOSになっていますが、これらが統合されたAndroid OS「Ice Cream Sandwich」が登場してくれば、開発者の負担も軽減されるはずで、対応アプリが増えるはずで、現状とは違った評価になるはずです。

筆者は、足元を見てiPad2を選択しましたが、タブレットは期待されている分野だけに、話題ばかりが先行して、万能な端末に映ることもあるかもしれませんが、自身のやりたい事をスマートに実現できるアプリがリリースされているのか、しっかり調査して購入することをお勧めします。

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