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第24回エスキュービズムのオムニチャネルへの挑戦 後編

こんにちは、スマレジの山本です。前回につづき、オムニチャネルに関するエスキュービズムテクノロジー 武下社長へのインタビュー後編です。

株式会社エスキュービズム・テクノロジー 代表取締役社長 武下真典さん
株式会社エスキュービズム・テクノロジー 代表取締役社長 武下真典さん

これまでのオムニチャネルの取り組み

山本:

いままでオムニチャネルの取り組みをどのくらい実施されたんですか?

武下:

本格的にオムニチャネルとしてやったのはまだ5社ぐらいです。1番有名なのは丸善&ジュンク堂さん。Amazonより早く本を受け取れるんですよ。

たとえば「今日、村上春樹の○○がすぐ読みたい」と思ったとします。ご存知のとおりAmazonなら明日届きますが、どうしても今日読みたい。たまにいまどうしても読みたい! と思うときってありませんか。そこで、どうしたら確実に1時間後に本が手に入るかを考えます。

まずはWebサイトで在庫を確認をします。⁠村上春樹」とキーワードを入力したら「東京駅のジュンク堂に在庫があります」と表示され、⁠取り置きボタン」を押したら、店の人が勝手に商品を押さえてくれる。そして「取り置きできました」ってメールが届きます。あとは店舗に取りに行くだけ、本当に40分位で目当ての本が手に入れられるんです。だから店舗に直接行ってから「なかった」というようなことを防げます。

山本:

「ジュンク堂なら!」と思って、期待値高めでお店に行ってなかった時のショックったらないですもんね。

武下:

そうそう。人気本か、本屋に1冊位しかないニッチ本か。仕事でこの本がいますぐ欲しいなどいろいろ事情があるんでしょう。Amazonより早く受け取れて、在庫だって、全国にあるジュンク堂の100店舗と倉庫を束ねたらAmazonより多いです。それがリアルの強みだと思うんですよね。

山本:

その施策で得られた効果ってなんですか?

武下:

店舗受け取りがものすごく増えています。実は5人に1人位は店舗受け取りなんです。それってすごいことですよね。

正直に言うとぼくは「誰がジュンク堂のECで本買うねん!」って思ってました。⁠普通ならAmazonで買うだろ」と。ポイントを貯めたい人なら楽天ブックスかな。しかし、想像に反してリアル店舗があるという強みはすごいなって思い知らされました。

ところで、ジュンク堂さんって、リアル店舗の「棚」を書店員が編集するんですよ。⁠この本を手に取る人はこれも好きだろう」とか「本はこの順番で読め」というストーリーに沿って本が並べられてる。

それから、本のレビューを閲覧できるコーナーがECサイトにあり、書店員のレビューを読むことができるんです。Amazonは買った人のレビューですが、ジュンク堂は書店としての価値を出すために書店員がちゃんとレビュー書いています。

山本:

むっちゃすごいですね、ジュンク堂!

さて、この事例はEC-Orangeがベースとなっていると思うのですが、これをやるのにいくらぐらいかかるんでしょう?

武下:

だいたい数千万円の規模です。大手SIerさんとかなら何億円レベルかも。

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小規模でできるオムニチャネルはあるのか?

山本:

とても参考になりました。ところで、ジュンク堂さんは比較的大きな企業だからそのような取り組みができますが、もっと小さな規模の企業、たとえば3~10店舗程度しかない場合「初期費用100万円未満で何か IT投資ができないかな?」という方々がいらっしゃいますが、武下さんの観点からアドバイスはありますか?

武下:

いまスマレジさんもそうですけど無料で使えるソフトウェアがいっぱいあります。ストアーズさん(Stores.jp)などもそうですけど、一旦自分たちでやってみるってすごい重要だと思います。それで成果が出たら、そのままやればいいんですから。

世の中は、価値とお金が等価交換されるので、難しいことをやろうとすると必ずその分お金がかかる。だからまずは無料で始めて「もっと高度なことやりたい」って思った時にお金を払えばいい。まずは自分たちでできるところをやってみるっていうのが一番いいと思います。

山本:

情報システムを先に用意するのではなく、やりたい目的や施策があって、その目的に沿ったサービスをチョイスすればいいと。それらサービスは、別にデータ連動してようがしてまいが形としては成立するんですよね。

小売のミライをカタチにする

山本:

ではさいごに エスキュービズムテクノロジーの今後について教えてください。

武下:

「小売のミライをカタチ」にするというのが、エスキュービズムテクノロジーのミッションです。

山本:

「小売のミライ」って何ですか?

武下:

僕がひとつ思っているのは、顧客への感動提供だと思っています。

やっぱり世の中みんな幸せになりたいはずで、幸せになるために、あの手この手を使って(商品を通じて)感動を提供する、と思います。

アパレルなら服を通じて感動を提供してると思いますし、お菓子屋さんなら、羊羹を通じて感動を提供してきた。そのお客様に感動提供を与えるための仕組みを作り続けていくっていうのがエスキュービズムテクノロジーとしての未来ですね。

山本:

なるほど、直近での計画は何かありますか?

武下:

いまはスマホが鍵になる宅配ボックス作っています。

ネット通販はものすごく便利で、どんどん取扱量が増えています。ただ「配送」の部分はイノベーションが起きていません。商品を家で受け取るか、コンビニで受け取るか、会社で受け取るか。でもいつも15時に行くスタバで受け取れてもいいと思っているんですね。もしくは、駅の電車降りた瞬間に受け取れてもいいと思う。ネット通販の受け取りの瞬間には、まだまだ改善の余地があると思っていて、今後はその辺にイノベーションが起こってくるかなぁと考えています。

ネットで買い物した時って「買った時」⁠商品を受け取った時」に気分が上がりますから。

「時間指定」って便利なんですけど、2~3時間家にいないといけないみたいな不便さがあります。それを「届く10分前に通知が来る」など、改善の余地があってデジタル消費者のニーズに応えるっていうことなんですよね。

山本:

ありがとうございました。そういう未来、楽しみですね。

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エスキュービズムテクノロジーのオムニチャネルへの取り組み、いかがでしたか?

ぼくはネット・リアル問わず、インターネットを使った店舗の未来が垣間みれた気がしました。今後も斬新かつ時代の流れに沿ったソリューションがどんどん登場しそうで楽しみですね。

で、そんなエスキュービズムテクノロジーさんは、10月にカンファレンスを開かれるそうです。ご興味ある方はぜひぜひ。

オムニチャネルカンファレンス2014
~小売トップが語る。消費者に選ばれる店舗経営の最新事例~

日時2014年10月21日 13時~17時
会場グランドハイアット東京
主催株式会社エスキュービズム・テクノロジー
URLhttp://orangeretail.jp/omni_conference_2014/

イベントに関するお問い合わせは株式会社エスキュービズムテクノロジーまで!

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