Shibuya.chumbiesのoverlastといいます。
chumbyはアメリカ生まれで、手の平サイズの可愛いガジェットです。
フォトフレームになったり、天気予報を教えてくれたりで、なかなか賢いヤツです。
私は2008年5月中旬に『chumby』というガジェットをアメリカから日本に大量輸入し、100人以上に配布しましました。
今、chumbyに関するブログ記事を書いている日本人が増えています。
今回から始まる連載では、この『chumby』を紹介します。
その際に「chumbyを日常生活で使うことの楽しさ」や、「自分でchumby用のウィジェットを作ることの楽しさ」など、 chumbyの「楽しさ」を、みなさんにお伝えしたいと考えています。
chumbyとは何か
『chumby』というガジェットをご存知ですか?
公にchumbyのプロトタイプの実物が披露されたのは、 2006年8月にアメリカで開催されたティム・オライリーによるFOOキャンプでした。
2007年10月からは量産モデルのchumbyの販売が開始されました。
chumbyに想定されている利用目的の一つは、「ユーザのインターネット生活を促進すること」です。
chumbyを使えば、自分が日々接種している複数の情報を、それらを接種する時や場合ごとに「チャンネル」としてまとめることができます。
例えば、天気予報、最新ニュース、占いを連続して見るモーニングチャンネルや、友人達のFlickrやPicasaの最新写真をチェックできるアルバムチャンネルなどを設定できます。
そして、まとめた情報はテレビのようにチャンネルを切り替えながら、ながら見することができます。
他にも使い方はいろいろ考えられるので、工夫して新しい使い方を考えて、自分のインターネット生活を促進しましょう。
chumbyは手のひらサイズです。マグカップと同じくらいの大きさなので、テーブルの上に置いても邪魔になりません。感触がふわふわで、とっても可愛いです。
なんとなくポンポンと外装を触ってみたり、ナデナデと撫でてみたり、ちょっと高いところに飾ってご満悦になってみたりしたくなります。見た目は目ざまし時計みたいです。
おまけに上部には多くの目覚まし時計と同じようにボタンが1つあります。
こんなに可愛いのですが、chumbyの技術仕様は結構すごいです。
chumbyはARMプロセッサを内蔵しており、Linuxが動作しています。
液晶は、なんとタッチパネルです。
chumbyと目覚まし時計の見た目的な大きな違いは、時計の代わりにタッチパネル液晶が前面に組み込まれていることだと思います。
これだけで、ハードウェアとしての可能性がぐっと広がります。
chumbyは無線LANアンテナを内蔵しており、 Wi-Fiでネットワークアドレスを取得可能です。
また、携帯機器向けFlash再生ソフト「Adobe Flash Lite 3」を内蔵しているので、ユーザはAction Script 2.0で実現できるウィジェットと呼ばれるアプリケーションを自由に開発し、それをchumby上で実行できます。
とってもかわいいのに、タッチパネル液晶、無線LANアンテナ内蔵、自由にハック可能で、しかも安価(約180ドル)ということで、chumbyはアメリカのガジェット好きな技術者の間で流行しました。
もう少しchumbyがどういうガジェットなのかを見てみます。
chumbyは64MBの主記憶と、64MBのフラッシュメモリを内蔵しています。
ユーザが使用可能な記憶領域は非常に狭いことがわかりますね。
chumbyの背面にはUSBポートが2つとスピーカーがあります。
chumbyにiPodをUSB接続すれば、iPod内のライブラリを再生することができます。
USB接続可能なストレージデバイスを認識させれば、ユーザが自由に使える記憶領域 になります。
電源がどうなってるのかも、すこし気になりますよね。
chumbyの電源は、ACアダプタか。9ボルトの角形乾電池から供給できます。
実際に角形乾電池を使った場合の、連続動作時間はせいぜい数時間です。
でも、冒頭に述べたchumbyの使用シーンを考えると、ほとんどの場合、ACアダプタが使用できる状況でchumbyを使うので、問題無いのではないか、と思います。
本連載ではchumbyのためのアプリケーション開発環境について、詳しく触れることができません。
今後、参考になる資料をご紹介しますので、興味のある方はそちらをご覧ください。
Twitterで賛同者を募集して、chumbyを共同輸入
今、chumbyを手に入れるためにはどうするべきでしょうか。
現在でもchumbyはアメリカ国内向けにだけ販売されています。
今のところ米国のクレジットカードを持っている人だけが、chumbyを購入できます。
そのため日本国内からchumbyを入手しようとしても、簡単には入手できません。
よって、chumbyを入手する簡単な方法は、私のように輸入代理店に依頼するか、アメリカ在住の友人に購入して送ってもらうか、オークションで購入するか、だと思います。
私はchumbyをどうしても手に入れたくて、 TwitterというWebサービス上でchumbyの共同輸入を呼びかけました。
多くの方が賛同してくださった結果、約140台のchumbyを輸入代行業者経由で輸入することになり、1台あたり25000円以下で輸入することができました。
注文から入手まで時間がかかってしまいましたが、日本国内から購入したにしては驚異的な安さだと思います。
今回の経験を通じて、輸入は「輸入量が少量ならば割と簡単」だと分かりました。
特にパソコン扱いできる電子機器は、個人用途でもビジネス目的でも関税がかかりません。
一方で消費税と地方消費税と通関手数料はかかります。
商品に対するあらゆる保証が必要なく、国内に早く到着する必要がないものは、国内価格より20%くらい安ければ、輸入してみると良いかもしれません。
何かを輸入しようか悩んだら、間違った知識にだまされる前に、とりあえず「税関に電話で問い合わせる」ことをオススメします。
職員の方は確実な知識に基づき、輸入方法のアドバイスや、税金に付いて教えてくれますよ。
詳しくは日本税関の「輸出入通関手続や税番・税率等に関するお問い合わせ」のページをご覧ください。
ちなみに今後、日本にchumbyのアメリカの発売元がオフィシャルに進出してくる可能性が高いようです。
ですので、そんなに無理して、今すぐにchumbyを入手しなくても大丈夫だと思います。
chumbyのことが気になる人は、気長に待ってみるのも良いでしょう。
chumby nightでchumbyをみんなの手に!
2008年5月中旬に我が家にchumbyが届きました。
左の写真がchumbyが来るよりも前、右がchumbyが届いた直後の写真です。
我が部屋ながら酷すぎる状態でした。
私は、このような状態の部屋で長く過ごせません。
そこで、chumbyを購入者全員へ一気に手渡すためのイベントを開催しました。
そのイベントがchumby nightです。
平日の夜遅くにも関わらずイベントが開催された恵比寿のタワーカフェには、嬉しいことに80人もchumbyのために集まってくれました。
イベント自体は、さまざまな方にお手伝い頂いたおかげで無事に開催できました。
本当に嬉しかったです。
会場する前の準備のために約140台のchumbyの山を作っていたときは、とってもワクワクしました。
会場後は、chumbyを来場した購入者の方に配布しました。ちょっと狭めの会場だったうえに、軽い混乱もあったため一時はどうなるかと思いました。でも、参加者の方が冷静に対応してくだいましたし、手伝ってくださった方もいました。おかげさまで、概ね無事にchumbyを配りきることができました。ありがとうございました。
また、「たつをのChangeLog」のたつをさん、 サイボウズラボの西尾さんや ビートクラフトの小山さんなど、イベント以前にchumbyを入手なさっていた技術者の方にご協力いただき、自作widgetやハックのデモを披露しました。
当日の会場やchumbyのデモの様子が分かる動画を以下に、いくつかご紹介します。
山崎さんの動画は、他にもあるのでYouTubeの「chumby nightタグの検索結果」をご覧ください。
chumbyの自作widgetやハックのデモを動画で見られますよ。
会場には十分な無線LAN環境がありませんでした。
そのため、chumbyが目の前にあるのに chumbyの電源が入るかどうか位の確認しかできませんでした。
イベント終了後、参加者のみなさんは、これらの動画からも伝わるような、ワクワク感を胸に秘めて、足早に帰宅されました。
ほんとにお疲れさまでした。
ちなみに、イベントに来られなかった人のchumbyは、イベント中に有志の方々に手伝って頂き発送の準備をして発送しました。
みんなのおかげで大変に助かりました。ありがとうございました。
深夜の渋谷郵便局からchumbyを発送したのですが、沢山あるし、全て壊れものだし、発送先もさまざまでした。
最後の最後までたつをさんと、「小鳥ピヨピヨ」のいちるさんが手伝ってくださったおかげで、スムーズに発送できました。ありがとうございました。
まとめ
今回はchumbyというガジェットをご紹介しました。
さらに、私が実際にchumbyを入手した手法を解説しました。
最後にchumby nightというイベントの様子をご覧いただきました。
今後、私たちはchumbyのハックやイベントに関する話題を、chumby nightの公式サイト(http://chumby-night.net/)から発信しますので、是非そちらもチェックしてください。
次回はchumby の基本的な使い方と使って嬉しいWidgetなどについて書く予定です。