第2回の今回は、最近のトピックを中心に、賑やかになってきたG1およびG1周辺動向について紹介します。
最近の話題
Android弐号機
Android周辺は、G1が登場した後、静かでしたが最近賑やかになってきました。
まずは、Android弐号機の登場です。
弐号機を発売するのは、オーストラリアのメーカ「KOGAN」で、GPSとWi-Fi、200万画素のカメラが搭載されたがKOGAN AGORA PROが399豪州ドル、これらを省いたKOGAN AGORAが299豪州ドルです。端末は、ストレート型でSoftBankのX02HTのようなQWERTY配列のキーボードを備えています。画面サイズは、320×240とG1の320×480と比較すると小さいので、Webブラウズの用途には不利ですが、スライド操作無しで使えるキーボードは、メールやチャット端末として強力な武器になるはずです。
SIMロックフリー「Android Dev Phone 1」発表
2つ目は、GoogleからAndroidアプリ開発用として、SIMロックが解除された「Android Dev Phone 1」が、399USドルにて、日本を含む18地域で発売予定と発表されました。近年、デベロッパーに対して優遇措置を取る会社が少なくなったので歓迎すべきニュースですし、ホビープログラマーにとっては、腕試しをする良いチャンスではないでしょうか。
日本語入力環境
最後は、日本語入力環境です。
Android OSは、日本語表示は可能ですが、現行バージョンは、英語圏向けで日本語入力の枠組みがなくIMEも提供されていません。しかし、有志の手により日本語入力アプリが開発されており、すでにsimejiとJSandBoxが公開されています。いずれもG1側にエンジンを持たないWeb APIを利用したアプリです。OS側に枠組みがないので、IMEのような感覚では使えませんが、ユーザーの手で日本語環境が充実して行く流れには期待できます。
JSandBoxで日本語入力している様子。ソフトキーボードも備えている。
Google端末としてのデキはいかに?
G1に興味をお持ちの方は電話機として、ネット端末として、またはゲーム端末として、気になる切り口がたくさんあると思いますが、今回は、最もAndroidケータイらしい部分、Googleのサービスとの連携をご紹介します。
G1のホームスクリーン。好きなアイコンを置くこともできる。
連携するGoogleサービスは、GMail、Googleカレンダー、連絡先で、G1では、Gmail, Calendar, Contactsとして専用アプリが用意され、同期機能がデータの鮮度を保ってくれます。同期したデータは、G1にもコピーされ、ネット環境から遠のいたときでも使えるよう配慮もされています。
同期の設定は、各サービスごとにする・しない、自動で同期する・しないの設定が行えます。G1は、他のスマートフォンには無い、Googleアカウントを設定する初期導入ステップが設けられています。このステップで、アカウントを設定すると、先のアプリごとにアカウント設定する必要がなく、すぐに使い始めることができます。
Googleのサービスと連携するアプリたち
Gmail
Gmailの画面。ラベルやスター、添付アイコンも表示されている。
前置きが長くなりましたが、まずは、Gmailからご紹介します。ポケットの中にGMailを入れておけると思えば、満足のいく仕上がりです。
本家にもある、スターを付ける機能なども備えていますし、スマートフォンのアプリらしく、新着メールがあると音とバイブレーションで通知するなど、そつなくまとめられています。G1の場合、タッチで操作するため、メールの一覧画面は項目が大きく、一度に表示できる量は少なくなっていますが、フリック操作で高速スクロールし、ラベルで表示内容を絞れるのでストレスは感じません。
Google Calendar
G1のCalendar。月画面では、予定のある時間に帯が表示される。
Calendarは、Windows Mobileの予定表にも似た造りです。
Google Calendarに、いくつもカレンダーがある場合は、その中から指定したカレンダーだけ同期できるので、仕事とプライベートのカレンダーだけを持ち歩く使い方も可能です。Calendarも必要十分な仕上がりになっていますが、週、月画面では、予定のある時間には、帯だけが表示されるだけで、予定の内容までを表示してくれません。いずれ、サードベンダからカレンダーアプリが登場するかと思うので、この不満はなくなるはずです。
連絡先(Contacts)
連絡先は、GMailの一部のようなサービスですが、G1ではContactsとして独立したアプリになっています。ケータイの電話帳のような仕上がりで、発信履歴の表示や良く使う項目として連絡先を表示することも可能です。Contactsの同期は、よく造りこまれており、相手が設定しているアイコンも同期されるので、連絡先を活用しているユーザは、すぐに使える連絡帳を手にできます。
Contacts画面。ケータイの電話帳アプリのような作り。
スムーズな導入が際立つ
Googleのサービスと連携するアプリたちは、特徴的な機能こそないものの、いずれも不満のない仕上がりで、各サービスのデータも上手く同期します。
姿形が無骨なG1を、筆者が『使える』と感じたのは、紹介した各アプリの機能ではなく、本体の電源を入れてから大きな負担を強いられることなく、いつもの環境を手中に収め使いはじめることができたところで、ストレスフリーでG1と付き合い始めることができました。こうして文書にすると、取るに足らないことのようですが、新しいケータイを手にすると、毎回、データ移行や初期設定に数時間割いていることを思えば革命的です。
次回は、今回ご紹介した以外のソフトや日本語環境をご紹介します。