元オリコン編集長☆イノマーの『叫訓』

第45回「立ったまま打ち合わせ!」――早く帰るための発想!

打ち合わせって不思議な仕事

打ち合わせ、打ち合わせ……オイラの手帳にはやたらと打ち合わせという文字が書かれている。ほとんどが現実的な仕事に結びつかず終わることが多いのだけれど。

会議と打ち合わせは違う。ざっくりと分ければ、オイラの中で会議というのは同じ会社、事務所のスタッフによるミーティング。打ち合わせは他社の方とのやり取り。

ま、当たり前か。

前にも書いたかもしれないけれど、オイラは会議が苦手。でも、打ち合わせは嫌いではない。親戚の家に遊びに行くような感覚。いや、遊びではないんだけどね。

同じ職場の人たち(家族?)との話はどうしてもマンネリが続き、新しいことを生み出すことが難しくなってしまう。

「何か意見とかアイデアとかあるかなあ? 特集の企画とか。」

シ~~~ン……。

あの沈黙には正直、耐えられない。

大学時代の必修、座禅講義を思い出す。オイラが入った大学は入学してから気付いたのだが仏教系の大学だった。

なので、宗教学というのがあり、座禅を組まないと卒業できないことになっていた(当時⁠⁠。オイラは法学部。座禅などまるで関係ないはずなのに……何も考えずに座禅を組んだ。とにかく、この場をやり過ごそうと。

無意味な時間だった。金髪で鋲ジャンを着たパンクスがゴロゴロと数人、座禅を組んでいる。もう、笑えてしかたなかった。

あら、すいません。また脱線事故です。

コーヒー問題勃発!?(笑)

そう、打ち合わせについて。

打ち合わせは、会社によってコーヒーの味とかが違うのが楽しみ。え、また脱線? いや、違うんですよ。聞いてください。

昔、オイラが某レコード会社のコーヒーが「薄くて、墨汁を飲んでいるようで不味い」と雑誌で書いて出入り禁止になったという噂が流れたことがある。まったくの誤報。

さすがのオイラもそこまでは言わない。どんな人間だと思われてたんだろ? そこまでの無頼漢ではない。小心者なんだから。

どこの会社も、出していただくコーヒーは美味しいですよ。つーか、打ち合わせに行ってるわけでコーヒーを飲みに行ってるわけじゃない。そんな奴はいねーよ!(笑⁠⁠。

でも、おもしろいかもしれない。メーカー、事務所のコーヒーランキング。ちなみにオイラがいちばん好きなのは銀杏BOYZの事務所、ライトエージェント、Eマネージャーが作ってくれる梅こぶ茶。美味いんだよなあ……。

いちばん驚いたのは某ビジュアル系バンド事務所との打ち合わせ。まだ午前中だったんだけれど、事務所の社長、メンバーも勢ぞろい。ものすごい迫力だった。

で、出されたのはキンキンに冷えたシャンパン。いや、あれにはひっくり返った。

音楽業界、昼ごはんもかねての打ち合わせで軽くビールなんてことは不思議ではないのだけれど、シャンパンって。

表紙が欲しい、とのことでメンバーも社長も正装。オイラはTシャツに短パンにスニーカー。恥ずかしくなってしまった。

リフレッシュして再スタート

他社の人と会って話をすると、自分の中にはない感性だったり、やり方を知ることができるからおもしろい。勉強になる。

ちょっと前まで、プロ野球の交流戦が行われていた。2005年からスタートしたみたいだが、オイラにはまったく意図がわからなかった。

何だこりゃ? オールスターでオッケーじゃん、と。まだその真意はわからないままなんだけれども。でも、選手にとっては同リーグ以外の強者たちとプレイできるのは緊張感もありつつ、楽しいのだろう。

同リーグだけでのゲームのみでは観てるお客さんも退屈しちゃうもんね。性フーゾク関係のプレイでも、そういった刺激は求められたりしている。

誰もが常に新鮮な気分に戻りたいと心のどこかでは思っているということなんだろう。たとえがゲスですいません。

でも、リアルにそういうことのはずだ。あとは興行的なこともあるのだろうけど。その辺のことを考えるともっとゲスになる。

シーツやカーテンを新しくするようなもんだ。人間の気分なんて、その程度のことで大きく変わる。そんなもんだ。

井戸端会議?

先日、某会社で打ち合わせがあった。初めて訪れた会社。社員数もそう多くはない。⁠うちの会社、ちょっと変わってるんで……」と、初対面の相手は申し訳なさそうに言った。

打ち合わせスペースとなっている広いフロアに通されるとビックリ。成人男子の腰下くらいまでのテーブルが並べられ、その上にはパソコンが置かれている。

そして、打ち合わせ中だと思われる人たちはコーヒーを片手に立ったまま話をしている。

会社の打ち合わせスペースには椅子というものが無かった。

なるほど、そういうことか……。

椅子のない会社。スゲー発想だ。たしかに椅子に座って、コーヒーなどを飲みながら話をしていると気づけば1時間以上なんてことも多々。これなら必要以外の話はせずにさっさと話を済ませることができる。

長い話は嫌いだ。

もちろん、長い話の中から出てきた雑談で生まれるアイデアもある。でも、絶対にこっちのほうが効率的だ。

結果、打ち合わせは20分程度で終わった。部屋から打ち合わせ相手の会社まで40分。でも、打ち合わせは20分。合わせて60分。

だって、1時間以上も立ちっぱなしっていうのもしんどいもんね?

VIVA! STANDING

もっと驚かされたのは、その会社には自分のデスクというのが無いらしい。う~~ん。ま、若い社長による新しい会社だけれど、ここまで徹底するのはスゲーことだ。

行き交う社員さんはパソコンだったり、iPadなんかを持ち歩いている。そして、共同のテーブル席で適当な場所を見つけお仕事。

ふうむ。こういう時代なのねん。

立ち食い蕎麦ったって、座って食べるのが日本流。でも、考えてみれば最近は立ち食い寿司とか立ち食いイタリアン。そして、何より立ち飲み屋さんなどがOLさんの間でも流行っている。

居酒屋に何時間も座敷で飲むよりも、会社帰りに30分程度、立って軽く飲むというのが気楽でいいのだろう。

思い出したのが、会社員時代、それまでは椅子に座って行われていた朝礼の椅子が排除され、立って行われることになったこと。

時短?

おかげで朝礼の時間は短縮され、業務に費やすことのできる時間が増えた。その分、仕事は早く終わり、残業も減り、早く帰宅することができる。

それまでは午前中の時間をたっぷり使い、長いときはお昼まで2時間以上かかることもあった。午前中の1時間というのは非常に大きい。いわゆる雑務というやつ? これがたまってしまうと、とんでもないことになる。

今の時代、会議や打ち合わせは椅子に座りゆっくり行うのが当たり前という考えはナンセンスということなのかもしれない。

ま、大きな会社なら朝礼の意義は社員同士の生存確認みたいなところもあるけどね。あ、こんな人いたなあ、みたいな。

会議や打ち合わせに必要なのは椅子やコーヒーではなく人だ。だったら、因習などに縛られていたらダメだ。

これまで当たり前だったことは、もしかしたら当たり前じゃないかもしれない。

ということで、今回、言いたかったことはズバリ、これ↓

叫訓45

逆転の発想を超えた
0からの発想!

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