数人の言う
- 「因果関係があると判断するポイントを説明しましょう。まず統計的に有意な相関関係があることが前提です。厳密に申し上げれば、
時間性、 密接性、 特異性、 普遍性、 合理性あるいはさらに他の要因も加味して判断します。あくまで “ちゃらい” 説明なので重要なことだけ申し上げると、 時間性=どちらが先に起きたか、 と、 合理性=因果に合理的な説明がつけられるかが目安にと覚えておいてください」
数人の説明を聞いた様也は、
- 「次に、
因果関係や相関関係の解釈で勘違いしやすいケースをご紹介します。偶然に相関関係が成立し、 そこから因果関係があると勘違いしてしまう場合があります。相関の推定は統計的手法を用いますが、 要するに統計的手法というのは確率の問題なので何回も同じ実験あるいは観測を行えば相関関係が偶然見つかることもあります。統計とはそういうものです。同様に本来相関関係があるのに統計を取ったら有意な結果が出なかった場合もありえます。 - 続いて、
対象としている2つの要因に影響を与える未知の要因があるため、 相関関係が見られるケース。時系列が逆のケースなどもあります。それから複数の要因が影響しあって本来ある相関関係が打ち消されてしまう場合もあります。売上に対してプラスの影響を与えるものとマイナスの影響を与えるものがあり、 それらが同時に発生すれば打ち消し合って売上に変化は見られなくなくなってしまいます。最悪なのは、 調査対象や観測対象に偏りがある場合です」
立て板に水とは、
- 「なるほど、
わかりやすい! 父さんもこれならわかるよ」
様也は息子への疑問も忘れて、
- 「理解できているか疑問です。そこで確認のため、
あなたに質問します」 - 「え?」
美貌の息子の頬に歪んだ笑みが浮かぶ。様也は昔いじめられっ子だったことを思い出して鳥肌がたった。鳥肌と言えば、
- 「次のそれぞれのケースが正しいかどうか考えてみてください。間違っているとすればどのパターンの誤りを犯しているかを答えてください。いずれの場合もすべての情報、
条件を厳密に提示しているわけではありませんので、 誤謬である可能性が高そうな場合に間違っていると答えていただければ結構です」
ケース1:キャンディのパラドックス
ある広告代理店がキャンディの消費量について調査したところ、
ケース2:ニュースサイトのパラドックス
あるサイトで経済記事を掲載するとアクセスは増えないのに有料セミナーの売上が向上することがわかりました。しかし、
ケース3:ゲーム大会参加者のパラドックス
あるゲームメーカの大会で参加資格はそのメーカの2つのゲームの経験値の合計が10,000を超えていることでした。メーカが大会参加者の経験値について調査を行った結果、
読者への挑戦
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