前回 、前々回 と、Androidタブレットで、DLNAサーバの動画を楽しむ方法をご紹介して来ました。今回から、動画ではなく、iTunesライブラリの音楽をAndroidタブレットで楽しむ方法をご紹介します。
Google Musicを切望する
ことあるごとに書いているので、いい加減にしろとお叱りをいただくことになりそうですが、Googleが運営する「Google Music」は、日本ではサービスされていません。
Android向けの音楽配信サービスは、mora touchやmusic.jp、MUSICOなどが行われています。これらのサービスを否定するつもりもなく、Google Musicの代替になると考えていますが、Google自らが、Androidで体験する音楽配信サービスは、こういったものだとユーザに対して啓蒙する必要があると考えています。こうした動きが、ユーザの共感を呼んだりファンを生むことになり、結果として裾野を広げるのではないでしょうか。
iOSにあってAndroidにないのは、機能云々ではなく、こうした部分ではないかと考えています。先日、Androidマーケットの名称が「Google Play」に変更されたことが、その予兆であれば良いのですが、早々のサービス開始を願うばかりです。
生活に組み込まれたiTunes
筆者は、2002年に発売された第二世代のiPodからiTunesユーザになるので、10年近くこれを使って音楽を管理していることになります。簡単に他に乗り換えることができない事情もありますが、この間、iTunesを凌駕するアプリやサービスが登場していないのも事実です。これだけ長期間使っていると、生活環境の一部ですし、このライブラリをAndroidタブレットからでも楽しむことができないかと考えるのは自然発想です。
手段として、一番最初に考えられるのは、iTunesのライブラリをAndroidタブレットに転送して楽しむ方法です。これが一番分かりやすく手軽ですが、iTunes Music Storeから購入した楽曲は、AppleのDRM(FirePlay)が付いているので、Appleの端末にしか転送できません。よって、iTunesのライブラリをAndroidタブレットに転送して楽しむのではなく、利用範囲が限られますが、楽曲をワイヤレスストリーミングで送信する方法を考えてみます。
AirPlayが救世主になる
iTunesには、音楽を家庭内のネットワークを経由してストリーミング再生する「AirPlay」と呼ばれる機能があります。
たとえば、無線LANでのネットワークが家庭内に構築されていて、AirPlay対応のスピーカーがリビング、iTunesが動作するパソコンが書斎にあるとします。この環境で書斎のiTunesから音楽を再生すると、無線LANを経由して音楽がストリーミングされて、リビングのスピーカーが受信すると音楽を再生するといった具合です。こうした使い方の場合、音楽を聞いている場所と再生している場所が違うので、音楽を聴いているリビングから書斎のiTunesを操作できません。
たとえば、別の曲を聞きたくなったときに、わざわざ書斎いって操作するのは面倒です。ここは、上手くできており、iPhoneやiPadにアプリをインストールして、リモコンとして使う方法が提案されています。
Remote for iTunes - リモコンを使って、iTunesのライブラリを参照している様子
AirPlayは公開仕様なので、Appleからではなく対応製品は他社からも数多くリリースされていますが、Androidでも様々なアプリ開発されて公開されています。たとえば、Androidタブレットをスピーカー替わりとし使ったり、iTunesのリモコンとして使うことができます。
AndroidとAirPlayの組み合わせ活用範囲を広げる
先でも書いたように、AirPlayに対応してアプリをインストールして、Androidタブレットをリモコンとして使えるのは勿論のこと、ワイヤレススピーカーとして使うこともできます。ARROWS Tabのような、防水タブレットをスピーカー替わりとすれば、お風呂やキッチンで音楽を楽しむような使い方ができるので、タブレットの新たな活用範囲を模索できます。
今回は、長い前振りだけになってしまいましたが、次回以降では、AirPlayに対応したアプリのインストールから活用方法を詳しく取り上げます。その中で取り上げるアプリは、iTunesのリモコンとして使う「Remote for iTunes - リモコン」 、AndroidタブレットをAirPlayのワイヤレススピーカーとして使う「AirBubble」を取り上げます。ともにGoogle Playから入手できるアプリです。