今回は、Xperia X10 mini proのシステム周りを中心にご紹介して行きます。
搭載OSはAndroid 1.6
Xperia X10 mini proには、Xperia X10同様、Android 1.6が搭載されています。
[Settings] -[ About Phone]でバージョンを確認すると、Firmware versionが1.6、Kernel versionが2.6.29、Build numberが1.1.A.0.8となっています。
Xperia X10 mini proのモデルナンバーは、U20iとなっている。
Googleが最近公開したAndroid端末のOSシェアでは、22%がAndroid 1.6となっています。Android 1.6は、2009年9月のリリースなので、1年経過していないことを思えば、少ない数字かもしれません。それよりも驚きなのが、Android 2.1とAndroid 2.2が55%の過半数を占めていることです。Android 2.1は、2010年1月のリリースなので、すさまじい勢いで、多くのAndroid端末がAndroid 2.xへ移行していることがわかります。
実質、不都合はなくても市場の動向を見ると、Xperia X10のAndroid 1.6は取り残された感が否めません。ソニー・エリクソンも同じように見ているのか、2010年第4四半期に予定していたAndroid 2.1へのアップデートを第3四半期に前倒して行うとアナウンスされています。
第3四半期なので、9月までには動きがあるはずなので、状況は追ってお伝えします。余談ですが、Xperia X10は、第3四半期のアップデートとは別に、第4四半期にも追加アップデート予定されています。噂では、無線LAN経由でテレビと接続して映像を表示する機能とMediascape、Timescapeの刷新が予定されています。
独自の雰囲気と機能を持つ
Xperia X10 mini proにも使われるUXプラットホームは、Settingsやメニュー、ホーム画面などにオリジナルの壁紙や配色が施され、他のAndroid端末とは違う独特の雰囲気を持っています。さらに、Timescapeの独自アプリのユーザインターフェースが、独自の世界観を演出するのにひと役買っています。
ムードは、ソニー・エリクソン謹製のアプリを使っている限りは壊れませんが、色調がマッチしない他社アプリ等を使うと、一気に興ざめする感があります。機能的には何ら問題無いのですが、がっかり感が強いので、どうにかならない物かと考えてしまいます。
Timescapeウィジェットを表示したホーム画面。独特の雰囲気を持っている。
見た目だけではなく、独自の機能も実装されています。
たとえば、Settingsには[Sony Ericsson]メニューが用意されており、独自で開発されたアプリか拡張されたアプリ(Browser、Camera、Email、Messaging、Timescape)の設定がまとめられています。設定内容は、初期設定値のような物が多く、それぞれのアプリで使うアカウントや更新スケジュールなどです。こうして、まとめられるとわかりやすく使い易いので、Android標準で採用されないかと思うほどです。
Sony Ericssonメニューが用意されている。
他、[ Wireless controls]以下の[Mobile networks]に[Data traffic]という設定項目があります。これをチェックすると、データ通信が有効になり、チェックを外すとデータ通信が無効になります。同じことが、APNdroidなどのアプリでできますが、Xperia X10 mini proには、標準で搭載されていることになります。
2種類の文字入力ソフト
筆者が購入したXperia X10 mini proは、香港版なので標準の文字入力アプリ「Default input」の他に「Chinese keyboard & HWR」と言う中国語入力アプリがインストールされています。
中国用キーボードも用意されている。
中国語はわからないので、入力ソフトの使用感をレポートできませんが、3つの入力モード「Chinese PinYin」「 Chinese Strokes」「 Chinese Handwriting」を備えており、いずれも入力した文字に対して、入力候補を表示する仕組みで、入力保管をする日本語入力ソフトと似た動きをします。
中国語入力アプリの画面。
標準の文字入力アプリも凝った作りです。キーボードを閉じた状態では、テンキー入力のような画面が表示され、入力文字に合わせて候補が表示され、入力時のキーストロークを減らす工夫がされています。キーボードを開くとテンキー入力の画面がなくなり、入力した文字がそのまま入力されます。
らしさが凝縮
各社からAndroid端末がリリースされていますが、世代を重ねていないため、ホーム画面の使い勝手が違う程度で「らしさ」を醸し出すまで作り込まれている端末は、まだ数少ないように思います。その点、Xperia X10 mini proは、ソニー・エリクソンらしさを感じられる部分が多く、雰囲気が許容できるならば、濃い端末が欲しいと考えているユーザーには楽しめる端末です。