秩父札所巡りで出会う建築物は実に多彩だ。
多彩だ、
しかしこの
その意味するところを知りたくなった。
気にしていたらタイムリーなことに購読している大人向け情報誌で
とても入り込みやすく編集してあったので、
もう少し詳しく知りたくなり、
- 『雑学3分間ビジュアル図解シリーズ 神社・
寺院・ 茶室・ 民家 違いがわかる! 日本の建築』 (宮本健次:著 PHP刊 1300円 2010/ 09)
タイトル通りのじつにわかりやすく、
同じ著者の
が、
さらに足を踏み入れるならビジュアル本ではないけれど、
さらにさらに奥深く……は、
秩父札所の建築物の上っ面だけを楽しむならこれだけで十分。
実際に持っていくなら
かくして、
北海道の離島、
これは我々のグループに限ったことではない、
その原因はこの島独特の植性にある。
なんせ北にある島なので、
その代表格はレブンウスユキソウ
本棚を探って……ありました。
『礼文 花の島・
によると、
それにしてもこんなにいろんな花があったのだね、
そう、
現地で図鑑片手に、
いや、
図鑑がすぐに出てきたのだって奇跡に近いと言えるだろう。
懲りることなく、
詰め込んだ知識をぶらさげて現地に入る。
本当のマニアなら、
にわかマニアはそんなことでは気が済まない。
古びた本堂を、
- 「この作りはいわゆる神社建築というやつだね」
- 「屋根に反りがなくてひさしが伸びて向拝が設けてあるから仏教伝来以降の様式だね」
- 「屋根の下、
あの破風板、 破風板ってわかる? そうあそこ、 あそこから下がっているのは懸魚といってね、 蕪方とか梅鉢紋の形をしたもの、 くりぬいた穴がイノシシの目のように見える猪目なんて様々な形があるんだけど、 なんのためにああやってあるか知ってる?」
などと、
本を見せて
ひとりで見て、
カラオケと一緒で、
いつのまにやら離れて軒の彫刻を見ている同行者の脇に楚々とよりそい、
「あれは獏かな、
またしてもさりげなく離れる人を3分間でわかる図録を片手に追いかける。
まるで落語の
そこまで自覚していても、
なぜなら今ひけらかしておかないと、
秩父札所・三十四観音霊場巡り 札所13番から22番
秩父札所巡り
地図:国土地理院二万五千図 秩父、
秩父札所巡りの二回目。13番からのスタートです。
札所13番・
慈眼寺、
境内にある休憩所でメグスリノキのお茶を振る舞ってくれました。
慈眼寺の本堂の彫刻も見事です。
慈眼寺を出て角に東京電力のある道を進むとすぐ、
素通りせずにお参りしていきましょう。
境内には竜神の棲む大ケヤキ
両手を天へとさし上げる巨人のようにも見え、
14番札所・
住宅街にあるこじんまりとした、
お花畑駅と秩父駅の中間あたりにある踏切で秩父鉄道を渡り返します。正面が15番札所・
少林寺の境内には明治17年の秩父事件で殉職した二人の警部補のお墓があり、
今回も国道299号線・
秩父銘仙の小物を土産に買い求めました。
ふるさと館のある本町交差点から小道に入ります。
入ってすぐ江戸時代にタイムスリップしたかのような一画があります。いい雰囲気なのですが交通量の多いのが玉に瑕。
16番札所の西参道。これまたいい雰囲気を醸し出しているのですがここを通ってきたのではありません、
16番札所・
西光寺の境内は見どころいっぱいです。
まずはこの酒樽大黒。
酒樽の中に大黒様がおわします。なんだか鬼太郎ハウスのようではないですか。
ぐるりと巡らされた回廊には四国八十八カ所のご本尊のフィギュア
17番へ向かう前に一度国道299号線にもどって武甲正宗を醸している武甲酒造に立ち寄りました。
外観、
札所17番・
本堂の右手にある鐘には観音霊場のご本尊百体が浮き彫りにされています。参拝者ならつくことが出来ますが、
17番から立派なケヤキの大木のある"けやき公園"を抜けて右方向へ。再び299号線渡ります。
巡礼道の道標に従ってなんとも風情のある路地を抜けます。
秩父鉄道を越える踏切には警報機も遮断機もありませんでした。
140号線を渡ってすぐの路地奧に、
どこの札所にも千社札がいっぱい。同じ人の名前を探すのが結構面白いのです。
今はどの社でも千社札の貼り付けは禁止されています。
神門寺には短い短い回廊があります。お見逃しなく。
18番あたりで昼飯をと、
おまけにこの看板。失礼ながらさびれたドライブインではないかと疑い、
しかし……ごらんください、
えっちらおっちら登ってきた甲斐がありました。眼下の秩父鉄道をSLが走っていったのも思いがけないご褒美。
料理はどれも800円程度。自慢のハンバーグはボリュームたっぷりで、
140号線を渡り返し荒川方面へ向かいます。
川のすぐ近くに19番札所・
閻魔大王や正塚婆も祀られている札所の中でも陰の部分を司っている場所です。
本堂は一枚岩の岩盤の上に建てられています。
裏手に回ると一枚岩であることがよくわかります。
その一枚岩を回り込むようにして荒川へと向かいます。
荒川にかかる秩父橋。
すぐ横手には車専用の新秩父橋がV字型にかかっています。
秩父橋を渡って正面にある階段を登れば20番札所・
案内板に従って迂回路へ。
ここは徒歩専用なので押していきます。乗車したまま行きたいのならもう少し坂を上がって左折です。
札所20番・
まさに岩之上に建っているお堂。でも木が茂っているので本堂からだと其の実感はありません。
堂内には
本堂の正面にある石段を河原の方に下りていくと
天井から乳首のような鍾乳石
川側から本堂をみると、
その昔は橋などなく、
枝のかかり具合からして秋の紅葉が楽しみです。
わかりにくいところにはちゃんといてくれるありがたい道標に従って川沿いを行きます。道なりに右に折れて秩父荒川線に出たら左へ。
秩父荒川線沿いに札所21番・
道路のこちら側の駐車場に停めて道を渡らなくてはなりません。ひっきりなしに車が来るためお年寄りが難渋していました。せめて横断歩道くらい造って欲しいところです。
なぜか芭蕉の句碑。この句を詠んだのはここじゃあないでしょう。
20番から25番の間には
回り道になったり、
秩父荒川線から荒川の方へと降りていきます。
札所22番・
山門・
門の中を覗けば、
夕映えに映える本堂。
本堂の正面の唐戸に施してある風神雷神、
山門の向こうに日が沈んでいきます。
この札所で迎える夕刻は本堂や山門の建っている位置が良いのか、
古道を通って秩父荒川線に戻ります。
秩父ハープ橋のむこうに暮れゆく武甲山を望むことが出来ました。
あえてそのハープ橋を渡らず川沿いまで下って武之鼻橋で対岸へ。
そのこころは……この景色を仰ぎたかったから。
本日はここまで。
次回はこのハープ橋を渡って札所23番・
道標あれこれ
市街地のあちこちにある道標。鎮座している彫刻とレリーフがひとつひとつ違うので探して歩くのも楽しいです。
わかりにくい路地などで助けてくれるお馴染みの提げ札。ほんと助かります。
三叉路でみかける石碑のような標。
巡礼道は札所と道標を辿る旅なのです。
気になる食べもの
車での移動時、
ここの武蔵野うどん、
秩父名物・
駅の仲見世でも売っているけど、
とても立ち寄りたかった御花畑駅の立ちそば。いい佇まいでしょう?
そろそろ下火かアニメ『あの花』
ランの時はまだまだ活性しておりました。
17番札所の必需品、
秩父橋にはこんな注意書き。
この子が欄干を歩いているポスターがあるのです
お酒のラベルもこの通り。
最後に前回登場したしゃくし菜漬けの段ボールとポップ。本当にあったでしょう?
しゃくし菜漬けは