窓の先のシリコンバレー

第4回突撃インタビュー!シリコンバレーで働くあの

こんにちは。第4回目の今回は、外に飛び出して取材などを行ってみました。

目的地はこちらです!

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え、よくわからない?ではこれではどうでしょうか。

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そう、今回はマウンテンビューにあるGoogleにやってきました!ここでお仕事をされている方にいろいろインタビューしてみたいと思います。今回お話しを聞くのは同社でソフトウェアエンジニアのお仕事をされている高木淳司さんです。

Googleのキャンパス(会社なのにこう呼ばれているそうです。大学みたいですね)に足を踏み入れるとなんだかすでに雰囲気が違います。

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たまたまGoogle Mapsのストリートビュー機能のための撮影車に遭遇。街中で見かけたという報告談は聞いていましたが、実物を見たのは初めてです。

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自転車?Googleのキャンパスは広いので、移動にこの自転車を使うことができるそうです。

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さて、この日はインタビューの前にランチをごちそうになることに。うわさのGoogleごはんにドキドキです。高木さんによるとカフェテリアはいくつもあるそうなんですが、今回はおすすめのカフェに案内していただきました。

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バイキング形式で好きなものを取ることができます。サラダは好きな野菜とドレッシングを選ぶと、混ぜて盛りつけまでしてくれます。興奮したわたしは欲張ってあれもこれもとたくさん取ってしまいました(念のため、手前のトレーがわたしの分、奥のトレーは高木さんの分ですよ!⁠⁠。お腹いっぱいです。ごちそうさまでした!

それではさっそくですがお話しを聞かせてください。まずは、現在のお仕事について。

「GoogleのU.S.でソフトウェアエンジニアをやっています。Google Mapsチームで日本向けに検索のクオリティを向上する仕事をしています。せっかくこういう会社にいるので、検索について関わってみたいと思って今のチームで仕事をしています」

なぜシリコンバレーに行こうと思ったのですか?きっかけなど教えてください。

「大きく分けて2つあります。1つはソフトウェアエンジニアとしてシリコンバレーで働いてみたかったから。もう1つは、英語のスキルを磨きたかったからです」

なるほど。

実際にシリコンバレーで仕事を始めるまでの紆余曲折というか、どういう経緯でここに来ることになったんですか?

「今の会社に入る前に、外資系の企業何社かに応募してみたり、仕事での知り合いを通じて募集していないか聞いてみたりしたんですがなかなかうまくいかなくて、そんな中Googleの東京オフィスでエンジニアを募集しているということを知り、まあシリコンバレーに出張か何かで行く機会もあるかなあと思って応募したところ採用となり、まずはそちらに入りました」

今さらっとおっしゃいましたけど、けっこうすごいことのような気がしますが(笑)。ということは、高木さんは最初は日本のGoogleでお仕事されていたんですね。

今お話しの中で何社かに応募されたとありましたが、転職活動の仕方って日米で違いがあるんですか?

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「ずいぶん違いますよ。まずレジュメ、履歴書ですが、これは当然ですが英文で書かないといけなくて、その書き方も日本のいわゆる「履歴書」とは全然違うんです。アメリカの会社に応募するときにどういう風に書くものかってのをインターネットで調べました。読んでくれる人にアピールできるように時間をかけて工夫して書きました。

その後面接があるんですけど、基本的に仕事に関係すること、応募している職種に対してそれをちゃんとこなせるスキルがあるかってところを集中して見られるっていうのがわりと違うところかなと思いました。

ちなみに、レジュメが通ったところは実はなかったんですよ(笑⁠⁠」

えー!

「それからこれはGoogleの話ですが、日本のオフィスでは日本語での面接もありましたが、海外とのやりとりがあるため英語は必須。仕事を進めるうえで最低限の英語力があるかどうかというのは面接の時に試されました。

ただ、会社によっては研修などのサポートがあったりするので、まったく喋れないのはだめですけど、コミュニケーションが何とかとれれば面接はいけるんじゃないかなあと思ったりもしますね。

外資系の会社や海外の会社に応募するなら英文レジュメの書き方はもちろん、採用のプロセスも日本の会社と違う点がいろいろあるので下調べは入念にされたほうが良いと思います」

英語が苦手なわたしには想像もつかない世界です。日本語で履歴書書くのだってずいぶん時間がかかりますけど、それを英語で...。うーん(苦笑)

日本にいらしたときとこちらに来てからと、お仕事の内容に変化はありましたか?

「それがほとんど変化なしでした。私は東京オフィスでもMapsの仕事をしていたんですが、私のいるチームのメンバーは日本のオフィスの人もいればアメリカのオフィスの人もいるという感じなんです。なので東京オフィスからからマウンテンビューオフィスに移っても一緒に仕事する人たちは変わっていなくて、それに仕事内容も変わらなかったのでそういう意味では仕事面ではスムーズに移ることができました」

ということは、毎日通う場所が渋谷からマウンテンビューに変わった、という感じなんですね。

「そうですね。あ、普段の仕事ではメールが主で、ビデオカンファレンスなんかもするんですが、ニューヨークオフィスにいるメンバーとの時差が少なくなったのはちょっぴり楽になりました」

時差ってけっこう大きいですもんね。

では高木さんは東京オフィスの社員としてシリコンバレーに長期滞在してマウンテンビューオフィスでお仕事されているという形なんですか?

「いいえ。日本法人を辞めてU.S.法人の社員にトランスファー(転籍)しています。給料もドル建てだし、福利厚生もU.S.の社員と同じです。

Googleはわりと世界中にオフィスがあるんですけど、カルチャーとして多様性をすごく重視しているので、人がオフィスの間を行ったり来たりすることを基本的には推奨しています。

実際に移るのではなくても、どこかのオフィスで2、3年働いた人が、数ヵ月アンバサダー(大使)として新しくできたオフィスに行って、一緒に仕事しながらGoogleカルチャーを広めるというか、お互いいろんなことを仕事を通じて学び合うということをやっています。

トランスファーについても、私はシリコンバレーに行きたいと言うことをずっと言っていまして、先ほどお話ししたような多様性を大事にするカルチャーと、本人の希望を優先してくれるマネージメントのおかげで、基本的にはすんなりトランスファーが決まりました」

辞令が出て異動、というよりは、本人の強い希望で、という感じなんですね。こういう場合でも会社からのサポートはあったのですか?

「ありましたよ。主に住む場所と車です。仮の住まいは1ヵ月用意してくれていたので、その間に家を探しました。レンタカーは、当初は2週間の予定だったんですけど、いろんな手続きの関係で最初の2週間以内に自分の車を入手することができなかったんですね。それで会社に相談したところ、そういう理由ならOKということで1ヵ月に延長してもらいました。この話だけでなく、アメリカ社会ってちゃんと納得できる理由があるといろいろ融通が効くところがいいなと思いますね」

そういうところは確かにありますね。あとは日本みたいに事務処理が早ければいいんですけどね。それにしてもいい会社ですね~。

ズバリ、不安はありましたか?

「いっぱいありましたよ(笑)

単純に全然違う土地に移ると言うのもありますし、あとは以前会社に入ってすぐの時に3ヵ月研修でこちらに滞在したことがあったんですが、実際生活するとなると、いろんな手続き絡みのことがあって、この連載の前のほうでも触れていたSSNとか銀行とか車とか保険とか年金とかその他諸々やっていけるかなあというのがすごく不安だったんです。

でも、まあこっちにきたからにはやるしかないという感じで、辞書を引きつつ、あとはわからなかったらWebを検索するとこれまでに移ってきた人の苦労話なんかも見つかるので、そういったのも参考に、あとは会社の同僚に聞いたりとか、いろいろ手を尽くしてここまで乗り切ってきたという感じです。

わからないことはちゃんと聞くということと、あとは度胸ですかねえ。大変ですけど、相手も人間なので、ちゃんとわかってもらおうと努力をすればなんとかなるかなーと」

えーと、今お聞きした不安の中に言葉の問題が含まれてなかったんですけど、高木さんは英語では困らなかったですか?得意なんですか?

「得意ではないですよ。でもがんばっています(笑⁠⁠」

シリコンバレーで英語のスキルを磨きたいと最初におっしゃってましたが、英語力をアップするためにどんなことをされているか教えてもらえませんか(切実)。たぶん日本でこの記事をご覧になってる方も知りたいところではないかと。

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「英語力と言ってもいろいろあって、読む、書く、聞く、話すそれぞれ違うやり方があると思います。

まず読む方から言うと、普段WebでIT系のニュースを読むときは英語で読むようにしました。これは何年も前からやってましたね。興味のある分野なので知ってる単語が多いし、文脈も掴みやすいです。それでもやっぱりニュースなんかはある程度の分量があるものだと分からないない単語も出てくるので、その都度調べたりしています。

IT系の英語のニュースの良いところは、2、3日もすると翻訳されて日本にも入ってくるので、もしちゃんと理解できなくても日本語で読んで、ああ、こういうことだったのかというのがわかったりするので、そういう意味でもソフトウェアエンジニアの人なら手軽に始められるところかなと思います。

書くほうですが、東京のオフィスで仕事をしていたときも、メールでのやりとりは基本英語でした。英語のやりとりだと私が受け取るメールももちろん英語なので、その中でこういうときはこういう言い回しをするんだというのを実地で覚えていきました。ちょっとずつ覚えて自分でも使ってみたり、メールを書くのも最初は時間がかかるんですけどそのうち慣れてきて、こういうときにはこう言うっていうパターンをだんだん蓄積していくとだいぶ楽にメールは書けるようになってきます。これはもうある程度はそういう機会を作って練習しないと難しいかなという気もします。

聞くほう、話すほうは、幸い会社に入ってから1対1のレッスンを週に1回か2回、何時間かネイティブの人とやる機会があったんです。それで仕事が忙しいとサボっちゃいたい気持ちもでてきたりするんですが、そこをがんばって毎週続けるようにしました。ただそのころは日常的に英語を使っていたわけではないので効果はあったもののまだまだです。元がダメすぎってのもあるんですけど。

それと聞くほうですが、英語を勉強する人向けのPodcastがインターネット上でフリーで手に入るのでそういうのを欠かさず聞き続けるというのも良い練習になると思います。

英語を身に付ける一番の方法は、英語を使わざるを得ない状況に身を置くことだと思っていて、それもあってこっちに来たんですが、身につけるんだという強い意志も必要かなと思いますね」

やっぱり努力は必要ですね。わたしもがんばります。

話をちょっと戻しますが、行ってみたいと憧れたシリコンバレー、実際に移ってみてどうですか?

「もうじきこちらに来て1年になります。とくに最初の3ヵ月は生活の立ち上げで本当にあっという間でしたね。ようやっと半年経ってちょっと落ち着いてきたと思ったら、年を越して税金絡みのことで色々勉強しなくてはならなくなってしまって、いろいろ完全には気が休まらないんですけれども、だいぶ落ち着いてきました。やれば何とかなるもんだなって今は思います」

アメリカ版確定申告のシーズンですもんね。お察しします。

先ほど、お仕事面ではあまり変化はなかったというお話しでしたが、それ以外の面では変わったことってありますか?

「会社のランチで話していて、友達の会社がどこぞに買収されてうんぬんという会話がたまに出てきたりするんですね。ネガティブな話だと、会社をクビになったとか。Webのニュースで見かけるいろんなIT系の話題ってあると思うんですけど、日本にいたときは海の向うの出来事だったのに、実際に今ここで起こってるんだっていうことの肌感覚の違いは大きいと思います」

わたしはiPhoneの発売日に並んだ1人ですが、実際に並んだことでお祭りの熱気を感じて興奮したことを思い出しました。

会社をクビって話も、アメリカではある朝出社したら解雇を宣告されることがあって、荷物をまとめて帰宅するしかなかった、みたいなことを噂レベルで知ってはいますけど、実際にそういう話を聞くと本当だったのか!と急にリアリティが増しますよね。

普段の食事はどうされてますか?

「平日は会社のカフェで無料で食べられるので助かっています。朝昼晩と提供してもらえるので」

いいなあ!和食が恋しくなったりしますか?

「このエリアには日本人が多いので日本食のレストランや居酒屋的なお店もあるんです。なので、たまに行きますよ。それに日本の食品・食材を扱っているスーパーがあって、そこで手に入れることができるんですよね。家では日本にいたころとほとんど変わらない食事をしています。納豆も食べてますよ。あとラーメン屋さんも何軒かありますね」

ラーメン激戦区ですよね、ここは(笑)

「そうなんですよー。シリコンバレーのラーメン屋さんは人気で、食事時は行列になったりしてますよね。うちは奥さんがラーメン好きなので、わりと頻繁に並んでいます。

あとメキシコ料理が私にとっては新しい発見でした。この辺りはメキシコ系の人が多いので、メキシコ料理のレストランが多いです。私は日本ではほとんど食べたことがなかったんですが、けっこう日本人の口にも合うんじゃないかな」

お休みの日の過ごし方を教えてください。

「買い物に出かけたり、ドライブに出かけたりしてます。最近は、フォーが気に入っていて、週末はよくいろんなお店を開拓して楽しんでいます。フォー屋さん、多いんですよね」

では、最後にこれからシリコンバレーを目指す人へのアドバイスをお願いします。

「そうですね、まずは旅行で来てみるとか、知り合いがいるならそういう人を訪ねるとか、とにかく一度、ここに来てみることをお勧めします。実際にどんな場所でどんな人が住んでいるのかをご自分の目で見てみるのは刺激にもなりますよね。モチベーションアップというか。

ソフトウェアエンジニア的には、インテルミュージアムとか、アップル本社のストアとか、コンピュータヒストリーミュージアムなんてのもシリコンバレーにあるので、そういうのを回ってみるのも楽しいと思いますよ。

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アドバイスでもう一個は、日本語しかできない人がアクセスできる情報と、英語が普通に使える人がアクセスできる情報の範囲って全然違うんですよね。英語から日本語に翻訳されるまでの時差っていうのもありますし。だから、英語が使えるってことは、そういうすごい膨大な情報にアクセスできるっていうことで、そこのフィールドでやっていける素地を作るというのは重要だと思いますよ。日本のエンジニアも技術力はあるので、それに英語力ともう少し積極性があればじゅうぶんシリコンバレーでも通用すると思います。是非がんばってください」

今日はお時間をいただきありがとうございました。全然違う世界のお話しが聞けて勉強になりました。

それでは皆さん、良い1日を!

高木淳司さん情報

最初に使ったコンピュータNEC PC-8001mkII
それに関するエピソード小学生の頃に親父が買ってきたんですけど、私のほうがはまっちゃって、ベーマガに載っているゲームを入力して遊んでいました。
最初に使ったプログラミング言語BASIC
好きなor最近使っているプログラミング言語仕事ではC++とPythonがメイン
注目している技術仕事上、大量のデータを扱うことが多いのでデータマイニングやMachine learningを改めて勉強したいと思っています
情報源Bloglinesでニュースやブログをチェックしています(ニュースが100ぐらい、ブログが150ぐらい)
現在のメインマシン仕事ではLinux(Ubuntuベースの社内版⁠⁠、個人では何台かあるのですが、Windows Vista 64bit版をデスクトップで、Mac OS Xをノートで使っています
エディタEmacs
10年後の姿相変わらずソフトウェアエンジニアをやっていると思います

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