連載4回目となる今回は、「3Dマイホームデザイナー」の最新バージョンLS3で追加された、太陽光パネルシミュレーションや電力量チェック機能など時流に合った新機能を紹介します。
太陽光パネルを置くだけで、発電量をチェック
太陽光発電は太陽の光を電気に変換する発電方式で、石油などの化石燃料を使わない点と、発電時に二酸化炭素を出さないという点から注目されています。
LS3の「太陽光パネルシミュレーション」は、全国801カ所(※)の日射量のデータ、配置したパネルの発電出力、枚数、パネル傾斜角度、方位などをもとに、年間予想発電量をリアルタイムに表示できます。
間取りを作成したあと、マイホームナビを[屋根]-[屋根に配置]に切り替えます。
パーツパレットの[屋根のせ用]から太陽光パネルをドラッグして、屋根にドロップします(例ではソーラーパネルO001を4枚屋根にのせています)。
表示メニューから[太陽光発電システムウィンドウ]を選択すると[太陽光発電システム]画面が表示され、配置したソーラーパネルに基づいた年間発電量が表示されます。
立体化すると太陽光パネルが屋根に設置されたことがわかります。
住まいの環境性能を診断
現在は人にも環境にも優しい住宅をつくろうとする流れになっています。LS3でも、どのようなことに配慮すれば良いのかがわかる「環境性能講座」や、設問に回答してくことで、お客様の住宅が、どの程度のエコレベルなのかがわかる「環境性能診断」機能を搭載しています。
「環境性能講座」はマイホームナビの[住宅]-[環境性能講座]から実行します。この講座を読めば、これからの家に求められるものがわかるようになっています。
住宅のエコレベルがわかる「環境性能診断」は、[環境性能講座]の[自己診断してみよう]から行います。
下記のような設問に回答してくことでエコレベルがわかります。
家電製品の消費電力量を集計
家電製品パーツには消費電力のワット数が入力でき、季節毎の年間消費電力量がわかるようになっています。状況把握だけではなく、使用中の家電製品を省エネ対応製品に買い換える際の検討にも役立ちます。また、電力量を石油量やCO2排出量に換算した値も表示されますので、環境への貢献度も確認できます。
バリアフリーでない箇所を視覚的に確認
日本人男性の20人に1人は、色の認識、識別が多数派と異なる色覚特性を持つと言われています。多くの方は日常生活で不便を感じないレベルですが、色覚機能は年齢を重ねると低下していく場合もあり、そこに視力低下や白内障が重なると日常生活に支障が出てくる恐れがあります。高齢化社会を迎える上で、これらの対策は住宅でも必要です。
LS3はこの問題への1つの対策として「色覚・白内障シミュレーション」機能を搭載しました。この機能を使えば、色覚特性や白内障を持つ方が、どのような見え方になるのかを確認でき、症状にあわせた対策を事前に行うことができます。
次のイメージは色覚特性を持つ方のシミュレーションイメージです。
この問題の対策としては階段の蹴込み(けこみ)部分の色を変えるか、蹴込みにシールを貼るなどの対策が効果的です。
ユニットバスの色を決める際にも、床・浴槽・壁などをシミュレーションしてから選ぶことをおすすめします。
次のイメージは白内障を持つ方のシミュレーションイメージです。
段差の無いフロアづくりの重要性がご確認いただけるかと思います。
危険な階段をリアルタイムにお知らせ
家庭内で圧倒的に多い事故は、階段での転倒、転落です。事故件数だけで見ると4歳までの乳幼児が多いのですが、大きな怪我や死亡事故になるのは高齢者です。
このような事故を減らすためには、階段を緩やかに作ることが重要ですが、建築基準法が融通を利かすために作られている(57度前後の急勾配でも認められる)ことを、部屋を広く見せるために悪用する業者がいるのも事実です。
例の「上曲がり階段(左)」と「U字階段(右)」の設置スペースを見ると、業者がこの階段を使いたくなる理由がわかります。しかし、いくら部屋が広くなっても家族に不幸があっては本末転倒です。LS3の「階段安全性チェック」機能を使って階段を確認してみてください。
いかがでしたでしょうか。第5回目の次回は、3Dマイホームデザイナーを上手く活用されている事例として、3Dマイホームデザイナーコンテストを紹介する予定です。ご期待下さい。