こんにちは、スマレジの山本です。
「東急ハンズ長谷川秀樹さんに訊く、「そうだ、ハンズ行こう」」の後編をお届けします。今回も、株式会社東急ハンズ執行役員 ・ITコマース部長であり、ハンズラボ株式会社 代表取締役でもある長谷川秀樹さんにお話をお伺いしてきました。
前編では、東急ハンズの特徴やPOSサーバのパブリッククラウド化や業務用端末などについてお聞きしました。後半では、レジやネットショップのデータなどを使って、将来どんなサービスが展開できるか? などについてお話ししました。
スキマ時間を有効活用
長谷川:東急ハンズに工房があるのをご存知ですか? 木材を切ってもらったり、簡単な作業をやってくれたりするところです。スタッフが限られているので、混雑しがちな場所です。
そこで銀行や郵便局などで使われている、ボタンを押して番号が印刷されている紙を取って、順番待ちをするシステムと同じようなことをスマホでできたらいいなぁと考えています。最初に話したように、スタッフに話しかけようとしても接客中で終わるのを待っていたら、今度はほかの人に話しかけられていて「タイミング逃した!」みたいなこともあるじゃないですか。
現場に提案してみたら「オペレーションがややこしくなるからやめてくれ(笑)」って止められましたけど、スマホを使ってできることは全部やってやろうというノリはあるのかもしれません。少し話が飛びますが、初代セカイカメラはすごかった。感動しました。
山本:バーチャルガイドみたいな?
長谷川:フロアガイドを出そうかと思いましたが、店舗のマップを見たほうが早い気もするし、スマホの小さい画面より大きなポスターの方が見やすいですよね(笑)。
チャットルームも設けようかなぁとも考えたんです。ただ、日本人にチャットの概念が合うかどうかわからないし、それなら電話でもいいかなと……。思考錯誤ですがそれも含めてやってみようと思っています。やってみないとわからないので。
ネットとリアル
山本:ネットショップでよく見かける、リコメンド機能をスタッフの接客補助として使うと便利なのでは? と思っているのですが、接客補助に繋がるようなアイデアはありますか?
長谷川:ネットショップのカートとお気に入りって分かれていますよね。でもリアル店舗ではカートはもちろんありますが、お気に入りは頭の中で覚えるということになります。でも往々にして忘れてしまいます(笑)。「あとで買おう」と思っていても、忘れて出口まで来てしまい「まぁいっか」と帰ってしまうことってよくあるはず。
そこでネットショップでの「お気に入り」というアクションを店舗でのお買い物に取り入れて「お気に入りスキャン」という機能をリリースしようと考えています。
来店時にハンズアプリ(正式名称要確認)を立ち上げて「これほしい」→「あとで買おう」となったときにお気に入りスキャンを使ってスキャンします。帰宅してから購入できて配送もしてくれるみたいなイメージです。
山本:お気に入り機能はネットショップと連携している店舗ならではですね。
スマレジには仮決済機能があって、お客様がお会計時にお待たせすることがないよう先にチェックだけしてあとで商品をお渡しします。前さばきができるので待ち時間の有効活用を狙っています。
長谷川:僕はVIP向け・高齢者向けサービスを考えています。東急ハンズ渋谷店は駅から遠いので、駅まで持って行ってあげればいいのでは? と思いついたのですが、駅まで持って行ったら100%なのかどうかはわかりません。そこまでするなら家まで運んだ方がいいのではと考え始めて行き詰ってしまいました。オペレーションは難しいけどやってみたいです。
ひととおりアイディアが出たところで、トライアンドエラーの重要性と、インターネット端末の進化についてお聞きしました。
長谷川:思ったことを次々に実現してやってみて、ダメならどんどん回転してと進めたいですね。メリハリつけていきたい。
山本:スマホが普及してきたからできることやタブレットの浸透など、タイミングも大事ですね。
長谷川:そうですね。スマホには限界があるので、早くGoogle Glass的なウェアラブルコンピューティングにならないかななんて思います。
山本:なるほど。そうなったら次は頭に電極さすことになってくんでしょうね
長谷川:ですね
長谷川さんが考える、かなりインターネット指向な未来像がなんとなく見えた気がしました。ということは、時代とニーズにあわせて、東急ハンズはどんどんインターネットを積極活用し進化してゆくんだなと。
東急ハンズさん、いかがでしたか?僕としてはスゴく興味深いお話ばかりで、そしてスマレジが考える未来とも共通点が多くて、めっちゃ興奮した取材でした。
ではまた。