2010年10月に、米Microsoftが2010年のホリデーシーズンに向けて、Windows Phone 7を発表しました。
発表された端末は9機種。Dellから1機種、HTCから5機種、LGから2機種、サムソンから1機種となっています。Androidケータイが発表されたときは、これほどの数は揃わなかったので、Microsoftの力「恐るべし」と考えるべきかもしれません。端末は、北中米、欧州、アジア太平洋の携帯電話事業者から発売されると発表されました。日本が含まれるアジア太平洋地域では、シンガポール、オーストラリアの事業者で、日本ではお預けとなっています。
Windows Phone 7とは?
端末のレビューに入る前に、Windows Phone 7の自体、余り馴染みがないので、ご紹介をします。
Windows Phone 7は、これまでWindows Mobileの名前でリリースされていたモバイルOSの新バージョンです。名前の頭には、Windowsが付きますが、その後をMobileからPhoneに変更して、まったく新しいスマートフォン向けOSとして提案されたものです。
まったく新しい提案と言うだけあり、ユーザインターフェースは、よりコンシューマを意識したデザインになり、Metroと呼ばれる雑誌のようなユーザインターフェースが全面的に採用されています。また、Facebook、Twitterなどソーシャルサービス、IMなどをシームレスに統合した「ハブ」機能を全面に打ち出しており、スタート画面で状況をリアルタイムに把握したり、撮った写真をすぐにSNSにアップロードすることなどが簡単に行えるようになっています。他にも、携帯音楽プレーヤーであるZune向けのzune marketplaceサービスやゲームコンソールXbox 360のオンラインゲームサービスXbox Liveも統合されており、これまでとはまったく違った考えて開発されています。
ただ、残念なことに、Windows Mobileとは互換性がなく、それ用に開発されたアプリは、Windows Phone 7で動作しません。Microsoftは、これまで下位互換を保ってバージョンアップして来ましたが、Windows Phone 7では、革新を得る為に下位互換を捨てる英断が行われました。この英断が受け入れられるかは、市場の反応待ちになりますが、筆者は非常に潔い決断をしたと感じており、この判断には良い印象を持っています。
Windows Phone 7とは何か?
Windows Phone 7とは何か?先行するiPhoneやAndroidケータイとなにが違うのか?と疑問を持つ方もいるはずです。
三者ともに、ハードは似た構成要素で、本体の大半を占める静電式のタッチパネルとハードボタンを複数個搭載しています。Androidケータイは、ワンセグやおサイフなど日本固有の事情に対応していますが、それを除けば大きく変わりありません。アプリも出来ることは似ており、ソーシャルサービスへの対応やIM、Webブラウザなど、選択肢の多い・少ないはあれど一通り揃っています。
では、どこが違うかと言えば、ユーザに提供する「楽しい」「面白い」「心地良い」などの価値がそれぞれで異なると言うワケです。例えば、iPhoneを操作していると「心地良い」と感じる方も多いはずです。旧来のWindows Mobileでは、こうした数値で表しづらい価値を軽視してきた側面があり、ユーザは新しい魅力を身に付けたライバルへ移行してしまい、じり貧の状態まで追い込まれていました。
こうした状態を打開すべく、ユーザインターフェースを刷新し、これまで弱かった部分に真正面から取り組んだ成果がWindows Phone7とワケです。
HTC Trophyは、どんな端末?
前置きが長くなりましたが、筆者が入手したのは、HTC製のTrophyと機種です。
HTCが発売しているWindows Phone 7搭載機は、HD7, Mozart, Trophy, Surround, 7 Proと複数存在しますが、Trophyは普及モデルの位置づけです。
普及モデルとは言っても、HTC Trophyは、3.8インチ480×800(WVGA)のタッチスクリーン、1GHz CPU、8GBストレージ、576MB RAM、720p HDビデオが撮影可能な5メガ、オートフォーカス、フラッシュ付きカメラ、Wi-Fi、Bluetooh、Gセンサ、デジタルコンパス、光センサ、3.5 mmステレオオーディオジャックと目を見張るスペックとなっています。
HTC Trophy本体の厚みは11.96mmです。iPhone 4が9.3mmなので、HTC Trophyの方が厚みがありますが、本体四辺の前後共に角が丸められているので、手に持った感じは数値以上に薄く感じ、持ちやすくなっています。本体の幅は61.5mmです。先で比較したiPhone 4が58.6mmなので、こちらも大きいのですが、同じように角が丸いので、持ちづらいと言うことはありません。本体の裏面は、ラバーコーティングがされており、手に持った感じはしっとりしています。
本体前面の下には、軽くタッチするとバイブレーションが「ブルッ」と震える演出がある3つの静電式ボタンがあります。
ボタンは、左から戻る、スタート、検索となっています。戻るボタンは、Androidケータイのそれと同じで、押すと前の画面に戻ります。スタートは、Windowsのようなスタートメニューが表示されるのではなくスタート画面が表示されます。最後の検索は、場面ごとの検索が行えます。例えば、マーケットプレイスで検索ボタンを押すと、マーケットプレイス内の検索、スタート画面だと、bingでネットの検索という感じです。
次回は、詳しく掘り下げます
今回は、Windows Phone 7に関する話がほとんどで、ハードウェアに深く迫ることができませんでしたが、次回は詳しく掘り下げます。