前回に引き続き、Windows Phone 7のメッセージングシステムを取り上げます。
テーマは変わりませんが、タイトルがわかりづらかったのを反省して、取り上げる内容に応じたタイトルに変更しました。
人が糸口のメール機能
前回に引き続き、Windows Phone 7で使うGmailを取り上げます。
前回は、少々足早でしたが、Google Mailアプリをご紹介したので、今回は、Windows Phone 7らしい部分をご紹介します。
Windows Phone 7のメール機能は、ソーシャル機能と同様に、多様化している手段を分け隔てなく取り扱うことができ、それを手段としてではなく、人に対する糸口として考えられています。メール機能やソーシャル機能など、コミュニケーションに関わる部分は、こうした考えが徹底されています。
Android 4.0からは、似た考えが取り入れられ、活動が確認できるようになりました。しかし、確認ができるだけで、コメントする等の次のアクションができません。これでは、コミュケーションの手段として使うことができず、Windows Phone 7のそれを知っていると、何の為なのか機能なのか理解に苦しみます。余談にはなりますが、Googleが後追いをすると、そつなくまとめて来るので、いま不満に感じている部分も、ごくごく短い間に解決してくるかもしれません。
あの人とのやりとりを確認する
電話帳に登録された個人に、メールアドレスを登録することがあるはずです。
多くは記録のためだけで、電話帳から人を探し出して、登録したメールアドレスの先に、メールを送信するといったことは滅多になく、登録後はほとんど活用されない情報になっているはずです。
Windows Phone 7の電話帳「People」にも個人情報として、メールアドレスを登録できますが、記録だけでは終わるのではなく、つながりを持つ為の糸口として活用されます。
例えば、ある人とのやりとりを振り返りたいと思う場面があるとします。
従来であれば、メールアプリを起動して、名前やメールアドレスをキーワードにして、検索して、検索結果一覧から必要なメールをピックアップして、やりとりを振り返る使い方でした。Windows Phone 7では、Peopleから目的の人を見つけ出して、履歴画面を表示するだけで、検索のちょっとしたテクニックを駆使する必要もありません。従来の方法を永年使い続けたので、それが当たり前のように感じていましたが、Windows Phone 7のほうが、コンピュータに合わせた使い方ではなく、思考に沿っており、ごく自然です。Peopleで履歴が確認できるのは、驚くべきことではないかもしれません。しかし、他のシステムでは、人を糸口して過去を振り返ったり、コミュニケーションを行う使い方が提案されて来ませんでした。Windows Phone 7では、解決策とあるべき姿を随所に提案・提示しており、この履歴に関してもそれが言えます。
ただし、すべて筋が通っているワケではありません。
筆者が確認した範囲では、「Eメール」アプリで管理されている「ezweb.ne.jp」のアドレスは、ご紹介したような使い方はできません。キャリアメールが対応していれば、その良さを知らしめる良いキッカケとなるはずなのに、残念でなりません。最近のauの動きを見ている限りは、望みは薄いのかもしれませんが、世界に先駆けて端末を発売時の気概をもう一度見せて欲しいものです。
懐の深い作り
ソーシャル機能をご紹介したときも、サービス中心ではなく、人を中心にして設計されていることをご説明しました。メール機能も同様です。Windows Phone 7の場合、Peopleにアドレスを登録するということは、記録をする為ではなく、その人とのつながりを作るといったイメージです。従来のシステムでは、点だった情報につながりを持たせて管理しているところが、他にはない特徴でWindows Phone 7らしい部分と言えます。
ただ、実際は、コミュニケーションの手段としてメールを使う機会が減っており、メールニュースやサービスの状況通知を受信しているだけと言う方も多いはずです。こうした場合は、前回ご紹介したGoogle Mailアプリだけで対応でき、これまで説明してきたような、聞き慣れない概念は無視して使うことができます。一見すると、特徴的な部分や仕組みを理解するまで、少しばかりの学習時間が必要ですが、ポイントを押さえた、懐の深い作りなっており、様々な使い方にも対応していることがご理解頂けるはずです。
次回も続きます
次回もWindows Phone 7のメッセージングシステムに関して取り上げます。