国内販売が開始された、7インチタブレット「Nexus 7」を入手したので、数回に渡りレポートします。
タブレットでも第一位のシェアを!
2012年Q2の調べでは、世界スマートフォン市場の68.1%は、Android OSが占めており、すばらしい結果を残しています。しかし、タブレットは散々なもので、同時期の世界タブレット市場の68%は「iPad」とされており、Androidタブレットは、Samsung(9.6%)、Asus(3.4%)、Acer(1.5%)と、合算でも14.5%のシェアです。
初代iPadが登場した後、Googleは、タブレット向けに最適化した「Android 3.0 Honeycomb」をリリースしています。このAndroid 3.0は、市場への投入を急いだためか、多くのデベロッパが最適化したアプリのリリースに時間がかかり、しばらくの間は、特性を活かした使い方ができませんでした。このつまずきは手痛いもので、市場に対して良い印象を残さなかったこともあり、現在でもiPodの対抗馬として十分な仕事をしているとは言えません。
この状況をGoogleが放置するワケもなく、自社ブランドのNexus 7を市場へ投入することでテコ入れを開始したというワケです。とは言え、Nexus 7のディスプレイサイズは、10インチではなく7インチです。これは、iPadとの直接対決を避けたとも考えられるので、今後の動きが気になるところです。
端末スペックのおさらい
多くのメディアが報じているので、Nexus 7のスペックは、ご存知かと思いますが、おさらいを兼ねてご紹介します。
Nexus 7に搭載されているCPUは、NVIDIA Tegra 3 1.3GHz クアッドコアです。Tegra 3は、Tegra 2と比較すると処理速度が向上し、平均消費電力が下がっているとされています。しかし、前評判ほど性能が高くないとされているので、次回以降で、手持ちのGALAXY S3と性能比較を行って検証してみます。
メモリは1GB、ストレージは16GBが搭載されています。
ディスプレイは、7インチサイズのIPS液晶のWXGA(1280×800px, 216dpi)です。このディスプレイには、軽量で傷に強いガラスが採用されています。このガラスは、iPhone 4にも使われている「ゴリラガラス」を開発したコーニング社製です。
無線関連では、無線LANが.11b/g/nに対応、Bluetooth 3.0が搭載されています。
Bluetoothがサポートするプロファイルは、HFP1.5、A2DP 1.2、AVRCP 1.0、PAN 1.0、HID 1.0、OPP 1.0、PBAP 1.0、SPP(RFCOMM)、HDP 1.0となっています。A2DP、AVRCPがサポートされているので、ヘッドフォンを兼ねたハンズフリーのワイヤレスヘッドセットなどで、音楽を楽しむことができます。また、HIDもサポートされているので、Bluetooth接続のキーボードやマウスなど、外部の入力装置も使えます。
外寸は、198.5×120×10.45ミリとなっています。
同じジャンルのGALAXY Tabは、191×121×12.1ミリなので、若干長く・薄くなっています。端末の重量は340gです。GALAXY Tabは、382gなので、10%強Nexus 7の方が軽く仕上がっています。
カメラは、背面カメラが搭載されておらず、120万画素の前面カメラのみです。これは、ビデオチャット用となるはずです。
今回は、ASUSの端末がベース
ここ数年は、年一回のペースで、Samsungが頭ひとつ飛び抜けたスペックを持つ端末をリリースして、その後、それをベースにしたNexusシリーズが登場すると言ったサイクルが続いていました。
Nexus 7もベースの端末はありますが、Samsung製ではなく、ASUS製のEeePad Memo ME370Tです。これとの違いは、EeePad Memo ME370Tは、外部メモリが使えること背面カメラが備わっているところです。その変わり、Nexus 7は、重量が402gに対して340gと軽量化され、Bluetooth 3.0に加えてNFCが搭載されています。
Android 4.1.1にも注目!
正直、端末スペックだけを見れば、Nexus 7は市場に溢れる7インチタブレットと変わり映えしません。使い方によっては、GALAXY Tabと違わないと感じるかもしれません。
では、Nexus 7の魅力は、どこにあるかと言えば、搭載されているAndroid 4.1.1です。ソフトウエア開発者の目線で見ると、ハードウェアが安定してくれば、ソフトウエアを更に磨きあげられます。Android 4.1.1は、まさにこの状態で、細部まで、より高速かつスムーズに動作するように作り込まれています。また、Nexusシリーズは、Googleによって念入りにチューニングされているので、このあたりも次回以降で触れていきます。