Googleケータイ、世に現る

第38回AndroidでPogoplugを使う

Pogoplugとは?

今回は、手持ちのUSBハードディスクをクラウド化できる「Pogoplug」とAndroidの組み合わせをご紹介します。

Pogoplugをご存知ではない方のために説明すると、Cloud Engines社が開発した製品で、本体に接続されたUSBストレージを、LANだけではなく、WANからもアクセス可能にしてくれるデバイスです。こうしたデバイスは、WANからアクセスする場合、ネットワークの設定変更が必要になるケースがありますが、Pogoplugは変更不要なうえ、セットアップが驚くほど簡単で、箱を開けてから10分もあれば、使い始めることができます。

Pogoplugは、ブラウザ経由か専用アプリをインストールして使います。専用アプリは、デスクトップ用がWindows、Mac OS X、Linux、モバイル用がiPhone、Android、Blackberry、webOSに対応しています。

購入の動機

Pogoplugの購入前は、Dropboxを愛用しており、使い始めBasicの2GBで十分と感じていた容量は、資料や画像、プログラムのソースコード等を保存していくと、空き容量が不足気味になっていました。また、バックアップ用として、自宅にPCサーバのNASを運用しているのですが、電源を常時入れているとファンの音が五月蠅く、どうにかしたいと考えていました。

Dropboxは、Pro 50へアップグレードすることで、容量不足を解消できますが、$120/年の費用負担をするのであれば、Pogoplugを購入し、NASのストレージを流用し、うるさいサーバを廃止、これでDropboxの代替えになるだろうと考え購入したわけです。

PCでの使用感

Androidでの使用感をお伝えする前に、PCでの使用感をお伝えします。筆者は、Mac OS XでPogoplugを使っていますが、専用ソフトのおかげで、それに接続されるUSBストレージは、リムーバブルドライブのようにマウントされます。

画面1 リムーバブルディスクのような感覚でPogoplugにはアクセスできる。
リムーバブルディスクのような感覚でPogoplugにはアクセスできる。

Pogoplugと同じネットワーク内ならば、速度に関してストレスを感じことはなく、NASのような感覚で使えます。TimeMachineのバックアップディスクとしては使えませんが、Cloud Engines社のサポートフォーラムを見ると対応を検討しているようなので、いずれ使えるようになるのかもしれません。 Pogoplugへは、ブラウザ経由でもアクセスできます。

画面2 βではあるが、Webインターフェースは、日本語の表示にも対応する。
βではあるが、Webインターフェースは、日本語の表示にも対応する。

ブラウザインターフェースは、使い方は説明の必要がないほどです。これには、ファイルビューワが内蔵されており、PDFやMicrosoft Officeファイル、テキストファイル、画像などを確認できます。このビューワ、日本語環境では、少々難があるようで、PDFやOffice系のファイルは、作りによってレイアウトが正しく再現されなったり、日本語が表示されないことがあります。テキストファイルは、表示フォントが英語フォントに設定されており、日本語が表示できません。画像ファイルは、不具合もなく表示できます。

画面3 内蔵のビューワでテキストを表示したところ。残念ながら文字化けしてしまう。
内蔵のビューワでテキストを表示したところ。残念ながら文字化けしてしまう。

PDFやOffice系の表示不具合は修正に時間がかかりそうですが、テキスト表示は、簡単な修正で対応できそうなので、早々の改善を望みます。

Androidでの使用感

Androidは、専用のクライアントソフトをインストールします。

Android Marketで「pogoplug」をキーワードに検索を行い、いつもの手順でインストールします。設定は、Pogoplug登録時に指定したメールアドレスとパスワードをアプリ起動時に入力するだけで、Pogoplug本体同様、すぐに使い始めることができます。

専用クライアントも説明の必要がないくらい簡単に使えます。

画面4 Android用のクライアント。アプリのデザインがiPhoneの流用なのが気になる。
Android用のクライアント。アプリのデザインがiPhoneの流用なのが気になる。

画面4でわかるように、リスト表示されたフォルダを画面ごとに辿っていくユーザインターフェースです。たとえば、Pogoplugのファイルにアクセスするには、一覧中のディスク名をタップして、順にフォルダを辿り、目的のファイルが保存されている場所まで移動します。

一部では、Android用のクライアントがiPhone用のクラインとよりも遅いとの話がありますが、私はそうした印象を持ちませんでした。気になったのは、アプリのデザインがiPhoneの流量なところくらいです。使い勝手は悪くないので、些細な話ではありますが、使い勝手が他のアプリと違うのは気になります。

PC同様、ブラウザでもアクセスできますが、手持ちのHT-03Aでは、ページが表示されるまでに時間がかかり、使いたい時にすぐに使えないので、専用クライアントを使うことをお薦めします。

Dropboxとの比較

何度か出ているDropboxのクライアントソフトとPogoplugのクライアントソフトの良い点と悪い点をあげます。

Pogoplug
良い点:
一覧に、ムービー、音楽、写真のカテゴリ分けされ、作成日ごとに分類されるので、目的のファイルにアクセスしやすい。
悪い点:
内蔵ビューワが対応しないファイルは開けない。日本語テキストは文字化する。
Dropbox
良い点:
内蔵ビューワが開けないファイルは、関連付けされたアプリが起動できる。
悪い点:
リビジョン管理機能が使えない。

Pogoplugに、KeePassのパスワードデータベースを置き、Androidからもアクセスできないかと試みましたが、Pogoplugクライアントは、内蔵ビューワが対応しているファイル以外は扱えないので、パスワードデータベースを開くことができず、KeePassDroidで開くことはできませんでした。Dropboxクライアントであれば、パスワードデータベースをタップすると端末にダウンロードされ、KeePassDroidで確認できたので、残念でなりません。

モバイル版はこれからに期待

PCで使う限り、Pogoplugには、不満もなく非常に快適に使うことができます。

モバイル用は、メジャー端末向けにクライアントソフトが用意されていることは評価できますが、先で書いたように、内蔵ビューワーの作り込みが甘く利用範囲が限られます。Dropboxのクライアント程度まで作り込まれれば、モバイル端末でも快適に使えると思うので、これからに期待したいと思います。

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