サンフランシスコで昼食を

第4回時をかけるエンジニア

移動時間も有効活用

8月下旬から9月上旬まで、イギリスはバーミンガムで行われたYAPC::Europe[1]に参加してきました。ヨーロッパのカンファレンスに参加するのは初めてでしたが、いつもオンラインで知っている顔、Perlのコアにコミットしているデベロッパなどと会うことができてとても楽しいカンファレンスでした。

バーミンガムはロンドンの北へ電車で1時間半ほどいった場所にあります。東京からロンドンへは直行便で13時間ほどでしたが、この時間も私にとっては貴重な時間です。今回は自費でエコノミークラスだったためバッテリーは3時間くらいしか持ちませんでしたが、その間もコードを書いたり、プレゼンの準備をしたりといった作業を行うことができました。衛星インターネットも撤退が決まったようで、飛行機からネットワークに接続するのはまだまだ難しいようですが、そうした状況でもオフラインでいかに効率良く仕事ができるか、というのはけっこう重要なテーマになりつつあります。

先日秋葉原で行われた、Shibuya.js Development Environment Conference[2]でも似たようなテーマで講演しましたが、オフラインでの開発のためにバージョン管理システムsvk(Subsversionのラッパーで、オフラインでのコミットができる⁠⁠、minicpan(CPANのモジュール最新版だけを集めたミラー)注3などをノートパソコンに同期しておいて、Windows XP内に立ち上げたVMWareにDebian環境を作って作業しています。これでオフライン、あるいはネットワーク環境があまりよくない状態でも、効率良く作業することができています。

日本国内での時差開発

この夏は海外にもよく出かけましたが、仕事をする場所としては東京のSix Apartオフィス、それと自宅近くのカフェが中心でした。US本社とは時差があるため、仕事のしかたに若干の工夫が必要になってきます。

まず赤坂にある日本法人オフィス。ここがメインの仕事場であることは言うまでもありませんが、主に日本のVoxチーム[4]とのコミュニケーション、US本社とのビデオカンファレンス(週に一度)などを行っています。

自分以外のVoxチームがUSに出張しているケースや、とくにチーム内で確認が必要ない場合などは、自宅近くのカフェで作業することもあります。ネットワークも無線LANで使えるため、VPN( Virtual Private Network)でUS本社にログオンしてしまえば、とくに会社にいる際と変わらず作業ができます。こうしたフレキシブルな仕事環境はスタートアップ独特のものかもしれません。

また、Voxでは3週間単位で新しいメジャーリリースを繰り返すリリースサイクルをとっていますが、Dev Complete(エンジニアリングが完了してQAにサインオフする日)近辺、またリリース近辺などは時間単位でのコミュニケーションやチェックイン作業が発生します。そのため、帰宅した後の24時ぐらいからUSが起きてくるのに合わせて、朝まで作業というようなこともしばしばあります。

もちろん日本時間の早朝(=US時間の昼過ぎ)に起きて共同作業するという方法もあって、そちらのほうが健康的なのでしょうが、なかなか自分の体内時計を変えるのは難しいようで、夜のほうがはかどるため、ついついそうなってしまいます。

ビデオカンファレンスの様子。こちらが日本オフィス、映っているのがUS本社です
ビデオカンファレンスの様子。こちらが日本オフィス、映っているのがUS本社です

まとめ - 上手な時間の使い方

タイムゾーンの違うチームで共同作業をするのは想像以上にたいへんなことが多いです。自分の労働時間についてはフレキシブルに対応しつつ、進捗をこまめに報告してタスクを引き継ぐなど、タイムゾーンの違いを利用することができるとよりクリエイティブになれます。

さて次回は、エンジニアリングチームの横のつながり、技術教育などについて紹介しようと思います。

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