昔と同じやり方ではダメ?
「いつの間にか仕事が思うように進まなくなった」「会社へ行くのがストレスになってきた」、そんな言葉をよく耳にします。ストレス社会と呼ばれる現代と昔とでは、何が変わったのでしょうか?
ストレスを感じる要因として次のようなものが考えられます。
- (1) コンピュータやネットワークの速度が速くなりすぎた
昔は仕事をしていても待ちの時間がありました。しかし、コンピュータが普及してリアルタイムに情報が得られるようになった私達には待ち時間が与えられていないような状態です。それこそ昔のように遅いコンピュータでネットワークもつながっていない状態になるとストレスが無くなるのかもしれません。
- (2) 個人が尊重され、自分で意思決定しなければいけない範囲が広がった
ある意味、自由な時代になったお陰で、ストレスが増えているのではないでしょうか? 自由だからといって遊んで良い訳ではありません。結果だけは求められ、競争も激しくなればストレスに感じるのは当然でしょう。
- (3) プライベートも重視するようになった
昔は、仕事人間と呼ばれるぐらい仕事に熱中するのが当たり前のようでした。しかし、プライベートも充実させたいという要求が自然と高まってくると、仕事とプライベートを両立しなければいけません。身体は1つしかないのですから、なかなか両方を充実させるのは至難の業です。
それでは、これらのストレスを根本的に取り除くためには、どのようにすれば良いのでしょうか?
答えは1つです。「頭の中をからっぽ」にして、「ゆとりある状態」を作るしかありません。「ゆとりが無い状態」が、ストレスの原因となって仕事が思うように進まないのです。
Lifehacksに影響される時代
「ゆとりある生活」を送るためのテクニックとして、Lifehacks(ライフハック)という言葉を最近よく耳にします。そもそもLifehacksとは何なのでしょうか?
hack(ハック)とは、元々プログラマー達が使っていた用語です。自分達が使いやすいように、プログラムに手を加えたり、ツールを使ったりすることを言います。プログラマー達の知恵といった感じでしょうか。そして、このような知恵を生活や仕事全般で捉えたのが「Lifehacks」と呼ばれているものです。
しかし、Lifehacksが今に始まったわけではありません。昔から「おばあちゃんの知恵袋」とか「主婦のアイデア商品」などはありました。これらもLifehacksと呼べると思います。今までのような生活中心の知恵は、家を支える主婦やおばあちゃん達が考えていました。しかし、仕事としての「hack」がストレスを抱えるビジネスマンにも必要になってきたのです。
そして、Lifehacksネタはブログを中心として広まってきました。記事のタイトルは、「○○をする10の方法」とか「○○がちょっと便利になるコツ」などが多く、どれも「なるほど!」と思う内容ばかりです。別にお金が必要なわけでもなく。ちょっとした工夫でカイゼンできるのが「Lifehacks」の醍醐味です。
頭の中は乗車率180%状態
少し話が脱線しますが、先日のニュースでGW(ゴールデンウィーク)の最終日に「新幹線の乗車率が180%になった」というのを耳にしました。映像で見るとあの混雑状態で長時間電車に乗るのは相当なストレスだと思います。
もしかすると、皆さんの頭の中もこの乗車率180%の状態で仕事が詰め込まれているのではないでしょうか? 新幹線の場合は、目的地の駅まで我慢すれば混雑から開放されますが、頭の中に溜まっているものは、いつになったら開放されるのでしょうか? 「早く開放してほしい」という悲鳴なかりが聞こえてくる気がします。
入り口と出口
「やるべき仕事」が溜まる人の多くは、入り口が広いのに対し、出口が狭いからだと筆者は思います。
日々の仕事は入り口から遠慮なくドンドン入ってきます。しかし、溜まったものを吐き出す出口がなければ消化不良を起してしまうだけです。入り口があるなら、ちゃんとした出口を用意して仕事に流れを作らなければいけません。
出口を作るということは、一旦頭の中にあることを吐き出すということです。そうすることで、「頭の中をからっぽ」の状態にできます。これがストレスを無くすために不可欠なことです。
今回は、「なぜストレスが溜まるのか?」という話題に絞ってご紹介いたしました。「GTD」という名前ばかりが、先行してしまい「何のためにやるのか?」を理解しないまま進めてしまっては本末転倒です。
この連載で紹介する「GTD」(※1)は、皆さんの「頭の中をからっぽ」にする手助けをしてくれます。そして、ストレスから開放されれば、仕事を成し遂げることができるようになるはずです。
次回は、GTDとはどういったものなのかを詳しく見ていきたいと思います。