今回は、Android 4.2にアップデートしたNexus 7を取り上げます。
全体的な印象
Android 4.1からAndroid 4.2へのバージョンアップなので、ユーザ目線で見れば、ユーザインターフェースや使い勝手がドラスティックに変わっている部分は多くありません。こうして、こまめにバージョンアップを繰り返すAndroid OSは、iOSとは対象的でGoogleらしいと言えます。
大きな変化がないように見えるAndroid 4.2ですが、実は、基礎性能を向上する変更が行われています。たとえば、描画性能が向上したことで、操作したあとのリアクションがより速く滑らかになっています。また、Android 4.1から引き続き、画面を操作しているときのみCPUの性能を高める制御が加えられており、バッテリ寿命を向上させる仕組みが追加されています。
小規模ながら特徴的な機能が、数多く追加されているので、これから順にご紹介していきます。
使い勝手が変わった通知パネル
Android OSの通知パネルは、操作の邪魔をしない分、iOSのそれと比較して、使いやすいと感じていますが、さらなる改良が行われました。
最近のAndroidケータイは、通知パネル内に、Wi-FiやBluetooth、GPSなどの端末機能をオン・オフできるよう拡張した端末を見かけます。その使い勝手と制御可能な機能は、端末メーカによって異なります。Googleは、こうした状況を嫌ったのか、通知パネルを、通知表示と端末機能のコントロールの2つに分離しました。
画面上部のステータスバーの左側をフリックすると、これまでの通知リストが表示されて、右側をフリックすると、端末機能がコントロールできる「Quick Settings」が表示されます。これが標準になると、端末メーカーが独自に拡張した部分が、Quick Settingsに集約されていくことになり、端末ごとで使い勝手が違うということがなくなります。
OSが、今ごろこうした部分を整理し始めるのは遅い感じもしますが、利用者側からの発信で生まれたトレンドがOSに取り込まれていくことは嬉しいことです。これに限らず、他の部分でも同じ動きを進めて欲しいものです。
機能アップしたロック画面
ロック画面にも変更が加えられています。
これまでのロック画面は、時計表示だけでしたが、Android 4.2からは、時計が表示されていた領域に、GoogleカレンダーやGMailが表示できます。ロック画面にもウィジェットが配置できるようになったと考えて頂くのがわかりやすいです。表示の切り替えは、時計の部分を左右にフリックします。
本当に便利か、いまひとつ評価しきれない改良ですが、たとえば、メールが到着して通知が行われたとします。
これまでは、ロックを解除して通知エリアで内容を確認して、詳しい内容を確認したければ、アプリを起動する使い方をしていました。Android 4.2からは、ロック画面で内容を確認して、詳しい内容を見たければ、それをタップして内容を確認するといった使い方になります。
ひとつ残念なのは、たとえば、ロック画面で時計表示からGmail表示に切り替えたとします。画面がオフになるまでは、Gmail表示が維持されますが、画面がオフになったあと、再びオンにすると、時計表示に戻ってしまいます。筆者は、表示が維持されることを期待したので、肩透かしをくらいました。
充電中に表示できるスクリーンセーバー
Android 4.2からは、スクリーンセーバーがサポートされました。
とは言っても、Nexus 7のディスプレイ保護を目的としたものではなく、充電開始やクレイドルへの装着をトリガーにして、ディスプレイになんらかの情報表示を行うのが主目的です(保護が目的ならば、早々に画面をオフすれば、よいワケですから)。
スクリーンセーバーとして表示できる内容は、時計、カラー、Googleカレント、フォトテーブル、フォトフレームの中から選択できます。時計やフォトフレームなどはありきたりですが、Googleカレントに登録しているコンテンツが表示できるのは、Nexus 7の新たな使い道を生み出してくれそうな予感がします。
たとえば、Nexus 7には、ASUSから専用クレイドルの発売が予定されています。これを使えば、クレイドルで充電している間は、Nexus 7がニュース表示端末に早変わりするというワケです。これは、クレイドルの登場が楽しみです。
次回も続きます
Android 4.2の新機能は、今回ご紹介した、通知パネル、ロック画面、スクリーンセーバーだけではないので、次回も新機能をピックアップしてご紹介します。