shibuya.chumbiesのoverlastです。
10月23日から、日本国内におけるchumbyの販売が本格的に始まりました!
現在、販売されているchumbyは「インターナショナル版」です。「インターナショナル版」は、買ったばかりの時期には日本語が使えないのですが、自動的に行なわれるアップデートを経て日本語を扱えるようになるようです。
さて、今回は番外編。日本でのchumby発売に合わせて急遽行なわれた「Blogger's Lounge Chumby night」というイベントをレポートします。イベントは大盛況で終始なごやかな感じで進行しました。
このイベントにおいて、Chumby IndustriesのCTOであるBunnieさんから「英語版のchumbyも"多少のハック"を行なえば、自動的に行なわれるアップデートで日本語対応になる」という情報を聞き出しました。既にchumbyを持っている日本人にとって嬉しいニュースです。この件についても後ほど言及します。
このレポートがchumbyに興味がある人のお役に立てば幸いです。
Chumby IndustriesのCTO、Bunnieさんのプレゼンでスタート
イベントは、chumbyの日本発売を前に来日された米国Chumby IndustriesのCTO、Andrew "Bunnie" Huang さんのプレゼンでスタートしました。
プレゼンはchumbyの生い立ちに始まり、Fooキャンプでchumbyを披露するまでの話、chumbyに関する最新のハックや、特別仕様のchumbyについてなど、かなりハイペースで進んで行きました。工場で基板をチェックする様子や、部品の制作風景、chumbyの革製の外装と中身のメカを1個づつ手作業で組み合わせている様子も披露されました。
かなり面白い内容だったので、会場の前方の人はだんだんスクリーンに向けて寄っていき、会場の後方は微妙に空き気味に。序盤はBunnieさんの冗談に気がつかないほど真剣にプレゼンを聞いている方が多かったように見えたのですが、Fooキャンプの苦労話や、chumbyの組み立て風景、特別仕様のchumbyの披露と、プレゼンが進むにつれて会場から笑いや歓声があがることが多くなり、会場の雰囲気が一気にほぐれていきました。
真剣に聞いている会場に向けて、楽しそうにプレゼンするBunnieさんの笑顔が印象的でした。
chumbyジャパンオフィスの森屋さんによる技術的な説明
Bunnieさんのプレゼンで自由な雰囲気になったところで、chumbyジャパンオフィスの森屋さんが登場。chumbyの技術的な面について、かんたんに説明が行われました。
プレゼンの中でchumbyの特徴について、以下のようなポイントが強調されていました。
- 常時電源オンで使う
- Wifi接続でインターネットから情報を受信できることが前提
- ほとんどの場合、流れてくる情報を受け取るだけでOK
- 中身も外見も自由にカスタマイズ可能
- 800種類以上のWidgetを無料で利用できる
- Flash Lite2(Action Script 2.0・Flash 8)対応のWidgetをユーザ自身が配信できる
- 将来、chumby側は広告で収益を得る
800種類以上あるというWidgetは今のところほぼ全部英語版です。でも、今後のアップデートによって日本語フォントが使えるようになるので、日本語に対応したWidgetが増えるでしょう。エンジニアにとっては多くの日本人ユーザーに、自分の作ったWidgetを使ってもらえるチャンスです!
TwitterやWassrやニコニコ動画のWidgetはすぐにリリースされそうですし、とても便利だと思います。また、日本語化された後しばらくは、ついついタッチしたくなるWidgetが山のように作られて、毎日楽しいのではないかと思います。
新色「ブルー」と3種類の専用スキンが登場
森屋さんのプレゼンではchumbyの新色「ブルー」が紹介されました。ブルーというよりも濃紺でシブ目な仕上がりです。部屋にうまく溶け込んでくれそうですし長期間飽きなさそうです。黒はちょっと暗すぎるなぁ、という方にピッタリです。
新色「ブルー」の今後の販売スケジュールは具体的に決まっていないようでしたが、そのうち国内でも普通に買えるようになるかもしれません。
プレゼン後に会場で行なわれていたブルーchumbyの会場限定即売会では、Bunnieさんに直筆サインを入れてもらっている方が多かったようです。開発者にサインを貰えるなんて嬉しいですね。
また、chumbyskins.etsy.comで30ドル前後で販売されているchumbyのスキンも紹介されました。スキンは全部で3種類で「fire(ファイア)」、「cowboy(カウボーイ)」、「tiger(タイガー)」が販売されています。
スキンをかぶせると全然違うように見えるので、chumbyをもう一個買ったような気分になりますね。プレゼンではキティちゃんのようなスキンも紹介されましたので、今後さらにスキンの種類が増えるのではないでしょうか。
これらのスキンの中でも、とくにtigerは女性にウケるようで、会場にいらしていたガジェットにあまり興味がなさそうな女性の目を惹いて、「かわいい」と褒められていました。
個人的には3つのスキンの中ではcowboyが気に入りました。
デニム地で触り心地が良いし、何より上部が取手になるので、chumbyを片手でブラブラ持ち歩けるのです。こういう感じのスキンがあるなら、chumbyが電池で長時間動くようになって気軽に持ち歩ける日が来て欲しいと思いました。
後半の懇親タイムの様子
イベントの後半は懇親タイムでした。
冒頭にBunnieさんの「乾杯!」という日本語の音頭で乾杯。会場で提供されたサンドイッチとドリンクは、夕食時でお腹がペコペコな来場者によって見る間に消費されてしましました。みんな満足気でした。
会場のテーブルには、それぞれ1台以上のchumbyがネットワークに接続した状態で展示してありました。参加者はそれらのchumbyを自由に触りつつ、近くの参加者と交流できました。参加者がchumbyの長所や短所を互いに確かめあう、理想的な空間だったように思います。
会場の後方にはchumbyだけでなく、chumbyの最初期の基板もさりげなく置いてありました。家電や電子部品に詳しい方は以下の基板の写真を眺めるとニヤニヤしてしまうのではないでしょうか。
基板の表側の上部には「Chumby Client Core rev 0 / Chumby Industries 12/2005」と書いてあります。2005年12月以前から開発をしていたのかと思うと感慨深いですね。
会場のテーブルのいくつかでは、一部の英語版chumbyユーザーが自分のchumbyを持ってきており、他の参加者から自作のWidgetやChumbyをハックする方法について質問がとんでいました。
日本で発売されるときに自分のハックについて説明する機会を持てるなんて、英語版を買った人は思い切った甲斐がありましたね。また、質問した人も自分の疑問が解消して満足そうでした。イベント中に、ユーザー間の実物を使った交流の時間があることの楽しさを体験できました。
終盤に会場で引っ張りだこだったBunnieさんが私の近くまで来たときも、日本人ユーザーに順番に話しかけWidgetの説明を聞いたり、ハックについて質問をしたりしながら、終始ごきげんな様子でした。
英語版chumbyでも日本語フォントを利用可能に
実は私には、chumbyの日本国内の販売が始まってから消えない疑問がありました。
「英語版chumbyとインターナショナル版chumbyの違いは何?」
という疑問です。
以前、私が音頭をとって140台くらいの英語版chumbyを共同購入したことがありました。私は、それらのchumbyで日本語フォントを自然な形で利用できる日が来れば良いなぁ、と感じていたのです。
Bunnieさんが近くにやってきたときに、素直に疑問をぶつけてみました。
overlast:「僕は英語版のchumbyをたくさん日本に輸入したのだけれど、インターナショナル版のように日本語フォントを自動的に使えるようにならないのですか?」
すると、その質問に対するBunnieさんの反応は意外なものでした。
Bunnie:「え?できないのっ!?」
「できるにきまってる」という雰囲気のBunnieさんの反応をみて、周囲にいた英語版ユーザーは大喜びでした。
最後には、
Bunnie:「アップデートが始まってから、多少のハックをすれば自動で日本語版にアップデートできるようになるから、問題ないと思うよ」
という開発者ご本人によるお墨付きを頂けました。やりました!
「多少のハック」の件については詳細がわかりませんが、今後手法がハッキリしたらshibuya.chumbiesのメンバーのブログなどで、詳細な方法をお伝えできると思います。
まとめ
日本でのchumby発売記念のイベント「Blogger's Lounge Chumby night」のレポートをお送りしました。chumbyの基礎知識から最新の情報まで一気に聞くことができたので、これからchumbyを手に入れる人にとっても、すでに英語版のchumbyを持っている人にとっても有意義なイベントでした。
イベント自体は、前半部分で必要なプレゼンの大半を終わらせて、後半は交流メインにするという、かなり思い切った時間配分でした。そのため、参加者として自由にイベントを楽しむことができました。
また、会場のいたるところにchumbyが置かれていたため、多くの方は飲食をしながらリラックスしつつchumbyの使用感を確かめられたと思います。
余談ですがイベント中の要所では、かなりきちんとした日英双方向の逐次通訳が行なわれ、Bunnieさんの発言内容が分からなくて困る人は少なかったと思います。また、Bunnieさんも参加者から日本語で何か言われても、発言の真意(の気持ち)を理解できているようでした。日本人が多いライトな技術系イベントでは、外国人スピーカーの方を担当する逐次通訳をできる人がいると会場の一体感がぐっと増すのだ、と勉強になりました。
今後chumbyは、オーストラリアと韓国での販売が始まるのだそうです。多くの国のユーザーとchumbyとインターネットを介してつながることができるかもしれないということで、とても喜ばしいことだと思います。今後の展開が楽しみですね。
Chumby Industriesの方は、「日本語アップデートが終わったら日本で再度イベントを開いて!」とテンション高めで今後のイベントに関して色々な人にリクエストをしていました。もちろん、私たちshibuya.chumbiesでも何かイベントを開催したいと思います。
これからもchumbyを楽しく使って盛り上げていきましょう!