注目ハードが続々登場!Mobile World Congress 2010
スペインのバルセロナで開催された世界最大規模のモバイル関連展示会「Mobile World Congress 2010」で、Androidデバイスの新顔が多く発表されました。
ここで、新しいデバイスを発表したメーカー名だけを上げても、LG、モトローラ、ソニー・エリクソン、Acer、Huaweiと数多く存在し、Android端末が大増殖と言った様相です。中でもソニー・エリクソンは、Xperia X10の小型版、Xperia X10 miniとXperia X10 mini proをラインナップに追加しました。Xperia X10が発売されていない状況で、シリーズ端末を発表するのは勇み足にも思えますが、自らのスタイルを強要せず、ユーザに選択肢を提示する姿勢は好印象です。
発表された多くがタッチ操作の端末です。キーボードが搭載できるのもAndroidの魅力なので、これだけの数になれば、もう少し増えても良いのでは?と考えてしまいます。
auからAndroid端末が登場!
先で紹介したメーカー以外では、KDDI(au)がスマートフォンのリリースを発表しています。auは、2009年4月に、法人向けスマートフォン「E30HT」を発売して以来、スマートフォンがラインナップに登場していませんでしたが、ようやくNTTドコモ、au、ソフトバンクと三役揃い踏みとなりました。
リリース時期は、6月以降と少し先です。
KDDI(au)は、「単純なスマートフォンではなく、日本のユーザが喜んで使う端末を」とスローガンを掲げて、開発して来た成果を世に問うことになります。投入される端末は、スローガン通りユーザが使い慣れたLISMOやEZウェブメールに対応しているとされているので、1台目のケータイとして使える端末が投入されるのは間違いありません。また、料金の回収をKDDIが代行することでユーザが気軽にアプリを購入できる仕組みや、コンテンツプロバイダ向けのセキュリティチェック機能を、8月以降に導入する予定としているので、既存のサービスがAndroidにどう融合されているのか、スローガン通り喜んで使える端末なのか?その仕上がり度合いも楽しみです。
Adobe AIRに注目
「Mobile World Congress 2010」で筆者注目したニュースは、モバイル向けのAdobe AIRの発表です。
Adobe AIRをご存じの方も多いと思いますが、FlashやWebテクノロジを使用するスタンドアロンアプリケーションの基盤となるランタイムで、これを使った代表的なアプリケーションとして、Twitter用クライアントの「TweetDeck」があります。
βリリースなどは無かったものの、動作する様子は、Adobeのサイトで公開されているデモムービーで確認できます。ムービーを観ると、AIRアプリの起動は、通常のアプリと同様、ホーム画面のアイコンをタッチします。起動に時間がかかっている様子もなく、物によっては、AIRアプリだと気づかないかもしれません。デモで観れるのは、Twitterアプリの「Tweetcards」、South Park風アバターの作成アプリ、画面共有やビデオ会議アプリの「Adobe Acrobat Connect Pro」です。いづれも、もっさりした感じはなく、操作には機敏に反応して動作しているように見えます。
筆者がデモで気になったのは、ユーザインターフェースがデスクトップのAIRに近い物が使われていることです。モバイルOSのユーザインターフェースは、利用方法やその範囲に合わせて最適化されているので、デスクトップと同じユーザインターフェースでは、アプリが使いづらくなります。かと言って、モバイル用にユーザインターフェースを作り直しているのでは、AIRの魅力が軽減します。
このように、デスクトップのAIRアプリをモバイルでもと考えるのは、難しいかもしれませんが、さまざまなモバイルデバイスで、同じAIRアプリが動作すると考えれば、画期的で魅力的な開発環境と見ることもできます。たとえば、Android OSとWindows Mobileで同じAIRアプリが動作するような感じです。
期待大のAdobe AIR
モバイル向けAdobe AIRは、マルチタッチ、ジェスチャー入力、加速度計、画面位置調整など、モバイルOSやモバイル機器に搭載されている特定の機能が採用され、2010年前半、Android版からリリースが始まるとしています。
また、アドビ システムズ社が推進役を務め、約70社が参加している。Open Screen Project(OSP)を通して開発されることになっているので、多くのモバイルデバイスで利用できる環境が整うはずです。(唯一、iPhone OSだけが例外になるかもしれませんが…)
まだ詳細情報が少なく、試せる開発環境も存在しませんが、仕上がりによっては、モバイル向けのアプリを開発するベンダーやサンデープログラマーにとっては、注目の環境となるはずです。