そろそろ来年の話が話題になりそうなころになりましたが、Googleケータイは、この秋、大豊作となりました。豊作と言っても、発売済みの端末から、これから発売になる端末までさまざまですが、来年の桜の咲く季節までには、多くの選択肢を目の前に頭を悩ませそうな予感です。
では、秋の新作(笑)を、いくつかピックアップして行きます。
iPhoneの好敵手となるか「DROID」
まずは、鳴り物入りで登場したモトローラの「DROID」です。
iPhoneとの比較広告で話題になったためか、注目度は高く、発売日には深夜販売が行われ、行列ができたと言われています。その端末は、発売から1週間で25万台販売したとされています。同時に発売された「DROID ERIS」も好調で、こちらも発売から1週間で10万台売れたとされています。ライバルのiPhone 3GSは、発売後3日間で100万台以上販売したとされていますが、Androidの知名度を考慮すれば、十分なくらい検討している数字です。
DROIDは、Androidのリファレンス機であるG1を今風にアレンジしたような端末で、550MHzのCPU、Android OS 2.0、スライド式のQWERTYキーボード、解像度854×480の3.7インチタッチスクリーン、フラッシュ付き500万画素カメラ、GPS機能を搭載しています。
独自のUIが魅力の「XPERIA X10」
個人的には、一番の注目株、ソニー・エリクソンの「XPERIA X10」です。
XPERIA X10は、1GHzのCPU、解像度854×480の4インチタッチスクリーン、オートフォーカス付き810万画素カメラ、GPS機能を搭載しています。強力なハードも魅力ですが、注目は、3Dアニメが多用されたGUI「UXプラットフォーム」です。
Android OSのUIデザインは、最近の潮流でもあるシャープで高品位な印象を受けるデザインではなく、柔らかくポップな印象を受けるデザインです。Pocket PCやPalm OSが活躍していた90年代であれば、定番のスタイルかもしれませんが、今時感は無く少し古くさく感じます。それを、ソニー・エリクソンがスタイリストとなり、いま風にコーディネートしています。
実機のデモビデオを観ると、もっさりを通し超して、ギクシャクとでも表現するのが良いのか、とても実用には到底耐えない動きをしています。最近公開されたビデオでは、少し改善されているようですが、それでも、まだ速いと感じられる仕上がりでありません。ビデオ撮影に使われたハードは、プリプロダクションモデルで、体感速度を上げる最適化作業が進んでいないのだと思われます。ハードはDROIDよりも強力なので、最適化処理が進めば、キュンキュンと動作するXPERIA X10が見られるはずです。
そのXPERIA X10、NTTドコモが発売検討しており、2010年の泳げるころまでには、我々の掌に収まることになりそうです。ちょうど、iPhone 3Gの2年縛りが切れるタイミングです。何かが起こりそうな予感がします。
国内の動向は…
NTTドコモとソフトバンクは、新製品発表会の場で、Android端末を発売すると発表しています。
NTTドコモは、先でも触れたとおり、ソニー・エリクソンのXPERIA X10の発売を検討中です。ソフトバンクでは、孫社長が新製品発表会の場で「やるならば、No.1の端末を発売する」と言って、1GHzのCPU、3.7インチの有機LED搭載など、端末の概略を紹介しています。共に、発売は先ですが、独り奮闘しているHT-03Aに、強力な援軍が加わるのは嬉しい話です。
日本のメーカーも動き出しています。
1つはシャープです。古くはザウルス、最近では超小型のネット端末「NetWalker」を発売しており、携帯情報端末の開発に長けたメーカーです。シャープは、Android OSをFeliCaや携帯キャリア独自のサービスに対応させるカスタマイズを行い、2010年の前半に投入するとしているので登場が楽しみです。もうひとつは、NECです。いまも語りぐさになるシグマリオンシリーズを開発したメーカーです。開発中の端末も、7~8インチのタッチパネルを採用したネット端末のようなので、シグマリオンの再来となる可能性があります。こちらも登場が楽しみです。
日本からの提案できるか…
日本では、テレビやデジカメだけでは足らず、財布までをケータイに詰め込み、必要以上の付加価値を得ているのでは?と感じる端末が販売されています。個々に切り取れば、便利だったり、楽しめるので、Androidも同じアプローチで、多くの付加価値を詰め込んだ端末が登場してくることは考えられます。
ただ、こうした端末が大勢力となっても、直ぐに台湾や中国の後発メーカーに追いつかれて、優位性がなくなるはずです。iPhoneの登場で、スマートフォンのイメージが変わった言われますが、それは、使い側が付加価値を必要以上と感じる端末ではなく、苦になく使うことが出来る端末を求めた結果だと考えることもできるので、ハードだけではなく、サービスやソフトを絡めて均整の取れた端末が必要なはずです。
我々は、ケータイでさまざまなサービスを試みて、それを体験して、上手く活用して来ました。スマートフォン向けのサービスは、App Storeが決定版でなく、まだこれからのはずです。我々の経験を上手く活かして「日本から提案できる」端末が2010年に登場してくれるを期待しています。