タブブラウジングを使いこなす
検索結果で表示されたページを閲覧し、さらにページ内のリンクから別のページにジャンプし、さらにジャンプする・・・。というジャンプを繰り返したあと、最初に見ていた検索結果に戻るには、閲覧したページ数だけ『戻る』操作を行う必要があり非常に手間がかかります。
タブブラウジングに対応したブラウザであれば、検索結果で出力されたページの中から気になる検索結果ページを別々のタブで開き、読み終わったら別のタブを閲覧することで、効率的に情報を収集することが出来ます。
このように、一度タブブラウザに慣れてしまうと、タブをサポートしていないブラウザに戻ることは考えられないほど重要な、ブラウザの主要機能の一つと言えます。
ケータイのフルブラウザでは、既にPCでタブブラウザが普及していたこともあり、多くのフルブラウザでタブ対応が進められています(表1)。
表1 各フルブラウザの対応比較
| NetFront | Opera | jigブラウザ | ibisBrowser |
タブ表示への対応 | ○ | ○ | ○ | ○ |
バックグラウンドでタブを開く | × | × | ○ | × |
しかし、ケータイのフルブラウザの使い勝手が劣る点として、『バックグラウンドで新しいタブを開く』事をサポートしているブラウザが少ない。という点があります。この機能をサポートしていないブラウザは、リンク先は新しいタブで開く場合、必ず新しいタブがアクティブになってしまいます。例えば検索結果一覧のページから、複数のページを開いて閲覧する場合、アクティブになった検索結果ページから検索結果にいちいち戻ってから、別の検索結果ページにアクセスせねばならず、PCと比べてとても快適な環境とは言えません。
jigブラウザでは少々設定がややこしいのですが、リンクを『バックグラウンドで開く』事が可能です。ここではjigブラウザでリンクをバックグラウンドで開く方法を紹介します。
リンクをバッググラウンドで開くための設定
- jigブラウザを起動 > MENU > 設定 > その他設定 > タスク切り替え設定
タスク切り替え設定を、『今のタスクを維持』に設定し、リンクを開く際に『新タスクで開く』を実行すると、『新しいタスク(タブ)をバックグラウンドで開く』という動作が実現できます。
より高度な使い方
特に指定をしないリンクは同一のタブで開き、検索結果などのリンクは新しいタブで開きたい。という場合は、下記の二つの設定を行い、必要に応じて動作を切り替える事が可能になります。
- (1)新タスク設定
- jigブラウザを起動 > MENU > 設定 > その他設定 > 新タスク設定
『今のタスクで開く』に設定し、通常のリンクは新しいタスク(タブ)を開かない設定にします。
- (2)タスク切替設定
- jigブラウザを起動 > MENU > 設定 > その他設定 > タスク切替設定
『今のタスクを維持』に設定します。
- (3)任意のショートカットキーに『新タスクで開く』を割り当て
- jigブラウザを起動 > MENU > 設定 > ショートカット設定
ショートカット設定で任意のキーを『新タスクで開く』を指定します。
- 『新タスクで開く』に設定したショートカットキーでリンクを開くと、表示しているタスクの内容はそのまま閲覧を続けた上で、リンク先のページを『バックグラウンドで開く』という動作が可能になります。
検索結果からの複数ページをとりあえず開いてしまい、後からゆっくり閲覧するという操作方法は、地下鉄などで電波が入るエリアが限られている場合特に有効です。具体的には、
- 電波が入り通信が可能な状況で検索結果からページを開けるだけ開く
- 車両が移動して電波が圏外になったら、読み込みが完了していたページを閲覧する
という操作方法を行う事で、地下鉄で移動中の限られた圏内エリアを有効に使えます。
検索以外でも、
- PCのWebメール
- はてなブックマークの人気エントリの一覧
- 各種RSSリーダー
などのリスト表示された内容をチェックする際に、一覧ページを見ながら、気になるページをバックグラウンドで次々に開いていくことをマスターすると、フルブラウザに限らずに情報収集が改善できます。
マイクロブラウザと使い分ける
ここまでフルブラウザの使いこなしを紹介してきましたが、本連載の『ケータイを使いこなしてより便利に。』という目的を達成するためには、フルブラウザだけでなく、必要に応じてケータイのマイクロブラウザもうまく活用する必要があります。
フルブラウザはPCサイトを閲覧できるという点で非常に大きなメリットがありますが、マイクロブラウザはケータイの各種機能と連動し、着うた・動画などのコンテンツのダウンロードやGPSを用いた位置情報との連動が可能です。『今いる位置から近くのカフェを検索する』というようなケースでは、端末の位置情報と連動できるマイクロブラウザの方が便利に使えます。また、各種サービスを利用する際のログイン認証などを、キャリアゲートウェイを通して行えるため、ログイン操作が手動で必要になるフルブラウザを使うよりも、手軽に利用できる場合もあります。
筆者は、
- フルブラウザ
→外部サイトへのリンクが多いページを閲する際に使う
※ 検索サービス・辞書・Blog・ニュースなど
- マイクロブラウザ
→ケータイサイト内で用件を済ませられる事が多く、専用のサイトも用意されている事が多い場合に使う
※ オンラインバンキング・SNS・天気の確認など
という基準で両者を使いわけることで、効率的な情報収集を行っています。
このように、一つのツールだけで何でも解決しようとすることより、必要に応じて最適なツールを選択することが、ケータイを使いこなすためには必要です。