4回にわたり、Xperia X10 mini proの特徴的な部分をご紹介して来ました。5回目は、一区切りとするために、Xperia X10 mini proのネガティブな部分をご紹介します。
押しづらい電源ボタン
Xperia X10 mini proのハードボタンは、デザインが重視されたのか、押しづらい形状です。とくに、本体上部の電源ボタンは顕著で、横幅はあるものの幅がなく細長い形状の上に、誤作動防止を狙ったのか、ボタンが本体にめり込んでいます。
これが曲者で、端末をロックしようとして電源ボタンを押したつもりが、押し込むことができず、端末ロックに失敗することがよくあり、ストレスを感じることがあります。
その電源ボタンには、軽いクリック感があるので、それを頼りに本体上部を強めに押してやれば、失敗が少なくなります。
本サイズの制約を受けているのか、押しづらい電源ボタン
一列目が押しづらいキーボード
Xperia X10 mini proの本体サイズは、90.0×52.0×17.0mmで、厚みを以外はクレジットカードの並の大きさです。この大きさゆえ、QWERTYキーボードのキー1つの大きさは5×5 mm程度になります。本体サイズも小さいので、キー入力には本体を両手で持って、親指の先でポチポチとキーを押して入力します。クリック感があり、慣れれば、結構なの速さで入力できるキーボードですが、キーボードの一列目だけは、スライドさせた液晶部分が邪魔で入力しずらくなっており、親指を立てて指の爪で押す感じで入力する必要があります。あと、5mmでも液晶部分が上にスライドすれば、印象が変わるはずなので、次期端末が計画されているのであれば、改善して欲しい部分です。
一列目のキーを押すには、親指を立ててツメで押すような感じ
雑な造り
バックボタンを押すと、きしみ音が出ます。
音は、裏ブタに力がかかり押し込まれると、本体と裏ブタが擦れあって、きしみ音のようになっています。また、本体表面は、成形の精度が悪いのか、一部引けが発生して部分があります。コーナーやインジケーターランプ部分は顕著で、光の当たり方や見る角度によっては、小さく凹みが発生していることを確認できます。
筆者が入手したXperia X10 mini proは、初期ロットなので、製造ライン立ち上がり時の特有の問題で、製造ラインが安定すれば、解決される問題かもしれません。ともに、実用上問題のない話ですが、近年、雑な造りの端末が少ないので、苦笑するような話です。
画面解像度の問題
Xperia X10 mini proの画面解像度は、240×320のQVGAです。
例えば、Xperia X10は、480×854のWVGAなので見劣りしてしまいますが、使える作り込みが行われています。とくに、標準で添付のHomeアプリやCamera, Albumアプリは秀逸で、画面の四隅にコントロールボタンを配置したユーザーインタフェースは、サイズが小さく、画面解像度が低くてもストレスを感じことなく快適に利用できます。
4コーナーボタンのユーザーインタフェースは、見た目も良く使いやすい
ただ、以外な問題があります。
初期の端末は、画面解像度がHVGA(320×480)で固定されていたので、アプリもHVGAを最低解像度に設定して開発されているものが多く存在します。例えば、Evernoteがそれで、マーケットアプリで検索してもヒットせず、ダウンロードできません。
原因は、アプリがHVGAよりも低解像度のQVGAをサポートしていないためです。
QVGAをサポートするには、アプリ開発時にサポートする設定を記述を追加する必要があります。開発環境が出力するテンプレートに、設定の記述があれば、こうした問題が少なくなるはずですが、それもないので、現状は、多くの開発者が自身のアプリがQVGAに対応していないことを知らずリリースしている可能性があります。
画面の描画速度は、解像度が功を奏してか、ストレスを感じることはありません。
ローエンド端末だと、画面の切替アニメーションなどがアニメーションがぎこちなく行われ、煩わしく感じますが、そうしたことは一切ありません。参考情報として、以下にSmartphoneBenchmakで計測して描画関連の結果を掲載しておきます。
3D(テクスチャあり) 71FPS
文字列描画 67FPS
ライン描画 67FPS
多角形描画 58FPS
透過PNG描画 68FPS
3D描画の性能は秀でているようで、サイトの集計結果を見ると、ラインキング上位はXperia X10 mini/mini proで占められています。
濃い端末が欲しい方にお勧め
今回は、ネガティブな部分を取り上げましたが、こうした部分を差し引いたとしてもXperia X10 mini pro魅力的な端末です。日本のキャリアからは、発売の話は聞こえてきませんが、他人とは違う濃いAndroid端末が欲しい方にはお勧めの1台です。
仮に、日本で発売されるのであれば、雑な造りくらいは改善して頂いて、ソニーらしくFeliCaを搭載してくれることを期待します。こうなれば、本当に手放すことができない端末になることは間違いないでしょうし、日常生活に溶け込んだAndroid端末になることは間違いないはずです。