時間管理やタスク管理の目標は、つまるところこの質問に対してできる限り少ないストレスで答えを出すことです。デビッド・アレンさんのGTDが大きな注目を集めているのも、コンテキストや「次のアクション」といった概念で「いま」「ここで」できることに集中するシステムを作っているからです。Omnifocus for iPhoneはそうしたGTDのシステムをiPhone上に持ち出すためのアプリケーションです。
OmniFocusはもともとMac OS X上で数々の素晴らしいアプリケーションを制作しているOmni Groupの作ったGTDアプリケーションで、それ自体が完成度の高いアプリケーションです。
OmniFocus for iPhoneはこのデスクトップ版のOmniFocusで入力したタスクをMobile MeのiDiskやWebDAVサーバーを通じてシンクロさせる機能をもっています。デスクトップ版で行える操作はiPhone上でもできますので、時間をかけてレビューしたタスクをiPhone上に持ち出すことも、出先で思いついたタスクをiPhoneで入力してMac上へシンクロさせることも可能です。
そして、OmniFocus for iPhoneの最大の魅力は、iPhoneのGPS機能を利用した「位置情報を意識した」タスク管理です。
GPSを利用した携帯端末はこれまでにもありましたが、こうした、位置情報からユーザーに利便性を提供するアプリはなかなか登場しませんでした。OmniFocusに限らず、GPSを利用したアプリが今後数多く登場して、こうした位置情報の価値をさらに深めてくれるはずです。OmniFocus for iPhoneはそうしたニーズを開拓した最初のアプリと言ってもいいと思います。
OmniFocus for iPhoneにはこの他にもモバイル端末であることを意識した、タスクの詳細を音声と写真で説明するという機能があります。急いでいてタスクの詳細をメモする時間がないときには、なかなか重宝する機能です。
ウェブサービスとシンクロする:Appigo ToDo
OmniFocusはMac OS X用のアプリケーションですので、Windowsでは使えないではないかという声が聞こえそうですが、これは現時点でOmniFocusだけでなく、多くのiPhoneアプリがかかえている問題です。
Appigo ToDoはそれ自体軽快に動作するToDoリストですが、その最も便利な点はRemember the Milk、あるいはToodledoと連携するという点です。Remember the MilkやToodledo側で入力したタスクや、繰り返しのあるタスクがiPhone上のAppigo ToDoの方に表示されますし、逆にiPhoneの方からタスクを入力することも可能です。
シンクロしている先はウェブサービスですので、もともとパソコンとインターネット接続さえあればどこからでも使えるという利点があります。Remember the Milkには有料会員用のiPhone版のサイトさえありますが、これらはオフラインでは使えないという弱点があります。Appigo ToDoはこの穴を埋め、「ウェブサービスに接続するアプリ」を提供することで、インターネット接続がなくても電波の届かないところでもToDoを持ち出し可能にしたわけです。