ようやく実現されました
「ようやく積年の夢が叶いました」と書くのは少々大げさですが、7月13日からキャリア間のショート メッセージ サービス(SMS)の相互接続が行われ、異なるキャリアでも電話番号でのSMSの送受信が可能になりました。
メディアでも多く取り上げられたのでご存じかと思いますが、このニュースを聞いて「ん?キャリアが違っても、メッセージのやり取りできていたのでは?」と疑問に感じた方もいるはずです。これまでは、同じキャリアであればSMSの送受信ができていましたが、キャリアが異なるとSMSの送受信ができず、キャリアメールを使う必要がありました。疑問に感じた方は、電話帳から連絡相手の名前を指定してメッセージを送信しており、この時に電話番号が使われているのか、メールアドレスが使われているのか意識する機会が少なかったからではないでしょうか。
ちなみに、キャリアが異なるとSMSの送受信ができないのは日本のみで、諸外国ではSMSが共通のテキスト・メッセージとして定着しており、ケータイでのメッセージのやり取りは、キャリアメールよりもSMSが使われています。端末だけではなく、こんなところまでもガラパゴス化していたのですが、ようやく脱却できることになります。
さっそく試してみる
筆者は、REGZA PhoneとiPhoneを所有しているので、それぞれの「メッセージ」アプリ、「SMS/MMS」アプリを使って、SMSの送受信テストを行ってみます。
まずは、iPhoneからREGZA PhoneにSMSを送信してみます。
テキストの送信は問題なく行われますが、スクリーンショットを確認いただいてもわかるように、iPhoneから送信した絵文字は化けており、REGZA Phoneでは表示されませんでした。メールの時も各キャリア独自の絵文字を実装しており、キャリアが異なると絵文字が表示できない問題がありましたが、SMSでも似たような問題が発生しています。予測は十分できたことのはずなので、我々は何度同じ経験をする必要があるのか、嫌気の差す結果です。
次に、REGZA PhoneからiPhoneにSMSを送信してみます。
この場合もテキストの送受信は問題なく行えますが、REGZA Phoneのメッセージアプリは、iPhoneのSMS/MMSアプリのように絵文字を送信できません。顔文字を入力すると、アイコンに置き換えて表示されますが、それをiPhoneで受信すると、アイコンに置き換えられず、テキストとして表示されます。デコメールのような、リッチなメッセージ送受信環境があることを考えると、SMSは文字通りテキストのやり取りのみに留まっています。
ともに、メッセージの送信元が電話帳に登録されていれば、電話帳の名前で送信元が表示されます。この辺りは、フューチャーフォンと同じ感覚で使えます。
MMSには非対応
iPhoneのSMS/MMSアプリは、音声や画像が送受信できるマルチメディア メッセージング サービス(MMS)にも対応しているので、これからREGZA Phoneに対してMMSの送信テストを行ってみます。
結果は、言わずもがなで「送信できませんでした」。今回は、SMSの相互接続でMMSにも対応しているとはアナウンスされていません。また、REGZA Phoneには、MMSを送受信するアプリが搭載されていないので、当然の結果とも言えます。MMSの送受信は、ソフトバンクのAndroidケータイであれば対応しているので、それであればiPhoneなどとやり取りが行えるはずです。
便利だが料金は注意
SMSで、やり取りできる文字数は、全角で最大70文字までに限られます。メールと比較すると短文しかやり取りできませんが、Twitterで短いメッセージをやり取りすることになれた昨今では、制約と言える制約ではないはずです。SMSは、送信先のケータイ電話がエリア内にいれば、すぐに到着する即時性を持っており、場合によっては便利に使えますが、その送信料に関しては注意が必要です。
SMSの送信料は、送信者が負担をし受信者は無料です。その送信料は、パケット定額とは別枠ですが、NTTドコモとauに限れば、無料通話付きプランの無料分にSMSの送信料が含まれます。SMS一通当たりの送信料は、NTTドコモ、au、ソフトバンクともに、3.15円に設定されています(ソフトバンクは、ホワイトプラン)。
一通3.15円をどうみるかは、ケータイ電話の使い方にもよるかもしれません。たとえば、仕事仲間に、できるだけ早くテキストで情報を伝えたいと言う場合は、非常に有用な手段と考えられるので、一通3.15円のコストは安いと考えることもできます。しかし、気の知れた仲間と何でもないやり取りに、一通3.15円のコストは、頻度にもよりますが高く感じます。
まだ、はじまりの状態
ようやくはじまったSMSの相互接続ですが、キャリアメールが普及し定額範囲内で使える現状では、利用方法も限られるかもしれません。
ただし、電話番号さえ分かれば短文が送信でき、すぐに受信する即効性は大きなメリットなので、こうした側面を活かして、既存にサービスに通知機能などとして、取り込むことができれば、気が付けば使っていたという状況になるかもしれません。