毎日、世界で5億人もの人々が訪れる場所があります。「Instagram」です。日本国内に目を向けても、約3300万人が月に一度はInstagramを開いています。さらに、日本の80%のユーザーがInstagramの投稿をきっかけになんらかの行動を起こした経験があり、40%のユーザーが実際にECサイト等で商品を確認したり購入したりした経験があるというデータも公表されました。
Instagram運用を通して、ありとあらゆるビジネスに変革を起こし続けている株式会社ROC(ロック)代表取締役の坂本翔氏は、この時代のパイオニアと言える存在です。
ここではその坂本氏がInstagram運用のノウハウを一冊に集約した書籍『Instagramでビジネスを変える最強の思考法』から、Instagramマーケティングについて解説した内容を3回に分けて紹介します。
最終回の今回は、Instagramで「見込み客」を集める方法についてご紹介します。
「見込み客=フォロワー」を集める4つの方法
前回お伝えした通り、Instagramは入口商品に誘導するためのツールです。そのため、主にまだ自社の商品やサービスを購入する前の「見込み客」を、「フォロワー」として集めていくことになります(もちろん既存顧客のリピートを促す効果もあります)。
見込み客であるフォロワーを増やし、日常の投稿で関係値を高めることで、顧客のニーズが顕在化したときに一番に思い浮かぶお店や企業が勝つ(選ばれる)。これがInstagramにおける集客の本質なのです。
「見込み客=フォロワー」を増やす方法は、大きく分けて4種類あります。
① 適切なアカウント運用
② Instagramキャンペーン
③ Instagram広告
④ フォローやいいねのアプローチ
①は、投稿頻度やハッシュタグの種類など、Instagramのアルゴリズムを理解した適切な運用をしていくことです。②は、フォローを条件としたャンペーンを実施すること。③はInstagram広告により、プロフィールページへと誘導すること。④は、自分の商品やサービスに対して関心を持ってくれそうなアカウントに対して、フォローやいいね等のアプローチを行うことです。
本稿では、②Instagramキャンペーンについて深堀り、解説していきます。
見込み客を巻き込む「Instagramキャンペーン」を開催する
フォロワーを増やすにあたって、著者の坂本氏が最もおすすめする方法が「Instagramキャンペーン」です。その名の通りInstagramを使ったキャンペーンのことですが、アカウントのフォローをキャンペーンの応募条件にすることで、自社の商品やサービスに関心のある見込み客層からのフォローが期待できます。
キャンペーンの内容は様々です。例えば、フォローやハッシュタグを付けた投稿などを応募条件にして、その条件を満たしたユーザーの中から抽選で自社商品をプレゼントするなど、様々な企画が考えられます。
Instagramだけでなく、自社の全ての公式SNSで同時にキャンペーンを行うのも効果的です。その場合は、各SNSの特性に合わせて、応募条件を若干調整する必要があります。
Instagramキャンペーンの「メリットとデメリット」を知る
Instagramキャンペーンは、どんな業種の方にもぜひ実施していただきたいのですが、そのメリットとデメリットをあらかじめ理解してから、実際に取り組んでいただければと思います。
<メリット>
- 自社商品や自社に関心のあるフォロワーを集められる
- ユーザーの自社アカウントや自社ブランドに対する愛着・ファン度が高まる
- UGC※が集められる
- ユーザーのキャンペーン応募のハードルが低い
<デメリット>
- 応募条件を満たしているかチェックする作業が発生する
- プレゼントや特典を付与するために、必要事項などをDMで確認する作業が発生する
- 郵送が必要な場合は、その発送作業の工数や郵送コストも発生する
なお、ユーザーのキャンペーン参加率を高めるコツとして、応募へのハードルを高くしすぎないことが重要です。また、キャンペーンを告知する文章には、説明を長々と書いてしまいがちです。しかし、あまりに長文すぎるとInstagramでは読みづらいため、ユーザーが「要するに、いつ何をすればキャンペーンに応募できて、その見返りは何なのか」を、簡潔にまとめるようにしましょう。
キャンペーン事例その①プレゼントキャンペーン
ここからは、具体例を交えながらキャンペーンの種類ごとに解説していきます。アカウントのフォローや特定のハッシュタグ付き投稿などを条件にして、自社商品をプレゼントするという、最もポピュラーな「プレゼントキャンペーン」からご説明します。
ある企業の公式アカウントでは、アカウントのフォローと、指定したハッシュタグを付けた投稿を行うことを条件に、オリジナルグッズをプレゼントするパターンのキャンペーンを開催しています。このキャンペーン事例では、該当する指定ハッシュタグを付けた投稿の数に応じて当選者も増えるという、自分も投稿することで当選確率が上がるのではないかと期待させる、面白い手法をとっています。
ただし、ハッシュタグ付きの投稿を応募条件にする場合、偶然そのハッシュタグを付けているだけの、キャンペーンに関係のない投稿が混ざってしまう可能性もあります。それを避けるため、他と重複しないオリジナルのハッシュタグを作るようにしてください。
また別の企業の公式アカウントでは、以下の3つを応募条件にしたキャンペーンが実施されています。
- アカウントのフォロー
- キャンペーン投稿へのいいね
- キャンペーン投稿へのコメント
「自分のプロフィールページをキャンペーン投稿で埋めたくない」というユーザーもいるため、投稿を応募条件に加えない場合の方がキャンペーンへの応募数は圧倒的に多くなります。
また、フォローといいねだけでなく「コメント」まで求めているのも特徴です。多くの場合、キャンペーンには応募期間を設けます。コメントは、その応募期間内に応募をしているかどうかを確認するために非常に有効です。加えて、フィードの仕組み上、いいねだけでなくコメントも多く集められる方が、投稿が優先表示される可能性が高くなります。
キャンペーン事例その②リグラムキャンペーン
このキャンペーンは、物的なプレゼントはなく、公式アカウントでリグラムされたり、公式サイトに自分の投稿が掲載されること自体がインセンティブになっているキャンペーンです。「リグラム」とは、自分以外のアカウントの投稿を、自分のアカウントのプロフィールページに表示する形でシェアする行為のことを指します。
リグラムキャンペーンは、キャンペーン規約に記載したり事前に許可を得ておけば、UGCとしてその投稿内容を使うことができたり、「こんなに自社の商品を利用しているユーザーがいる」ということを示す対外的なブランディングにもなるキャンペーン手法です。
ただし、フォロワーが多かったり、業界で有名だったりなど、ユーザーにとって自分の投稿が紹介されることが価値になるレベルの公式アカウントに育っていることが必要です。
全3回で具体例も交えながら、Instagram時代における思考法・考え方についてお伝えしてきました。集客の本質は、「ターゲットの中でニーズが発生したときに、一番に思い出してもらえる企業・お店・商品・サービスが勝ち、選ばれる」ということです。
思いついたことはまずは実践し、失敗も経験しながら運用していくことで、「Instagramでビジネスを変える」ことができてくるはずです。
ぜひ『Instagramでビジネスを変える最強の思考法』をご一読ください。