日曜日の午前中、お寺や神社の境内で催される骨董市へ行ってみよう。季節も上々、青空のもと古いあれこれを見ながら時代散策をするのも楽しいものだ。焼き物に古銭、ブリキのおもちゃにお人形。陳列法はいたってシンプル、たいていは地面に広げたシートの上に品物が平たく並べられている。気になるものがあったら何気ない調子(ここが大切)でお店の人にいわれや値段などを尋ねてみたり。
そんななか、鬱蒼とした一角は着物の古着屋さんだ。ブルーシートに広げられた古着の山、あるいはザクザクとハンガ-(衣紋掛けではない)に下げられた晴れ着や帯の数々。ハンガーラックで着物の森ができている。着物が好き、古着が好き、という人ならば、この光景を見て興奮しないはずはない。
圧倒的な物量に見境なくあれこれ見ているうちに、しだいに心も落ち着いてくる。「さて、自分はなにが欲しいのか」。焦点を絞ろう。と、平常心に戻って選んでも、結果山のように買ってしまったりして。
そのうえ骨董市は着物だけ売ってるわけではない。イカした小皿、不思議な絵葉書。なにが見つかるかわからない。ので、バッグに忍ばせていこう、風呂敷を。もちろんこういうときに使う風呂敷は、縮緬のはんなり系ではなく木綿の大判。どんな形のものだって包んで帰るぞ。