今回は、iPad登場により白熱してきたタブレット市場にフォーカスを当て、Androidタブレットの動向を紹介します。
始まったタブレット市場
iPadが5月10日に予約を開始しました。
熱心なユーザは、3G版のiPadを予約するためにソフトバンクショップに並ぶほどで、IT関連以外のメディアでも多く取り上げられ話題になりました。また、4月30日時点で、端末出荷台数が100万台に達しており、タブレッド型端末の中では桁違いの数を誇ります。
筆者は、古くからあったタブレットを、Appleが今の時代に合わせて再定義した物がiPadだと考えていますが、この状況は、ややもすれば、タブレット=iPadとなりそうな勢いです。
Androidもタブレッド型端末がリリースされていますが、iPadほど話題にならず、市場に受け入れられたとも言えません。ただ、利用スタイルをiPadが定着させつつあり、ならば、もう一度と考えたのか、後に続けとばかりにAndroid OSを使ったタブレット型端末「Androidタブレット」が登場することになっているので、気になる端末をリストアップしてみます。
デル Streak
CES 2010のプレスイベントで発表された、デルのAndroidタブレットです。
この端末は「Mini 5」と呼ばれるようで、対角5インチ800×480の静電容量式のタッチスクリーンを備え、CPUにSnapdragon、Wi-Fi、Bluetooth、microSDスロットが搭載され、OSはAndroid 2.0以降が搭載されるとされています。
リークされた情報では、発売が6月以降とされ、7インチ、10インチの画面サイズのバリエーションが存在するとなっています。10インチ版は、リビングでWebブラウズの用途にぴったりなので、ユーザにはわかりやい端末になる可能性があります。
5インチバージョンは、XperiaやNexus Oneなど、現状のAndroidスマートフォンを一回り大きくしたような端末です。スマートフォンとの差別化が難しい端末ですが、PDAのような電話機能がないコンパクトな端末が欲しいユーザは、最適の端末となるはずです。
ARCHOS 7 home tablet
ARCHOS 7 home tabletは、フランスのコンピュータメーカArchosのAndroidタブレットです。
スペックは、対角7インチ 800×480のタッチスクリーン、Wi-Fi搭載、350グラムで厚さ12ミリと軽量薄型の端末です。バッテリ持続時間は、1回の充電で、ビデオ再生なら7時間、音楽再生なら44時間可能。価格は、$200を下回ると発表されています。
同社のCEOは「スマートフォンでは物足りないけど、PCよりも気軽に使いたいユーザ向け」としているので、iPadと狙うユーザ層は同じようです。
ARCHOS 7が他よりも期待できる点は、ARCHOSがアプリダウンロードサービスの「AppsLib」を運用しているところです。AppsLibには、Android OSを搭載したARCHOS 5で動作確認が行われたアプリが掲載しており、専用アプリでダウンロードできます。Androidタブレットの場合、多くのアプリがそのまま動作すると思われますが、中には画面解像度に上手く対応できない等、中には対応までの助走期間が必要なアプリが出てくるはずなので、ここでARCHOS 5の資産が活かせる可能性のあるARCHOS 7は、他よりも頭ひとつ抜け、ユーザに高い満足度を提供できる可能性があります。
EKEN M001
EKEN M001は、中国、深センのEKENというメーカのAndroidタブレットです。
スペックは、対角7インチ800×480のタッチスクリーン、CPUは、VIAのMW8505 600MHz、Wi-Fi搭載、2GBのストレージ、SDカードスロットを備えています。OSは、Android 1.6が採用されています。この端末は、先のARCHOS 7よりも安価で、$100強で購入できるとしています。
M001のCPUは、MW8505と聞き慣れませんが、ARM9/ARM11ベースのSoCで、プログラマブルのDSPやH.264のビデオデコーダーなどが搭載されています。M001のCPUが、ARM11ベースならば、パフォーマンスはHT-03Aと大差ないと推測できます。バッテリー持続時間に関する情報はありませんが、安価にするためにバッテリ容量が少なく、他の端末と比較して半分だったとしても「安いから」と諦められる価格設定です。筆者は、高機能なフォトスタンドして購入するのも悪くないと考えています。
ハード、ソフト、サービスの三位一体で製品となる
iPadに期待しているユーザの話を聞くと、リビングに置き家族用のWebブラウズ端末として使いたい、顧客と画面を覗きあいながら見積を作りたい、などが聞かれます。
パソコンでもできることなんですが、少し汎用性を犠牲にし、複雑さを排除した端末だと、どんな場所で、どう使っているのか想像し易いのかもしれません。これには、AppStoreから好みのアプリをダウンロードできるサービスがあることも忘れてはいけません。
始まったばかりのタブレット端末ですが、現状では複雑さを排除したハードだけではなく、同じ考えで開発されたソフト、そして、ユーザの利便性を向上させるサービスの3つが包括的に開発されることで、1つの製品を形作っていると言っても間違いありません。
Androidタブレットでは、ここまで包括的に開発されている端末は存在していませんが、GoogleがVerizonと開発しているタブレットでは、違う動きが出てくる可能性があるので楽しみです。