新生活で導入するモバイルマシン
こんにちは、池端です。
新社会人や進学など新しい春を迎える人が多いこれからの季節、各通信キャリアもいろいろな新サービス、キャンペーンを打ち出し、携帯端末メーカーも新機種を発売してくるでしょう。
今回はそんな新しい生活を送るにあたって筆者が最適と考える、モバイルマシン(スマホ、タブレット)を紹介していきたいと思います。
ただし普通に紹介しても面白くないと思いますので、グローバル端末を含め、国内国外の端末からピックアップしたいと思います。
新社会人におすすめ。Officeの編集もOK! ノマドも快適『ThinkPad 10』
ThinkPad 10(レノボ)
ThinkPad 10は、レノボ社から昨年発売された10.1型のWindows8.1搭載のタブレットで、ThinkPadシリーズらしくボディカラーもマットブラックです。
重さは590グラム程度と同サイズの一般的なタブレットと同レベルの重量になっています。
搭載されているOSがWindows8.1なのでビジネスシーンには欠かせないOffice系ソフトも動き、搭載されているCPUもAtom Z3795となりIntel社のタブレット用CPUとしては最高クラスのスペックです。
画像をたくさん使ったパワーポイントのプレゼン資料の作成なども快適に行えます。タブレットの機動性を活かして移動中の電車の中で作成などノマドスタイルには持ってこいの端末です。
このThinkPad10ですが、通常では購入できないモデルがあります。
それが「販売代理店モデル」というものです。
このLTE内蔵モデルは法人契約のみ対応のため、会社名義などでの購入が必要ですが、ソフトバンクとドコモから発売されています。
それぞれLTEに対応しており、SIMカードを挿入すれば単体でモバイル通信が可能になります。別途モバイルルーターなどを用意しなくてもメールの送受信やウェブブラウジングなどのネット利用が可能なため、軽快なフットワークで利用することができます。
パソコンは不要?これ一台で何でもできるモバイルマシン『Surface Pro 3』
Surface Pro 3(マイクロソフト)
オールマイティーなモバイルマシンを求める人にとっては、マイクロソフトから発売されているタブレット型PCのSurfacePro3が1番ではないでしょうか。
まず搭載されているOSがWindows8.1であり、基本的にすべてのWindowsソフトウェアが動作可能です。また、エミュレータを使えばAndroid OSなどスマートフォン用のOSも動作させることができます。
そもそもこのSurFacePro3はタブレットの形状ですが、ハイスペックモデルではCPUにIntel Corei7が搭載されており、ラップトップやタワー型PCに引けを取らないマシンパワーを備えています。
長文を打つ際は専用キーボードやBluetoothキーボードを繋げて使用したり、タブレットスタイルでくつろぎながらソファーで動画を見たりといろいろなシーンにて使うこともできます。
すべてを1台で済ませたい。そんな方にはおすすめの1台です。
あえてデメリットを挙げるとすれば、タブレットというよりもノートパソコンに近いため、重量はノートパソコンに近いことです。アウトドアというよりも出先のデスクで操作するような環境に向いています。
何よりも軽さ、持っているのを忘れてしまう軽量端末『Xperia X10 mini』
Xperia X10 mini(ソニー・エリクソン、国内未発売)
Xperia X10 miniは画像を見てわかるとおり、とても小さいスマートフォンです。
発売は2010年と約4年前に発売された端末ながらも、軽量端末といえば筆者はこれしか思い浮かびませんでした。
液晶サイズに比例して端末の重量も増えるため、「◯インチ搭載端末では世界最軽量」という宣伝文句は多々存在しますが、スマートフォンとして普通に使えて、持っていることを忘れるほど小さく軽い端末はスマホではこれしかないでしょう。
4年前の端末なのでAndroid OSバージョンは低く、ハードウェアスペックも現状のものとは比べられないほど低い端末です。しかしメールとLINE、通話だけに割り切れば、動作も問題無くとても便利な端末かと思います。
今となっては低スペックというデメリットもありますが、何よりこの小ささのインパクトは目を引くので、所持している時の満足感はとても高いです。女性にもとてもおすすめの端末です。
通学最中の電車で一休み、スマホゲームならこの端末『iPhone 6』
iPhone 6(アップル)
ほとんどの方が知っており、特に日本人はかなりの割合で所持していることが多いiPhoneはゲームで遊ぶマシンとしてもおすすめの1台です。
まずコンテンツが豊富です。国内でリリースされるメジャーなゲームタイトルはほぼすべてiPhone対応アプリとなっています。
iPhoneを使っていれば、非対応で遊ぶことができないということはまず無いといっていいでしょう。
ハードウェアやOSについてiPhoneがAndroidと大きく違うのは、iPhoneに搭載されたiOSは汎用OSではなく、アップルのiPadシリーズやiPhoneシリーズなどのアップル製端末の専用OSであることです。また、端末自体もiOS専用端末であることが大きいです。
このアップル専用OSとアップル専用端末という組み合わせの効果は絶大です。iPhone6よりもハイスペックなはずのAndroid端末では、動作がカクカクするようなゲームがかなりありますし、画面タッチをして操作が遅延する場合もあります。
しかし、iPhoneでは同じタイトルのゲームでもサクサク動作してくれます。このようなユーザが実感できるような差が生まれる理由は、そもそもOSと端末が最適化されているiPhoneに対して、ゲーム開発会社も最適な動作処理を行うようにゲームを開発しているからです。
ゲームからは離れますが、iPhoneは端末の種類が非常に限られていて、また販売サイクルが約1年ということもあってサードパーティにとってはアクセサリー類が作りやすく実際豊富に販売されています。
電車内で右を見ても左を見てもiPhoneということが多々ありますが、好みのケースを装着することにより、外見にも個性も持たせることもできます。そのような気軽な差別化もできるところからオシャレなOLさんや学生さんにもおすすめの1台といえるでしょう。
新しい情報をいつでもチェック、そのまま執筆、ヘビーブロガーにおすすめのスマートフォン『BlackBerry PassPort』
BlackBerry PassPort(ブラックベリー、国内未発売)
日本では2013年に新端末の発売を中止し事実上新規展開から撤退したブラックベリー社(旧リサーチ・イン・モーション社)。ブラックベリーの新しい端末を手に入れるには海外から入手するしかないのが現状です。
<執筆者注:ドコモでは新規端末の購入は事実上終了していますが、端末の持ち込み契約は可能でサービス自体は継続されています。詳しくはドコモにお問い合わせください>
以前のブラックベリーはインターネットを利用するために専用のインフラ(ブラックベリーエンタープライズサーバやブラックベリーインターネットサービス等)を用意しなければなりませんでしたが、新しいBlackBerry10からは専用インフラが不要で一般的なSIMフリーモデルと同様のネットワークの使い方が可能になりました。
この特殊なBlackBerryをなぜおすすめするかというと、評判の高いハードウェアキーボードが搭載されているからです。
BlackBerryの小さなキーボードはとても打鍵がしやすく, またこのキーボードはトラックパッドを兼ねており、カーソルの移動やWEBページのスクロールなどに使うことが可能です。
ブラックベリーのキーボードがとても扱いやすい理由は、一般的なスマートフォンとの生い立ちとは根本的に異なっているからです。
たとえるならポケベル(若い読者は知らない人も多いかもしれませんね)のようなメッセージングデバイスにキーボードを搭載して、さらに携帯電話機能を搭載させて進化させたような、テキスト入力をベースに進化させたマシンです。したがって、文字入力に関してはその成り立ちからもそうですが、特に力を入れて開発されてきた技術が盛り込まれています。
このとても打ちやすいキーボードが搭載されたBlackBerryですが、最新モデルからは簡単な方法でAndroidのアプリケーションが動くようになりました。
デフォルトでも閲覧や編集が可能ですが、多数出ているAndroidアプリという資産も活用ができるようになったので、あらゆるファイルやビジネス用途のアプリケーションを使うことが可能になりました。
またバッテリー駆動時間も長く、常に外を動き回る営業マンにもおすすめの端末です。
筆者注目のモバイルマシン『Windows 10スマートフォン』
Windows 10スマートフォン(マイクロソフト)
筆者の個人的なお気に入り端末はWindows Phoneです。
モダンUI(旧メトロUI)とマテリアルデザインの先駆者で、必要なものを少ない手順で表示させることができ、その考えられたユーザビリティが相まって、SNSやメールやブラウジングなどがとてもスムーズにストレス無く動くところに好感を持っています。
これまでもさまざまな媒体でWindows Phoneを取り上げてきましたが、Windowsの最新バージョンであるWindows10が最近発表され、筆者の中では興味が尽きません。
原稿執筆時点では具体的な端末やOSの詳細がまだ発表されている訳ではありませんが、これまでのWindows Phone OSとは異なりパソコン用Windows10 OSと同じユニバーサルアプリが動作可能になります。これまではアプリを開発したいけど端末が売れていないので開発できないということや、端末は発売したけどアプリが無いから買いづらいなどという、もどかしい状況が改善されて新しい勢力として国内でも一気に広がる可能性が出てきました。
先日、スペインで開催されたMWCでは、Windows10ではなくWindows Phoneでありますが、国内メーカーのfreetel(プラスワン・マーケティング株式会社)やマウスコンピューターより端末の発売が発表されました。このような国内販売の敷居が下がった状況もあって、今後、通信キャリア以外のさまざまな企業から販売されることが想定されます。
端末のシェアが上がれば必然的にサービスが増え、端末が増え、利用しやすい環境が揃っていきます。この素晴らしい操作感をいつか皆さんにぜひとも体験してもらいたい端末です。
おわりに
全7回に渡りスマートフォン、モバイル業界についてお知らせしてきたこのコラムも今回をもって終了となります。
これからオリンピックに向けて電波法の改正などもされ、いままで以上に海外のモバイル機器が日本へ入ってくるでしょう。その中で国内のメーカー、または通信キャリアからどのような機種やサービスが出てくるのかが楽しみでしかたありません。
筆者の職業柄、常に最新端末やこれから出てくる新サービスなどに触れる機械が多いので、今後もどっぷりとこのモバイル業界と共に過ごしてまいりたいと思います。
最後に、電子書籍やこのコラムを執筆するにあたってご協力頂きました技術評論社のS様と最後までお読み頂きました皆様にお礼を申し上げます。